電子カルテの創成期

ハリマオ65

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第46話:新横浜支店の断念と旧友との歓談

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 了解し答え、全面協力すると話した。近くの不動産屋の知り合いに聞いて見ると伝えた。良さそうな所があったら直ぐにメールで知らせると答えた。そして、その晩は、息子達の転職を父が喜び、かなり飲んで、家に帰った。そして新横浜駅、周辺の事務所の空きを以前、家を建てるときに世話になった不動産屋に聞く事にした。

 事務所の広さはと、聞くので、15坪から30坪と言うと、築20年で月の家賃40万円からと言われた。その後、事務所の調査資料を送ると家賃が高過ぎるので我慢するにした。その後、4月20日、富士か先生からのメールで、池辺さんから5月の連休に、東京で3人会って話をしないかとメールが来たと書いてあった。

 それによると5月3日、15時上野の西郷さんの銅像前に15時集合と書いてあり、都合を聞いてきたので、行きますと返信した。5月3日、2時前に小机から横浜経由で上野駅に向かい上野の西郷さんの同像の前に15時10分前に到着すると富士川先生と池辺さんが来ていた。まず、喫茶店に入ろうと言われ探した。

 そして近くのビルの喫茶店に入った。池辺さんが、どうだ元気かと常本に聞くと、給料は高くないけれど研究所で、定時の仕事をしていますと笑いながら言った。相変わらず、うまくやってるなと言った。富士川先生が、いや、常本さんと友人の木下さんに1億円ずつの融資をしてもらったんですよと言うと、ほんとかよ、信じられない。

 俺の生涯賃金以上じゃないかと笑いながら言った。続けて、国と科学技術庁からのベンチャー育成融資で2億円と併せて8億円集まり、研究開発を今年4月から本格的に開始したと話した。詳しいことは知らないけれど、うまく行くと良いねと富士川先生に言った。ところで、池辺さんの方は、どうなのですかと常本が聞いた。

 すると、総務課というのは、日本で言えば、政府みたいな所で、そこの副部長というのは、いわば調整役という感じかなと言った。社内で、違うグループが共同して行う仕事を円滑に進めるためのアドバイスや時には、トラブルの調整役みたいなものであり、できて当たり前という世界だと、表現した。

 それを聞き、常本が池辺さんに、ぴったりの仕事じゃないですと言った。確かに、信州大学でコンピューター研究会を立ち上げ、その調整役をずっとしていたので、やり方は、すぐ、理解したと答えた。残業もなくて良い反面、気を使って、場合によっては胃が痛くなることもあるよと、笑いながら言った。

 富士川先生が、将来、うちの会社で、スーパーセールスマンの池辺さんの様な人が欲しいと言い、もし池辺さんが、今の会社が嫌になったら、入社大歓迎するよと言った。その後、場所をホテルのレストランに変えて、富士川先生も池辺さんも60歳、近くなると、心筋梗塞や脳梗塞など大きな血管つまる病気に気をつけた方が良いといった。

 常本が、自分の先輩も危ないところで助かったと言い、もう15分遅れていたら死んでいたと先生に言われたことを話した。その話を聞いて、富士川先生が、うちの家系でも脳卒中で死んだ人が多く血圧も高めだと話した。2005年5月10日、富士川先生から電話が入り、今日から、2種類の試作機の設計が終了。

 それをYK電機に、それぞれ10台ずつ、製造契約を結んだと言うメールが入った。その製造の委託契約に1億円を支払ったと書いてあり9月には完成予定だと書いてあった。気になったので、メールをもらった翌日の晩に常本が富士川先生に電話をかけて詳細を聞くことにした。夜9時に電話を入れると、試作機は、アルミ合金など1台当たりの製造原価が300万円近くかかると話した。

 これは、高過ぎるのでとりあえず試作品を無料で老人施設や工事現場で試用してもらって、アンケートを取りたいと話した。その次の段階で、アルミ合金を薄い鉄板か強化プラスティックに帰られるかと言うことと、駆動系のモーターの質を少し落としてコストダウンをはかれるか試すと話した。

 期間はどの位、考えているのかと聞くとテスト期間1年かかると答えた。全国の必要とする工事現場、老人施設、運搬、倉庫・業者など、重い物を移動する必要のある職場でのアンケートを集計して正式に商品を製造して販売していくことを考えたいと語った。実は、最近まで、忙しく、会社に泊まり込んで設計図を社長と2人で、書き上げたと話した。
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