23 / 37
22話:手術後、中学の同級会1
しおりを挟む
それを見ていた善継も。まるで感染したかのように、目頭を熱くした。とっさに善継が、また、何かあったら気軽に言って下さいと言うと、令二の目から涙があふれた。善継、お前は、本当にやさしい、良い奴だなと、肩をたたき、お言葉に甘えて、今後も、いろいろお世話になりますと、令二が、深々と頭を下げた。恥ずかしいから、やめて下さいと言った。
続けて、善継が、令二さんは,純粋な人で、生きるのに不器用で誤解されているが、自分に正直に生きている,心の優しい良い人なんだと告げると、また、涙がこぼれた。令二が、善継に、死ぬまで、面倒かけるけど、宜しくと、小さな声で言った。そして、昼食を食べて、帰って行った。帰り道、人には、相性というものがある。
きっと、令二さんは、不器用だけど、きっと、俺には、正直に話せるのだろうと,今迄の付き合いを振り返って、そう思った。そして、これからも、彼の人生が終わるまで、付き合うことになるのだろうと、覚悟を決めた。これだけ、濃い関係の人は、他にいないと言う事は、よっぽど、馬が合うかもしれないと想像した。やがて2014年になった。
今年10年ぶりに、中学時代の同窓会の案内が届いた。そこには、2名の死亡が書かれていた。そうか、俺も62歳、普通なら、定年を迎えて2年たったとだと実感した。そして、同窓会幹事の元、級長の相模義三に電話を入れると,是非、来てくれと言われ,行く約束をした。日時は、早く帰る人もいるので、3月12日、午後16時。
場所は、国道16号線沿いのファミリーレストラン・スカイラークと決まった。その日、善継が、久しぶりに、16時に会場に行くと、女性達が多く、佐藤君代、里山良江、と常連さんに交じって、清水菊江が初めて参加した。そして、幹事の相模義三ともう1人女性の幹事、衣笠富子が来ていた。そして、その他8人の合計14人が来ていた。
酒を飲むには、まだ早いのでと幹事の相模義三が挨拶し、今日は、ご参加ありがとうございます。我々も60歳を過ぎ、いろんな人生を歩んできたと思う。今迄の思い出や話したい事など存分に語ってもらいたいと思いますと開会の挨拶をした。そして用事で帰る時には、幹事の私と衣笠富子に言って帰っていただきたいと思いますと言った。
そして席は自由なので、自分でお決め下さいと言って、同級会が始まった。そして善継は、清水菊江と衣笠富子、他、男性3人の6人の席に着いた。開口一番、衣笠さんが井方君、株で随分と稼いだようじゃないと、水を向けた。それに対して、えー、まーと、答えると、億り人になったんだってと続けて、言われた。
それは、ご想像に、お任せしますというと、相変わらず、端れ悪いのねと笑いながら言った。それを聞いて、初めて参加した、衣川富子が、どうやったのと聞くので、そんな細かい話は、無粋だよと言った。すると、男性達も,教えろというので、少しずつ話した。うちの父が、みんなも知っているように井方算盤塾を昔からやっている。
塾経営の傍ら株投資をしていて、それを見ていて興味を持った。そして、僕が中学時代から数学が好きで、株の本を見ていたとき、これから電気関係の時代が来ると思い、高専の電気科に入学した。そしてソニーと言う会社が有望だと思った。そして高専で習った標準偏差、わかりやすく言うと、株価の変動であります。
一定の値段より下で買い、ある値段から上で売ると儲かると言う数字を導き出した。その数字と株価のチャートを見て株投資したところ、全勝、負けなしで、倍々ゲームで資産が増えたと言った。その答えに対して、友人の里見健太が、お前の話は、相変わらずむずかしいなと言い、さっぱりわからないと言った。
すると、衣川富子が、すごいわね。さすが、数学の天才と言われただけのことはあると、ほめた。そして、実は、私の元・旦那も株が好きで、1970年、1980年代は、株投資もそんなに難しくなくて、倍々ゲームで増やして、1990年代には億り人になったわ。
そして、ヤフーで成功して、続いて,ソフトバンク、光通信とインターネット株に手を出して、2000年の冬には資産が5億円を越えた。これを聞いて、わおーと大きな声が上がった。しかし、井方君も知っているとおり、光通信とソフトバンクの大きな下げで、2001年には1億円を切ってしまった。
続けて、善継が、令二さんは,純粋な人で、生きるのに不器用で誤解されているが、自分に正直に生きている,心の優しい良い人なんだと告げると、また、涙がこぼれた。令二が、善継に、死ぬまで、面倒かけるけど、宜しくと、小さな声で言った。そして、昼食を食べて、帰って行った。帰り道、人には、相性というものがある。
きっと、令二さんは、不器用だけど、きっと、俺には、正直に話せるのだろうと,今迄の付き合いを振り返って、そう思った。そして、これからも、彼の人生が終わるまで、付き合うことになるのだろうと、覚悟を決めた。これだけ、濃い関係の人は、他にいないと言う事は、よっぽど、馬が合うかもしれないと想像した。やがて2014年になった。
今年10年ぶりに、中学時代の同窓会の案内が届いた。そこには、2名の死亡が書かれていた。そうか、俺も62歳、普通なら、定年を迎えて2年たったとだと実感した。そして、同窓会幹事の元、級長の相模義三に電話を入れると,是非、来てくれと言われ,行く約束をした。日時は、早く帰る人もいるので、3月12日、午後16時。
場所は、国道16号線沿いのファミリーレストラン・スカイラークと決まった。その日、善継が、久しぶりに、16時に会場に行くと、女性達が多く、佐藤君代、里山良江、と常連さんに交じって、清水菊江が初めて参加した。そして、幹事の相模義三ともう1人女性の幹事、衣笠富子が来ていた。そして、その他8人の合計14人が来ていた。
酒を飲むには、まだ早いのでと幹事の相模義三が挨拶し、今日は、ご参加ありがとうございます。我々も60歳を過ぎ、いろんな人生を歩んできたと思う。今迄の思い出や話したい事など存分に語ってもらいたいと思いますと開会の挨拶をした。そして用事で帰る時には、幹事の私と衣笠富子に言って帰っていただきたいと思いますと言った。
そして席は自由なので、自分でお決め下さいと言って、同級会が始まった。そして善継は、清水菊江と衣笠富子、他、男性3人の6人の席に着いた。開口一番、衣笠さんが井方君、株で随分と稼いだようじゃないと、水を向けた。それに対して、えー、まーと、答えると、億り人になったんだってと続けて、言われた。
それは、ご想像に、お任せしますというと、相変わらず、端れ悪いのねと笑いながら言った。それを聞いて、初めて参加した、衣川富子が、どうやったのと聞くので、そんな細かい話は、無粋だよと言った。すると、男性達も,教えろというので、少しずつ話した。うちの父が、みんなも知っているように井方算盤塾を昔からやっている。
塾経営の傍ら株投資をしていて、それを見ていて興味を持った。そして、僕が中学時代から数学が好きで、株の本を見ていたとき、これから電気関係の時代が来ると思い、高専の電気科に入学した。そしてソニーと言う会社が有望だと思った。そして高専で習った標準偏差、わかりやすく言うと、株価の変動であります。
一定の値段より下で買い、ある値段から上で売ると儲かると言う数字を導き出した。その数字と株価のチャートを見て株投資したところ、全勝、負けなしで、倍々ゲームで資産が増えたと言った。その答えに対して、友人の里見健太が、お前の話は、相変わらずむずかしいなと言い、さっぱりわからないと言った。
すると、衣川富子が、すごいわね。さすが、数学の天才と言われただけのことはあると、ほめた。そして、実は、私の元・旦那も株が好きで、1970年、1980年代は、株投資もそんなに難しくなくて、倍々ゲームで増やして、1990年代には億り人になったわ。
そして、ヤフーで成功して、続いて,ソフトバンク、光通信とインターネット株に手を出して、2000年の冬には資産が5億円を越えた。これを聞いて、わおーと大きな声が上がった。しかし、井方君も知っているとおり、光通信とソフトバンクの大きな下げで、2001年には1億円を切ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる