電子カルテの創成期

ハリマオ65

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第41話:出資を決定と木下先輩の退職

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 そこで、こちらから出向いて、東京のどこかで、話合いをして、近くの金融機関から、我が社の口座に振り込んでもらい、借用書を発行する事で良いですねと言った。それに対して、御意見はと聞かれ、わかりました、了解ですと、木下先輩と常本が答えた。そして、別れ際、成功を祈願していますと、4人が握手して、その会社を後にした。

 その後、特に新しい展開はなく2004年が終了して2005年となった。気になったので、常本が、富士川先生にメールを出すと通産省とは別に科学技術庁からも2億円の融資がもらえそうで、現在交渉中と書いてきた。もし、これが、成功したら4億円集まるので、総合計7億円となり金融機関からの融資話を断れると書いてあた。

 来年4月までには、決済が降りる予定だと書いてあった。2004年6月30日付けで、木下先輩は55歳で日本電気を退職した。ちなみに退職金は2500万円だったそうだ。これで資産合計が55000万円になったらしい。しかし木下先輩から株の情報をもらったが、当分、株の売買は、しないと答えた。

 2004年10月から富士川先生は、貸会議室を借りて17時~20時に社員を集め、1時間ずつスマートフォン、パソコンの使い方教室を週に3回、月、水、日、始めた。そして、月に1回位、友人のいない木下先輩は、常本肇を呼んでは、酒を飲むのを楽しみにしていた。

 2004年12月20日も呼び出された。この時、かなり酔っていたので、理由を聞くと20年以上もつき合っていた物書きの女が、日本を離れて流浪の旅に出て、帰ってこなくなったようだ。彼女の話によると、骨のある男、人情味のある男が日本人の中にいなくなり、軽薄短小な男ばかりで嫌になったらしい。

 そこで、夏は、オーストラリア、ニュージーランドへ行き、冬は、ポルトガル、スペインの南部、シンガポールで生活する様になり滅多に日本に戻って来なくなったと話した。つまり話し相手、友人がいなくなってつまらないらしい。それを聞き、常本肇が、携帯電話番号知ってるのでしょと聞くともちろん知ってるよと言った。

もし、退屈して、つまんないなら遊びに行くと電話して彼女の所へ行けばと言うと格好悪い事はできないと言う。変なプライドは、捨てて、もっと素直に生きればと言うと、どうせ俺は、不器用な古い人間だとつぶやいた。高倉健じゃないんですから、そんな任侠じみた昔の男をを演じても、現代社会じゃ相手にされませんよ。

 ましてや、年とった爺さんを相手にする、酔狂「すいきょう」な女はいないと断言した。もっと明るく合理的に生きた方が良いのじゃないですかと助言したが、全く頭が、硬くて受け入れない。本当は、木下先輩は、その物書きの女が、好きなんでしょうと言うと、嫌いじゃないよ、強がった。

 そこで、日本がつまんないから遊びに行って良いと言って長期間、一緒にいて海外が飽きたら日本に帰って来る生活ができるのだから、それを実践した方が、気儘で、快適で、良い人生なんじゃないですかと助言すると、そーだなと言ったまま宙を見た。今シーズンの冬に行って見ようかなと言った。

 彼女のいる所に転がり込んで、長い付き合いの物書きの女と一緒に生活した方が良いと言うと、そうだな、直ぐ電話してみようと言った。先輩の年金も海外で受け取れるし、物書きの女性の印税も海外で受け取れるので、その方が、きっと良いと思いますよと言った。すると、翌週から、スマートフォンとパソコンと教室をやめた。

 そして、彼女のいるシンガポールへと旅だった。そのうちに2005年があけた。常本家の子供達、優一と優也が、社会人になって初めての冬休みになり、2004年12月29日、橫浜の実家に帰って来た。年末混んでいるにもかかわらず、両親が、牛肉やマグロの刺身、塩鮭などを買い込んで来た。そしてソフィアの手料理を旨そうに食べた。

 元旦には近くの神社に初詣で行き、今年のお願いをそれぞれしてきた。正月の3日間を過ごし1月3日夕方、埼玉の工場近くのアパートに帰った。その後、2005年1月5日、木下先輩がシンガポールに7日間の予定で出かけた。常本肇は、課長から与えられた課題に取り組む実験を繰り返してレポート作成を始めた。そのうちに1月12日となり木下先輩が、帰国した。
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