無頼・証券マン、哲二

５５話：海外、ポルトガルへ行こう

　それを聞いていた、佐藤夫妻は、何も言えず、すごい人生を送ってきたのですねとだけ言った。すると、佐藤文明君が、突然、私みたいに、大学出て、アルバイトで食べてる人間をどう思いますかと質問した。それに対して、小田哲二が、羨ましと思うねの一言だとクールに答えた。

　続けざまに、どうしたら良いと思いますかと聞くので、本音を言っても良いかと先に聞くと、えー、是非、お願いしますと言った。すると、小田が、あなたは、本当に、お金が欲しいとは思わないのと、聞くと、今迄、お金に不自由したことがないので、わかりませんと言うと、クールだが、迫力ある声で、それ自体が、甘い。

　成人した者が、自分の使う金くらい、自分で作れと言った。じゃー、僕の場合、どうしたら良いかと、お考えですかと聞くので、日本で怒られる会社が嫌なら日本を出て、スペインでもポルトガルでも行って、会社で怒鳴られない社会で生活して見たらどうだと言った。

　日本の都会のストレスも自分には合わないらしいなら日本を出て自分の住みやすい国を捜して就職し結婚して生活基盤を作ったどうだと言い、スペイン、ポルトガルは植民地が多かったし、多くの人が話すので、ブラジル、メキシコ、スペイン、ポルトガルなどで仕事をして見て、自分に合う所を探す事から始めるべきだと言った。

　海外に目を向けるのですか、と言い、それは、良いアイディアかも知れないと佐藤文明君が言った。すると、父の佐藤巧さんが、１００万円位、貸すから海外に出てみるのも、本当に良いかも知れないと言った。もし良かったら、良いシーズンに、スペイン、ポルトガルに一緒に行かないかと誘った。

すると、小田哲二が、佐藤夫妻と佐藤文明君に言うと、行ってみたいと言った。そのうちに１４時となり店を出て、別れた。その晩に、佐藤巧さんから、電話で、今日はありがとうと言われ、息子から、初めて意欲的な発言が出たと、喜んでいた。

　スペインとポルトガルのベストシーズンは、５月と言われたので、それで行きましょうという話が決まった。その後、４月２５日に出発して、５月８日に帰って来る日程と決まり、航空券と宿の手配を小田哲二がした。ポルトガル旅行は、成田空港、４月２５日の午前１１時半、出発した。

　１０日間滞在して、帰りは、リスボン空港、５月７日７：２０発でヘルシンキ経由で、羽田に５月８日の８時着。４月２５日から１４日間と５月８日までの航空券を取ったと言った。

　さらに旅行会社では、ポルトガルの離島マディラ島の花祭りが５月２～４日、行われるので行った方が良いと言われたと話した。マディラ島・フンシャル花祭りのパンフレットをもらって来たが、美人や可愛い子供達のパレードときれいな花の写真がいっぱいだった。