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第8話 星空を分け合う夜④
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リアンとはその後も実に色々なことを話した。
夢片の影響で生態系に変化が起きてしまった森。
航行中のインスタントご飯。
海中を彷徨い続ける夢舟の伝説。
寝苦しい夜の快眠の秘訣。
始まりの配達人“方舟のノア”。
食べられる野草大全。
──など。
尚、どの話題がどちらから提供されたものかについては、第三者の判断に委ねるものとする。
お互いにひとしきり語り終えたぼくたちは、すっかり温くなってしまった元・冷茶で喉を潤し、そこでようやく一息ついた。リアンも背もたれに寄りかかり、ふう、と満足げだ。
同業者との語らいは、ぼくにとって大変有意義なものであった。何せぼくの交友関係といえば、定期的に会う同期の親友か、一年ごとに顔を見せるよう言われている師匠くらいである。前者は数カ月前に一緒に仕事をして、後者は半年以上前にギルドに寄った際に、お酒に付き合わされたっけ。......どうして歳を取ると、とりあえずお酒という考えになるんだろ? ぼくもいずれそうなってしまうのだろうか? いやいや、そうならないと信じたい。
まあ、ぼくの心の内の葛藤は置いておくとして、だ。改めて空を見上げると、そこには数々の星が瞬いていた。あれがデネブ、アルタイル、ベガ、とはいったい誰の歌だったか。
そんなとりとめもないことを考えながら、ぼけーっとしていると、正面に座る彼女が、さて、と言い立ち上がった。
「......行くのかい?」
「ええ、楽しい一時でしたが、そろそろ」
「......うん、わかった」
少々名残惜しいが、引き止めることはしない。ぼくにはぼくの、リアンにはリアンのスタンスがある。ぼくの我儘で、彼女の歩みを止めるこをはしてはならない。
リアンは軽く身支度を整えると、こちらに手を差し出した。
「今日は楽しかったです」
「ぼくもだ。凄く楽しかった」
手を握り返して応える。と、ああ、そうだ。
「最後に、きみのことを“登録”しておいてもいいかな?」
リアンは、きょとんとしたが、すぐ笑顔になり、
「ええ、喜んで」
そう言ってくれた。
ぼくはルア。
風読みのルア。
今はただ、新たな友に、感謝を。
※※※
近くまで送っていこうかという申し出を、リアンはやんわりと断った。今夜は雲も少ないので、星空を見ながらゆっくりと歩くのだと彼女は言っていた。それに多分、もともとぼくのように、ひとりで気ままに旅するのが性に合っているんだろうと思う。おそらくだが、なんとなくそう思った。
リアンと別れたぼくは、エアリアル号で空を駆ける。
甲板に腰を下ろすと、夜風が頬をくすぐり、身体の芯まで冷たさが染み込む。だが不思議と、寒さは心地よい。
今日の語らいの余韻が、胸の奥でふんわりと温かさを保ってくれているのだ。ぼくは深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す。星々の光が漆黒の空を細かく散りばめ、どれがデネブで、どれがアルタイルやベガだったか──思い出そうとしても、音もなく流れる時間のせいか、記憶はぼやけてしまう。
風に乗る微かな香り。遠くの森から届く樹木の匂い、湖面から立ち昇る冷気、そしてエアリアル号の帆布や木材の温もり。手のひらで触れれば、わずかに塩味を帯びた風が指先を撫で、息をするたびに空気が胸の奥にすうっと落ちていく。ぼくはただ静かに、それらをひとつずつ確かめるように感じた。
ふと目を閉じると、今日交わした会話が順序を失い、心の中で散らばる。夢片の影響で森の生態系に異変が起きた話、航行中のインスタントご飯の話、海中を彷徨う夢舟の伝説、快眠の秘訣や野草の食べ方......それぞれがまるで風のように、静かに、しかし確かに胸を撫でて通り過ぎる。
そんなことを考えていたら、一羽の鳥がひらりと目の前を通り過ぎた。小さな梟。羽根の隙間から微かに光が零れ、まるで小さな星を運んでいるようだ。ぼくはそっと手を差し伸べ、その鳥──“漂羽鳥”を受け止める。
“漂羽鳥”。
配達人同士のやり取りに使われる伝達術式。夢舟と並び、配達人には欠かせない技能のひとつ。
物質的な運搬機能は持たないものの、簡易的な想いを伝える時に使う、まあ、簡単に言えば、短いやり取りをする手紙のようなものである。どこかの文明の発達した国では、メールとか言ったっけ。それに相当すると思う。
この漂羽鳥、鳥の形をしてはいるが生き物ではないので、その飛行速度は音速──とは少しばかり言い過ぎではあるが、かなり早い。別れる前にリアンと交わした“座標の登録”によって、送り先を間違えることもない。ちなみにこの座標というのは配達人自身のことで、一度お互いに登録さえしてしまえば、漂羽鳥はその気配を追って最短距離で飛ぶことが可能だ。実態を伴わない為、目の前に山や建物があろうが、文字通りの最短距離を一直線である。
リアンの漂羽鳥の羽音を耳に、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じ、思わず笑みがこぼれる。星空の下、友との時間を分かち合った後の、静かな幸福。それは航路のどこにも置いてこられない、ここだけの風景だ。
小さく、文字のような光が羽根の間で揺れる。そこに書かれた言葉は、淡く、しかし確かに胸を打つ。
《母なる大地の息吹があらんことを》
短く書かれた文字を読むと、自然と呼吸が整い、心がひとつ深く落ち着く。思わず夜空に目を向ける。流れる風に混ざって、友の声や笑顔がそっと届くような気がする。ぼくは、また会える日を願いながら、漂羽鳥をゆっくりと空に返した。
手を離れ、程なくして粒子となって消えていった梟を見送った後、しばらくぼんやりとしていたぼくは、伸びをひとつして、甲板から船室へと戻った。
夜の静寂と、友と分かち合った余韻を胸に抱きながら、ぼくはゆっくりと瞼を閉じる。
エアリアル号は、星々の間を滑るように往き、風を受け、航路を刻む。
今宵も風は読める。今宵も旅は続く──胸の中に残る友の笑顔とともに。
*****
とある小さな町の宿屋にて。
「あら?」
窓辺に降り立った一羽の鳥。羽から緑色の燐光が見えるそれが漂羽鳥であることに気が付いたリアンは、近寄って手を伸ばす。微かな羽音とともに文字が浮かび──
《次もまた星の下で。今度は食べられる野草を用意しておくね》
なんとも彼女らしい。思わず微笑みがこぼれる。
風がそっと髪を撫で、あの日の夜の香りを運んでくるようだ。
小さな鳥は、やがて光に変わって消え、窓辺には静かな幸福だけが残った。
夢片の影響で生態系に変化が起きてしまった森。
航行中のインスタントご飯。
海中を彷徨い続ける夢舟の伝説。
寝苦しい夜の快眠の秘訣。
始まりの配達人“方舟のノア”。
食べられる野草大全。
──など。
尚、どの話題がどちらから提供されたものかについては、第三者の判断に委ねるものとする。
お互いにひとしきり語り終えたぼくたちは、すっかり温くなってしまった元・冷茶で喉を潤し、そこでようやく一息ついた。リアンも背もたれに寄りかかり、ふう、と満足げだ。
同業者との語らいは、ぼくにとって大変有意義なものであった。何せぼくの交友関係といえば、定期的に会う同期の親友か、一年ごとに顔を見せるよう言われている師匠くらいである。前者は数カ月前に一緒に仕事をして、後者は半年以上前にギルドに寄った際に、お酒に付き合わされたっけ。......どうして歳を取ると、とりあえずお酒という考えになるんだろ? ぼくもいずれそうなってしまうのだろうか? いやいや、そうならないと信じたい。
まあ、ぼくの心の内の葛藤は置いておくとして、だ。改めて空を見上げると、そこには数々の星が瞬いていた。あれがデネブ、アルタイル、ベガ、とはいったい誰の歌だったか。
そんなとりとめもないことを考えながら、ぼけーっとしていると、正面に座る彼女が、さて、と言い立ち上がった。
「......行くのかい?」
「ええ、楽しい一時でしたが、そろそろ」
「......うん、わかった」
少々名残惜しいが、引き止めることはしない。ぼくにはぼくの、リアンにはリアンのスタンスがある。ぼくの我儘で、彼女の歩みを止めるこをはしてはならない。
リアンは軽く身支度を整えると、こちらに手を差し出した。
「今日は楽しかったです」
「ぼくもだ。凄く楽しかった」
手を握り返して応える。と、ああ、そうだ。
「最後に、きみのことを“登録”しておいてもいいかな?」
リアンは、きょとんとしたが、すぐ笑顔になり、
「ええ、喜んで」
そう言ってくれた。
ぼくはルア。
風読みのルア。
今はただ、新たな友に、感謝を。
※※※
近くまで送っていこうかという申し出を、リアンはやんわりと断った。今夜は雲も少ないので、星空を見ながらゆっくりと歩くのだと彼女は言っていた。それに多分、もともとぼくのように、ひとりで気ままに旅するのが性に合っているんだろうと思う。おそらくだが、なんとなくそう思った。
リアンと別れたぼくは、エアリアル号で空を駆ける。
甲板に腰を下ろすと、夜風が頬をくすぐり、身体の芯まで冷たさが染み込む。だが不思議と、寒さは心地よい。
今日の語らいの余韻が、胸の奥でふんわりと温かさを保ってくれているのだ。ぼくは深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す。星々の光が漆黒の空を細かく散りばめ、どれがデネブで、どれがアルタイルやベガだったか──思い出そうとしても、音もなく流れる時間のせいか、記憶はぼやけてしまう。
風に乗る微かな香り。遠くの森から届く樹木の匂い、湖面から立ち昇る冷気、そしてエアリアル号の帆布や木材の温もり。手のひらで触れれば、わずかに塩味を帯びた風が指先を撫で、息をするたびに空気が胸の奥にすうっと落ちていく。ぼくはただ静かに、それらをひとつずつ確かめるように感じた。
ふと目を閉じると、今日交わした会話が順序を失い、心の中で散らばる。夢片の影響で森の生態系に異変が起きた話、航行中のインスタントご飯の話、海中を彷徨う夢舟の伝説、快眠の秘訣や野草の食べ方......それぞれがまるで風のように、静かに、しかし確かに胸を撫でて通り過ぎる。
そんなことを考えていたら、一羽の鳥がひらりと目の前を通り過ぎた。小さな梟。羽根の隙間から微かに光が零れ、まるで小さな星を運んでいるようだ。ぼくはそっと手を差し伸べ、その鳥──“漂羽鳥”を受け止める。
“漂羽鳥”。
配達人同士のやり取りに使われる伝達術式。夢舟と並び、配達人には欠かせない技能のひとつ。
物質的な運搬機能は持たないものの、簡易的な想いを伝える時に使う、まあ、簡単に言えば、短いやり取りをする手紙のようなものである。どこかの文明の発達した国では、メールとか言ったっけ。それに相当すると思う。
この漂羽鳥、鳥の形をしてはいるが生き物ではないので、その飛行速度は音速──とは少しばかり言い過ぎではあるが、かなり早い。別れる前にリアンと交わした“座標の登録”によって、送り先を間違えることもない。ちなみにこの座標というのは配達人自身のことで、一度お互いに登録さえしてしまえば、漂羽鳥はその気配を追って最短距離で飛ぶことが可能だ。実態を伴わない為、目の前に山や建物があろうが、文字通りの最短距離を一直線である。
リアンの漂羽鳥の羽音を耳に、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じ、思わず笑みがこぼれる。星空の下、友との時間を分かち合った後の、静かな幸福。それは航路のどこにも置いてこられない、ここだけの風景だ。
小さく、文字のような光が羽根の間で揺れる。そこに書かれた言葉は、淡く、しかし確かに胸を打つ。
《母なる大地の息吹があらんことを》
短く書かれた文字を読むと、自然と呼吸が整い、心がひとつ深く落ち着く。思わず夜空に目を向ける。流れる風に混ざって、友の声や笑顔がそっと届くような気がする。ぼくは、また会える日を願いながら、漂羽鳥をゆっくりと空に返した。
手を離れ、程なくして粒子となって消えていった梟を見送った後、しばらくぼんやりとしていたぼくは、伸びをひとつして、甲板から船室へと戻った。
夜の静寂と、友と分かち合った余韻を胸に抱きながら、ぼくはゆっくりと瞼を閉じる。
エアリアル号は、星々の間を滑るように往き、風を受け、航路を刻む。
今宵も風は読める。今宵も旅は続く──胸の中に残る友の笑顔とともに。
*****
とある小さな町の宿屋にて。
「あら?」
窓辺に降り立った一羽の鳥。羽から緑色の燐光が見えるそれが漂羽鳥であることに気が付いたリアンは、近寄って手を伸ばす。微かな羽音とともに文字が浮かび──
《次もまた星の下で。今度は食べられる野草を用意しておくね》
なんとも彼女らしい。思わず微笑みがこぼれる。
風がそっと髪を撫で、あの日の夜の香りを運んでくるようだ。
小さな鳥は、やがて光に変わって消え、窓辺には静かな幸福だけが残った。
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