半分ほど人間を辞めて、空飛ぶ舟でだらだら旅をする、渡り鳥と呼ばれる少女のお話

想いが形を成して結晶となる世界。

通称“夢片”と呼ばれるそれを捜索、回収し、空へと還す集団──それが配達人。広大な世界の日常を守る彼、彼女らは、時にお伽噺の存在として、時に気さくな隣人として常に人間の側にあり続けてきた。

その仲間内で“渡り鳥”と呼ばれる少女ルアは、見えない精霊の駆る空飛ぶ舟で、今日もどこかへと旅をする。

半分人間を辞めているのに、時に人間よりも人間臭い彼女の向かう先では、常に困難や受難が......まあ、あまりないのだった。


──ヤマやオチを期待した? 残念でした。

──ぼくはルア。風読みのルア。

これは自由気ままに旅する少女の、なんてこのない日々の物語。
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