ヒロインの娘

めい

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王都

貴族の常識は難しい

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今回の学園の入学の時にわかったのだが、

私の事を父であるダグラス侯爵は、ずっーと知っていたしてたらしい。
子供を認識して、認知の手続きも行っていた。
それを父以外は知らなかった。

本人は
「きちんと男爵にも挨拶している」
らしいのだが、
貴族の回りくどい言い方や手紙で叔父は認識できなかった。
母にも
「第二夫人としてだが、何回も(結婚を)申し込んでいた」
らしい。

プロボースの言葉が
「ミニアート妃のように私の傍にいて欲しい」
とか、 
「柔らかい靴をプレゼントさせて欲しい」って感じの言葉だったようで、
ミニアート妃って誰よ??って思うし

どうやら何台か前の王の第二妃で、
美しく、慈愛にみち国民にも大人気で聖女として歌劇や小説に登場するため、都の人は子供でも知っている存在らしい。

知らないよ。そんな人

柔らかい靴?
部屋で履くスリッパ=寝室を共にしよう。
って事なのだそうだ。
留吉さんのいた一族です。部屋ばきは布草履。
なんなら裸足!!
はっきり「いらない」と断られた。
すでに半泣きの父。

叔父にも時に降り挨拶状を送って、返信も返ってきてたが、私や母については書かれていなかった。
叔父、あまりにも難しい言い回しの上、達筆で最後まで読んでなかった………とか
ダメだろう。
いくら下位とはいえ、貴族なんだから

養育費として商業ギルドに口座を作り、そちらに送金もしてたけど
名義が『バーバラ・ダグラス』だった為に誰も気付かなかった。
結構な金額が手付かずになっているのだとか。

祖父母であるフィリップ前侯爵夫妻気に仲介を頼めば良かったのに、
「結婚を拒否されているのに、相談できるか?
心配して、また体調を崩したら大変だろう!!」

父は、回りくどい言い方をしても伝わらないと、やっと学んだらしく、色々とぶちまけた。
愛する恋人に娘を産んだ事すら話してもらえないほど信用がなかった事に壊れたようだ。

父は、母に恋愛感情を持つにようになった頃から、第二夫人を迎えるために裏工作をしてた。
妻に若い愛人を斡旋。
役者や芸術家に裏から援助をし妻に近付けた。
今は若い画家がお気に入りで、一緒に領地で生活している。のだって

母を第二夫人に迎えても、何も文句は言われない状態を作ったのに、何度も振られたらしい。

貴族って怖い………
父よ、ロリコンのうえ、マザコンか!!

娘である私に対しては、
嫡男ならまだしも、貴族にとって子供への関心はうすい。
王都で仕事して、妻子が領地で生活している貴族も多く、正妻の子供でも年に数回しか会わず、庶子だとそれ以下になることも常識なんだとか。

「マーガレットの娘なのだから、会いたかったが、男爵に手紙を書いても会わせてもらえなかったから諦めていた」

って、伝わってませんから!!
スッゴク悲しそうな顔してますが、
誰かに直接お願いすれば叶った願いだよね!!





そんな、伝わらない上級貴族の常識を知るために、
私は学園に通うことになってしまった。

誤解で振られ続けていた
父ジェームス・ダグラスは、息子に侯爵位を譲ることを決意し、
画家と領地で暮らしている妻とも話し合い、
母とミンティアで暮らすことを決めた。

私は父と母と別れ王都に向かう。

結局、父であるジェームスは私の存在は、重視するものではなかったらしい………
母がいれば良いんだね!!

私の存在を知った父が、どんな顔するか。
ちょっと楽しみにしていたのに、

現実はそんなものなのね。

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