瀬戸内の勝負師

ハリマオ65

文字の大きさ
11 / 85

11話:バブル崩壊と株価の下落と天候不順

しおりを挟む
 これで、現在、住んでる家賃4万円の3DKの借家から、家賃8万円の立派な4LDKの家に引っ越した。他に6人乗りのクラウンを200万円で購入した。小山田の総資産は7200万円となった。これをみて、漁師の仲間が、どうした宝くじでも当たったのかと聞くと、その通りだと答えた。

 しかし、今迄の生活スタイルは変えず、漁師を本業にして、副業で、株投資、麻雀、競輪、競艇を続けた。その日と翌日の2日間、海は、荒れていて、漁は休みになった。やがて、秋風が吹き始め、秋が到来し11月、12月となった。やがて1990年が終わり1991年を迎えた。

 この頃、1989年5月からの日本銀行による公定歩合を引き上げにより、90年末には、公定歩合6%、過去最高の金利となった。そして 社会問題化したバブルを潰したことで、三重野康日銀副総裁「当時」は「平成の鬼平」と称えられた。株価の下落は1990年1月から始まった。

 日経平均株価は1990年10月末に2万5000円台に下落。こうした中で、株価の下落に続いて地価の下落が始まった。公示地価は株価の下落から1年遅れの1991年に下落に転じ、住宅地で前年比マイナス5.6%、商業地でマイナス4.0%と17年ぶりの下落を記録してバブルは崩壊した。

 1990年2月21日の日経平均価格が35734円、-1161円、-3.1%、2月26日の日経平均価格が33322円、-1569円、-4.5%、3月19日の日経平均価格が32623円、-1353円、-4.1%、4月2日の日経平均価格が28002円、-1978円、-6.6%。

 4月17日の日経平均価格が19009円、-1426円、-7.0%と下げた。日経平均株価が、1990年2月21日35734円から9月26日22251円の約7ヶ月の間に、37.7%も下げた事になる。つまり、日経平均株価の下げから見ると完全にバブル崩壊したことがわかる。

 しかし土地の価格が下がり始めたという実感はなく、今迄みたいに土地価格の話題がなくなった程度だった。バブルの崩壊は、金融機関からお金を借りて株や土地に投資した企業や個人に多額の損失を与えた。銀行から資金を借りてまで投資した企業や個人は、借金の返済を迫られる。

 しかし担保としていた自分の所有する土地や株を売っても、バブル崩壊で価格が下がっているので 「例えば10億の土地が5億になったら売ってもお金が作れない」、返済するための資金にならない。だから銀行に借金が返せなくなる。

 して銀行からみれば、回収できなくなったお金が不良債権。積極的に融資を行っていた金融機関の多くは、貸し出し先が倒産したり、経営悪化に陥り、お金を返してもらえなくなりして、巨額の不良債権を抱え込んだ。このバブル崩壊で土地投資のため銀行をはじめとする金融機関に大金を借りた。

 そして土地を買いあさった、バブル亡者が、一気に凋落し、多額の借金の取り立てを受けた。その結果、ある者は、自己破産したり、ひどい場合は、飛び込み、首つり自殺する者まで大勢現れた。しかし、日本人の特性なのか、そう言う報道は、ほとんど出ることなく、闇に葬り去られた。

 こんな世の中の流れに対して、小山田は、昔と変わらず、良い天気の日には、漁に出て魚を捕って、海が荒れると、漁を休んで、仲間と麻雀したり、飲みに言ったりして過ごしていた。こう言う姿を見ていた船の持ち主の漁師の総元締めも土地投資をして多くの借金を抱えて目の色を変えて金策に走っていた。

 1991年の気候は、昨年と同じ様に、夏の低温、長雨と日照不足だった。5月以降は前線が本州南岸付近に停滞しやすく、九州地方を中心に西日本では曇雨天が多かった。九州地方から関東甲信地方では平年より2週間程、早く梅雨に入った。7月は上旬まで前線が本州南岸上に停滞。

 このため5月から7月中旬まで九州・四国・中国地方では長雨、日照不足が続いた。7月21日頃には中国・近畿・東海地方で梅雨が明けた。9月中旬から10月には秋雨前線が本州南岸に停滞し、曇雨天が続いた。この年、大きな台風が日本を襲った。

 1991年9月23日にはフィリピンの東海上で中心気圧925ヘクトパスカル、最大風速50メートル/秒の大型で非常に強い台風となった。瀬戸内海沿岸では高潮被害が発生し、広島県では風害と共に重要文化財である厳島神社の能舞台が倒壊したり、屋根が吹き飛んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...