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めい

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第二章 リリアーヌ

軟禁

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法律の改正には1年かかる。

その間。
末姫は、軟禁状態となっていた。
本来では、王立学園に行く年齢であったが、病弱のため通学できない。
と発表され、王宮の奥深くに近衛に守られながら暮らしてる……… 
はずだった。


しかし、この姫。
もともと存在が忘れられ、顔を知られてなかったのを良いことに、
魔法のミラージュで、部屋で刺繍をしてるように見せかけ、
王宮の中を闊歩する。

近衛の一人に懸想し、ストーキングしたり、
闘技場に顔を出して、昔馴染みの戦士たちに稽古をつけてもらったり。
図書館の主と魔術論議を交わしたり、
好き勝手に動き回っていた。
魔力は多く、白猫に擬態した白龍まで連れているのたから、転移に認識操作。
何でもありだ。

そして、1年かけ法律が改正され、
さらに1年後の先月に施行された。

この国では、15歳から結婚が認められている。
法律が末姫の15歳の誕生日に間に合うように施行された。

王は、夢見ていた。
これで、王国は安泰だ。
自分が歴史に残る王になれるのだ。
と、



「ねぇ、シーちゃん。
お兄様ってバカなのかしら??」

「ミャン」

シーちゃんも同意してくれる。

「2年たっても気がつかない。ってどれだけよ!!
もともと必要なのは『愛し子』なだけで、私自身に興味なんてないのよね?」

そう、部屋で刺繍をしている私は
身体を鍛え、魔法を勉強し、好きな人を見守り続けた。
刺繍なんて、何一つ作ったことがない。
糸も布も要求したこともなければ、作品が出来上がった試しがない。
最初の数ヶ月は、何時バレるかとビクビクしてたけど、そんな心配もいらなかった。

「じゃ、そろそろいきますか!!」

シーちゃんと一緒に転移する。
王宮から持ち出す物はなにもない。
何もいらない。


転移先は………フランドルン侯爵領
私の大好きな、アラン・フランドルンのマナーハウスだ!!

今日15歳になった私。

父も兄も私の誕生日を1月後だと誤解している。
母の母国では、産まれて1月の赤子は生存率が低いため、誕生を秘される。
その習慣のないこの国の者が誤解したのも仕方がない。
教会への届け出などは、正しい日付けでされているのに、その確認もされないくらい放置された母子であったのだ。
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