ヒロインの娘

めい

文字の大きさ
11 / 27
小さな鑑定士

11

しおりを挟む
「お嬢、『船乗り病』だと??」

「治療だけでなく予防??あれは、不治の病のはず!!」

あまりの二人の前のめりに、ちょっと引き気味になる

「言葉足らずで申し訳ありません。直接に患者を診ていないので、『船乗り病』とは断定できないのですが、状況的に『船乗り病』の可能性が高いかと。
治療や予防については、確証はないのですが、屋敷の蔵書の中に『船乗り病』と似ている病気の要因の考察があり、それをもとに治験を進めるつもりです。」

トーマスさんは、ウロウロと部屋の中を徘徊し始め
ギルド長は、深くソファーに座り込み頭を抱える。

「ってぇと、相変わらず男爵家の禁書かい??
たく、建国前からここで薬草や魔獣を管理してる家って、恐ろしいな。何でもありかよ」

私の知識。
前世の怪しい知識は全て。
男爵家の禁書ってなってる。
本当にヤバい本も沢山あるし、バレないからね。
ご先祖様に戦前?江戸時代?の日本人いるらしくて、日本語の日記なんかもあったぞ!

「……閣下か?
いや、すまん先に個人の情報を話さないんだったな」

へ??
個人情報洩らしてないですよね??
まぁ、有名人だし領地から20日以上かけて、やって来たんだから噂にぐらいなってるよね。
ど田舎でも、商業ギルドには情報が届くんだろうし。

「商業ギルドとして全面協力する!!
『船乗り病』は、船乗りだけが患うんじゃねぇ。長い航海で商談に向かう商人だって、護衛の冒険者だってなるぞ。
治療や予防が出来なくても、それにつながる何かしらの手掛かりが得られれば、それだけでも儲けもんだ」

なんか、鼻息が荒い
そろそろ次の予定があるんじゃないかな?
全面協力とまで、言ってくれてるし、
後は、薬部長と話しをして、薬師の派遣依頼と物資の依頼とか実務担当呼んでくれれば良いのだけど。

「ありがとうございます。
薬師を一人専属で派遣を依頼したいです。あとは、薬草などの物資を揃えていただきたいので、実務担当者を呼んでいただければ……次のお約束もある。との事ですし」

「ハンニバルの約束なぞ、どうでも良い!!」

あっ、次の約束は冒険者ギルド長だったのか。
この後に向かおうと思っていたけど、会えない可能性もあるんなら、
一緒に話をしたいな。

「ギルド長。じつは、この後に冒険者ギルドに向かう予定でした。
出来れば、こちらにおいでいただいて、一緒にお話し出来ませんか?」

説明が一回ですめば、それで良いしね。
出来れば教会も……

「わかった。呼び出す。
他に話しておきたい者がいれば一緒に呼んでやるぞ。」

さっきから、興奮しているせいか、いつもより言葉使いが荒いけど、こちらの意図を読んでくれるのは、ありがたい。

「では、教会にも連絡をお願いします。
まだ『船乗り病』とは断定出来ませんので、新しい治療方法を試したいので相談したい。と、お伝えください。」

「わかった。ちょっと出てくる。」

用件を伝えるために慌ただしく部屋を出ていった。

「バーバラ様、専属の派遣。との事ですが、それは私でもよろしいのですか??」

部屋をウロウロとしていた薬部長がこちらを真剣な目で見て口をひらいた。

「どーやって、治療に関わろうかと思案してましたが、先ほどギルド長が全面協力と言いましたし、何なら部長なんて役職は、他の者が譲る。こんな機会は2度とありません!!是非私をお連れください。」

土下座しそうな勢いで頼んでくる。
怖い。マッドサイエンス。
目がヤバイ。

「トーマスさんが参加していただければ、大変助かるのてすが、薬部長をミンテアにお連れして良いかどうかは、私には判断出来ませんので、ギルド長と話してください。」

言質をとられないように気を付けながら、
矛先をギルド長に移す。

怖いよー
ギルド長、早く戻ってきてー。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜

☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。 しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。 「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。 書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。 だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。 高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。 本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。 その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...