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6章
第19話 営業のボーダーラインってどこらへん?わからん!
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数日後、レオくんの部屋での、少し重い空気の漂うデート。
「……何が嫌だったの?」
「いや、私が悪いよ?覚悟が甘かったとは思うけど、マニュアル通りのレオくんに疲れたよ。私のこと好きじゃないなら別れて」
私は静かに言った。
「好きだよ!本気だよ!」
レオくんは必死に否定する。
「好きかどうかの証明なんて、悪魔の証明みたいなもんで、私だって言いたくないけど、でも好きなら普通お店呼ばないよね?でも呼んでしまった以上、他に何で証明できる?」
レオくんは言葉に詰まった。
「……俺が信じられないって言うの?」
「だから、好きとか信頼とか目に見えないものをあーだこーだ言うのは無理だよねって話」
「……」
「せめて、今いるレオくんの部屋でのキスなら舞い上がれた。でもお店を出た後のキスなんて、マジで営業じゃん。些細なことだけど、単純に私が嫌だなって思ったから、終わりにしよう」
「いやだよ!俺、カモちゃん居なかったら生きていけない!」
これまでのすごい数の着信やメッセージ、そしてこれまでのレオの営業傾向から、彼は若干メンヘラ気質だと思っていたが、ついに「生きていけない」発言が出た。
でも……
「そのセリフもパフォーマンスなんじゃないの?」
でも、それも結局そういう営業なんじゃない?って冷静な気持ちになった。
「まぁ確かに生きていけないことはないんだけど、」
レオくんはあっさりと言った。
「撤回するの早っ。もう少しパフォーマンスしてくれよ」
私は呆れたけどレオくんは尚も食い下がる。
「でもカモちゃんのこと、わりと結構本気で気に入ってて、それは嘘じゃなくて」
「……」
「実際、お客さんの中で一番会ってる時間が長いのはカモちゃんだよ」
「それ皆に言ってるんでしょ?」
私は疑いの目を向ける。
「ホントだよ!カモちゃんが開き直って、ホストのこと色々聞いてきたり話したりして、俺も一緒にいて疲れない。それって俺にとってすごい大事なことで」
レオくんは続ける。
「本気でも冗談でも『お店来て!』とか『シャンパンおろして』って他の姫に言うと険悪になるのに、カモちゃんは笑ってくれたり冗談を返してくれたり」
そんな冗談を返したつもりはなく、マジレスしてテキトーに流しているだけのつもりだったけど、そこは黙っておいた。
「カモちゃんと一緒に過ごした時間……ここで終わらせたくない!」
レオくんは真剣な眼差しで訴える。
「……じゃあ、お店呼ぶのはもうやめる?」
私は探るように聞いてみた。
「それとこれとは話が違う」
レオくんは即答して、私はガクッとズッコケたい気持ちになった。
「いや、レオくん。違うのはコッチの話。イベントを最後にするから50万シャンパンおろしたんだよ?コイントス勝負に私勝ったのに」
「やだ!カモちゃんと別れるのも、お店に来ないのもやだ!」
レオくんは子供のように駄々をこねる。
「好きな女の嫌がることを強要すんの?」
私の問い詰めにレオくんは口をつぼめた。
「……でも、これも二人の結婚のためのお金と思ったらいいじゃん。俺が売り上げてナンバー上がって給料も増えたら、二人の貯金になるじゃん」
その発言にイラッとして、逆に笑ってみせた。
「ほー?わかった。じゃあ約束破って、次またお店に来いとか言うなら」
「うん」
レオくんの頷きに私はニヤリと笑って言った。
「結婚しようか」
「……は?」
レオくんは間抜けな声を上げたけど、更に畳み掛ける。
「レオくん、婚姻届持ってくる覚悟ある?」
「……何が嫌だったの?」
「いや、私が悪いよ?覚悟が甘かったとは思うけど、マニュアル通りのレオくんに疲れたよ。私のこと好きじゃないなら別れて」
私は静かに言った。
「好きだよ!本気だよ!」
レオくんは必死に否定する。
「好きかどうかの証明なんて、悪魔の証明みたいなもんで、私だって言いたくないけど、でも好きなら普通お店呼ばないよね?でも呼んでしまった以上、他に何で証明できる?」
レオくんは言葉に詰まった。
「……俺が信じられないって言うの?」
「だから、好きとか信頼とか目に見えないものをあーだこーだ言うのは無理だよねって話」
「……」
「せめて、今いるレオくんの部屋でのキスなら舞い上がれた。でもお店を出た後のキスなんて、マジで営業じゃん。些細なことだけど、単純に私が嫌だなって思ったから、終わりにしよう」
「いやだよ!俺、カモちゃん居なかったら生きていけない!」
これまでのすごい数の着信やメッセージ、そしてこれまでのレオの営業傾向から、彼は若干メンヘラ気質だと思っていたが、ついに「生きていけない」発言が出た。
でも……
「そのセリフもパフォーマンスなんじゃないの?」
でも、それも結局そういう営業なんじゃない?って冷静な気持ちになった。
「まぁ確かに生きていけないことはないんだけど、」
レオくんはあっさりと言った。
「撤回するの早っ。もう少しパフォーマンスしてくれよ」
私は呆れたけどレオくんは尚も食い下がる。
「でもカモちゃんのこと、わりと結構本気で気に入ってて、それは嘘じゃなくて」
「……」
「実際、お客さんの中で一番会ってる時間が長いのはカモちゃんだよ」
「それ皆に言ってるんでしょ?」
私は疑いの目を向ける。
「ホントだよ!カモちゃんが開き直って、ホストのこと色々聞いてきたり話したりして、俺も一緒にいて疲れない。それって俺にとってすごい大事なことで」
レオくんは続ける。
「本気でも冗談でも『お店来て!』とか『シャンパンおろして』って他の姫に言うと険悪になるのに、カモちゃんは笑ってくれたり冗談を返してくれたり」
そんな冗談を返したつもりはなく、マジレスしてテキトーに流しているだけのつもりだったけど、そこは黙っておいた。
「カモちゃんと一緒に過ごした時間……ここで終わらせたくない!」
レオくんは真剣な眼差しで訴える。
「……じゃあ、お店呼ぶのはもうやめる?」
私は探るように聞いてみた。
「それとこれとは話が違う」
レオくんは即答して、私はガクッとズッコケたい気持ちになった。
「いや、レオくん。違うのはコッチの話。イベントを最後にするから50万シャンパンおろしたんだよ?コイントス勝負に私勝ったのに」
「やだ!カモちゃんと別れるのも、お店に来ないのもやだ!」
レオくんは子供のように駄々をこねる。
「好きな女の嫌がることを強要すんの?」
私の問い詰めにレオくんは口をつぼめた。
「……でも、これも二人の結婚のためのお金と思ったらいいじゃん。俺が売り上げてナンバー上がって給料も増えたら、二人の貯金になるじゃん」
その発言にイラッとして、逆に笑ってみせた。
「ほー?わかった。じゃあ約束破って、次またお店に来いとか言うなら」
「うん」
レオくんの頷きに私はニヤリと笑って言った。
「結婚しようか」
「……は?」
レオくんは間抜けな声を上げたけど、更に畳み掛ける。
「レオくん、婚姻届持ってくる覚悟ある?」
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