僕が一人暮らしをするまで

世万江生紬

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第23話

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○月×日

 1人暮らしを始めて一週間が経った。一週間過ごして色々試した結果定着した1日のルーティンを紹介しよう。

 まずは朝起きて顔を洗う。朝に弱い僕は顔を洗ったくらいでは目が覚めたりはしないが清潔にするという必要性に駆られて顔を洗う。そしてキッチンに向かい、前夜に予約設定していたので炊けている白米を弁当箱に入れる。僕の職場は保育所なので給食は出るのだが白米は出ない。よって白米のみ毎日持っていくことになるのだがこの1週間、前日に炊いた米を弁当箱に入れて冷蔵庫で冷やし朝レンジで温める、冷凍していたのを朝レンジで温めて弁当箱に詰める、など色々試した結果どれも食べるころには米が固まってしまうという事態が起こってしまったので、朝炊けた米を弁当箱に詰めるスタイルになった。なぜ米が固まるのか理由は分からないが無洗米なのが良くないのだろうか。話を戻して、弁当箱に米を詰めた後は前夜洗って乾かしていた食器たちを片付け、前日に作っておいたおにぎりをレンジで温め、同時に昨日の残りの汁を火にかける。前日に用意しておく分はまた夜のルーティン紹介の時に書くとしよう。朝からフライパンで卵や肉を焼いて...といった光景のイメージはあるが僕には無理だ。朝からそんなやる気も元気もない。レンジで温めるのが限界だ。そしておにぎりと汁が出来上がるまでラジオ体操(音無し)をする。これは実家にいた時からの習慣なのだが程よく体を動かし伸ばしてくれるのでこれをしないと体が不調のように感じるのだ。これが長生きの秘訣と言っている高齢者をテレビで見たことがある気もするので是非お勧めしたい。そうこうしていると朝ごはんが完成するので、録画しておいたアニメを見ながら食事をとる。食事が終わると着替えて身支度を整える。これで大体アニメ1話ぴったりだ。アニメを見終えたら食器を洗い、野菜ジュースを飲む。100㎖という飲みきるにはちょうど良いサイズのパックがあるのでこれを僕は箱買いしている。毎日これさえ飲んでおけば栄養面は大丈夫だろうと高をくくっているのだが、いつか体を壊すんじゃないかとドキドキもしている。野菜ジュースを飲みながら職場に持っていくものの準備をし、終わったら歯を磨く。これが朝のルーティンだ。遅刻したら怖いので家を出る1時間前には起きるようにはしているが大体時間が余ってのんびりしてから家を出るのでちょっとずつ起床時間が遅くなっている。

 仕事から帰ったら夜のルーティンだ。まずはお風呂に湯を張る。一人暮らしだしお湯をためるのはもったいない気はするのだがそれでも僕は浸かりたい派なのでお湯につかって足をマッサージしないと疲れが取れる気がしない。お湯を張っている間に朝洗って乾かしていた食器を仕舞い、炊飯器に米を仕掛け、ざっと晩御飯の仕込みをする。晩御飯を作るのは一人暮らしを始めて一番億劫に感じることの一つだが、まだ楽しいと感じられる段階ではある。残っている食材を如何に綺麗に余すことなく使いきれるかゲームの素材集めとキャラ強化をしているようだ。ちなみに次の日の朝ごはん用に必ず汁物は作るようにしているのだが、仮に作れなかった時用にインスタントの汁ものはかなりの数ストックしてある。湯が沸いたらお風呂に入り、上がったら残り湯で洗濯を回す。さすがに残り湯は活用しないともったいなさすぎると思ったのでホースは買った。湯船に入る派の人は絶対に残り湯ホースを買っておくことをお勧めする。僕は気づいたときには手元になかったので数日はそのまま湯を捨てる羽目になった。選択を回している間に髪を乾かし、ご飯を作る。遅出の日は帰りが遅いので凝ったものは作らない、普通勤の日は帰りに買い物や寄り道をすることが多いので凝ったものは作れない、ということでほぼほぼ凝ったものなど作れないが休日や早出の日はちょっと手のかかるものも作りたいとは思う。僕は料理自体は嫌いじゃないのだ。そしてご飯が完成したら必ず写真を撮るようにしている。毎日何を食べたかの記録でもあるし、個人的に小規模で細々とやっているブログに乗せて承認欲求を満たすためでもあるし、なによりネットに毎日乗せるという心持があればある程度見た目を気にするバランスの良い食事を取ろうとするためでもある。ほぼ毎日白米を食べるようにはしているが、夜は一合炊くので一食にするとかなり余る。この余った分を次の日の朝食に回すのでここでおにぎりにしておくのだ。ふりかけも入れてごく少量の栄養を取ろうと足掻いてみている。そして食事を取ったら食器を洗いシンクの掃除をする。僕はシンクにウタマロを吹きかけ、装着する排水ネットを手にはめてざざっと磨くやり方で掃除しているのだが、何か良くない点があったら教えてほしい。そして水で流して手にはめていた排水ネットを排水受けに装着したら掃除完了。次は洗濯物を干す。僕は洗濯物を色物と白物で分けて洗濯しているのだが、これでも結構すぐに量がたまってほぼほぼ毎日洗濯している気がするので水道料金の集金におびえている。無事干したら歯磨きをして、ここで欠かさないルーティンが家中にファブリーズをすること。ベッドやソファ、カーテンにファブリーズするようにしている。このルーティンが後に悲劇を生むことになるのだがそれはまたいつかの話。最後に朝米が炊けるように炊飯器をセットして1日が終了だ。ほぼほぼのんびりする時間がなくてびっくりしているのだが実家にいた頃は母毎日こんな生活を送っていたのだなと感謝の気持ちを感じることが出来ただけ、この一人暮らしに意味があったと思える。
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