敏腕セールスの移住

ハリマオ65

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3話:移住へ開始1

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 電話で農家民宿のご主人と連絡を取り合って書類提出を終え、お願いしていた三DKの公営住宅も見つかった様だ。2019年4月にステップワゴンで山陰の海辺の町についた。近所の三件の公営住宅の家に挨拶し、ちょっと離れた農家の安田さんの家に挨拶に行った。

 そこでは、老夫婦、安田和夫さんと幸子さんが出てきて久しぶりに、こんな可愛い子供達を見たよと目を細めて喜んでくれた。その後、役所に行き挨拶と簡単な面接をうけ、担当者から運転手で月10万円の給与を支払うと言う。その仕事は。週3回「月、水、金」スーパーと病院に2往復「午前、午後」の仕事だと語った。

 農家民宿のご主人にも挨拶しに言った時に、ご主人から仕事の事を言われパートだけれど港の魚の運搬作業で毎朝5時から2時間で2千円で働かないかと言ってきた。奥さんには介護施設で正社員で月12万円、パートなら3千円/1日と言われた。

 とりあえず少し落ち着いてから仕事のことも考えると答えた。翌日、陰山夫婦は仕事の話をして一郎が運転手のアルバイトとをする事にし車は大型ワゴン。月に10万円、月、水、金の週3回の午前9時出発で11時に戻り、15時出発し、17時に戻る。

 奥さんは介護施設で最初は昼間のパートから始めてみる事にした。保育園は家から車で五分の所にあり送迎バス付きで朝8時から夕方5時まで見てくれる。翌週の月曜日、陰山は、運転手のアルバイトで決められたコースを走り始めた。停留所というのではなく手を上げた人を乗せていく方式。

 送り先はYG病院、2つのスーパマーケット、YG駅へ行き、帰りは一人で戻る。今日は早めに戻れ、女房と昼食をとった。午後になり午後3時は3人を乗せて出発し8人を拾って戻ってきた。乗客は全員高齢者。年に数回、花見や日帰り旅行も企画されるそうだ。

 運転手は3人おり月水金、火土、木日で毎日運行している。終了すると役場に車を置き、そこから家まで送ってもらう。距離は短く、速度もゆっくりで、事故にさえ気をつけていれば簡単だった。買い物と病院と電車の駅へ行くのが多い。月曜日に実際に送迎をすると、それ程、難しいものではなかった。

 翌朝5時に港の魚市場に出かけてみると5時半には競りが終わり残った小さな魚がビニールに入って無造作においてあり、ビニール袋に値段が書いてあった。小アジが5匹で100円と傷の付いたタコとイカが100円でビニール袋に入っていたので購入した。

 確かに安い、地元の人は金目鯛やイナダ、鯖などの傷ついて出荷できないものを買うせいか、大型の魚は売れて残っていなかった。 それでも3百円でこんなに多くの魚が買えるのは驚きだ。今日食べるもの以外は冷凍しておこう。すぐに帰って鰺の南蛮揚げとタコ、イカの刺身をつくった。タコ、イカの残りは冷凍して揚げ物、焼き物で食べることにしよう。この日の夕食は、タコ、イカの刺身と鰺の南蛮揚げで子供達も喜んで食べてくれた。 
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