ヒロインの娘

めい

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王都

強制?矯正?

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「マイク兄さん、学園に通う意味あるのかな??」

学園で使う教科書を見ながら、話しかける。

「しょうがないだろう。父さんの命令なのだから………あっ、この線を省略できるな。ここに火の魔石を砕いて染み込ませればスクロールに応用出来るよな?」

魔法理論の教科書に載っている魔方陣を勝手に改造している。

「う~ん。こっちの線も要らなくない??」

スクロールは、魔紙を使ったり、魔石や魔力を染み込ませた紙に魔方陣を描き、魔力が少ない人でも書かれている魔方陣の魔法を使えるもので、使い捨ての消耗品。
留吉さんが『お札』として領内で流行らせた技術で、国内では他ではあまり見ない。

アンデッドの動きを止めるのに『南無阿弥陀仏』って紙に書いたお札を張り付けるんだから、他ではないよね?
光魔法を注入した聖水で書いてあるので、端から見れば、ただの紙だし。





王都にはいくつかの学校がある。

王国の名前 トルストイを冠したトルストイ学園。
主に伯爵以上の貴族や教会関係の子息が通う。
王都の名前 スラコイタを冠したスラコイタ学院。
貴族、騎士・裕福な平民の子息が通う。

有名なのは、この2校。他にもいくつかの学校や職業訓練校などがある。

その中で私が通っているのが、トルストイ学園………
母マーガレットの乙女舞台になったところ。

なぜ学校に通うことになったかというと、
叔父の命令で、私と三兄弟の従兄弟たちはアンドレアから出されてしまったからだ。
『船乗り病』を無知の為に放置をしてしまった事を思い悩んだ叔父は、一族の引きこもり癖を矯正する事にのりだし、
嫡男の長兄マイク夫婦と私を王都へ
次兄ケインを冒険者として魔物討伐の旅へ
末っ子ソイルを薬草やポーション研究のため、港町ランバードにと、
それぞれで勉強してくるようにと命令を出した。

当初、兄夫婦は王都で薬や魔道具を販売する商店を経営し、私は商家の子が多く通うスコライタ学院に通う予定だった。
しかし、引きこもりを続けた弊害で貴族社会の常識やポーションを含めた魔道具、魔法の認識がアンドレア家と違っていた事が判明。

マイクは商いをしながら、スコライタ学院で週1日の講師と
学生が休日の週末には、大講堂や演習場を使って
アンドレア家の持つ魔法や魔道具の知識や技術を教師や研究者を含めた学生以外の希望者に講義をすることを各ギルドから依頼された。

私は貴族の常識を知るために、トルストイ学園へ父であるダグラス家の庶子として通う事になってしまった。



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