ヒロインの娘

めい

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ダグラス前侯爵の回想

アンバランス

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孫のガブリエラとは、実に不思議な少女だった。

不思議というかアンバランス。

幼い頃から神童と呼ばれ育った。
身内贔屓なのかもしれないなが、末恐ろしい才覚を見せた。
まだ幼い頃から、数学に才をみせ、
15歳から3年間学ぶ学院の範囲を軽く越える知識を持ち。
洗礼前でも簡単な魔法ではあるが、火・水・風を披露した。
マナーも家庭教師たちがこぞって誉め称え。
ただ苦手なピアノなどの楽器や魔法理論、歴史などには興味を見せずに、教師からも逃げ回ることがよくあり、子供らしい一面になぜかホッとした覚えがある。
私たちの知らない知識を披露してみせたり、食事に強い拘りを持ち、
自分で考案して料理を作らせることもしばしばあった。

卵の卵白を泡立てて美味しいケーキを作ってみたと思えば、パンに腐った果物を練り込み使用人たちをベッド送りにしたり、
ジャガイモを薄く切り、贅沢に油を使い酒のツマミでジェームスを喜ばせたすぐ後、ビネガーと卵を混ぜたものを考案し、調理人をベッド送りにした。
最終的に生魚を食べさせた侍従が死にかけた事もあり、料理に関わることをジェームスに禁止されていた。

一方、卵白のケーキやジャガイモのツマミは、
ダグラス家の名物料理となり、お茶会やパーティーで振る舞われガブリエラの評判をあげていった。


洗礼式では、火・水・風・地・草の魔法スキルを取得。
数十年ぶりの5属性の魔法スキルに王家を含めた貴族社会で大きな話題となった。

もともと神童と呼ばれており、母と祖母に公爵家の血を持つガブリエラに王家から第二王子の婚約を乞われのは必然だった。

母は、王家との婚約に喜び。
ガブリエラの教育に領地から王都に頻繁に訪れるようになり、
王妃教育には伯爵家出身のアイリスは悪影響だと家での行動を制限するように命じた。

あまりの理不尽に抗議をすれば、
母と嫁の実家の公爵家も巻き込んで反論された。

私、父、息子と母、嫁の戦いに心を痛め
ついには部屋に引きこもるようになってしまったのだった。

そんな状態を脱するため、爵位を息子ジェームスに譲り、私とアイリスは療養に入ることを決めた。
準備は、ジェームスと氷面下で続ける。
領地は母が君臨している為、
飛び地領地である別荘地ミンティアを選んだ。
いくつかの土地を貴族の別荘として売りに出してしまっているが、その土地も買い戻し、
アイリスのが身分などを気にしないで過ごせるように準備を整えていった。
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