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ジュリ
失くしたもの
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実習が終わった。
怪我人は講師の一人の回復魔法で回復してもらい大体は何事も無かったかのように振舞っている。
そしてフミヤは普通に生きていた。
プレリュードによってぐちゃぐちゃにされたあの肉塊は他の誰かだったのだろう。
だとしても死人が出たのは事実だ。
鍵を持って実習を完了したのは僕たちともう一つのチームだけだった。
この鍵をネロに渡そうと、僕達は考えていた。
ネロはコンクルードの墓を作っていた。
何とか話しかけたが、返事が帰ってくる雰囲気は無かった。
そして鍵を持っているのだ。
あの日の夜に行方不明者の欄が発表された。
そこには驚く名前があった。
「...ネロ、帰ってきてないのか...?」
ネロの名前がそこにあった。
急いで僕達は三人で山を探した。
そして見つけた。
コンクルードの墓の前で自分の心臓を握り潰して死んでいるネロがいた。
「なんで...!」
ネロの死体は安らかそうだった。
何も残すことの無い顔。間接的に僕がネロを殺したのかもしれない。
「リッカ...」
フミヤもネロの死体を見ていた。
「本当にコンクルードさんが大好きだったんだ、もう囚われなくていい、眠らせてやってくれ」
僕達でもう一つの墓標を立てた。
毎年、何人かの死者を出しているこの実習。
今年は特に酷い。
二つの墓標がいつか土に帰ることを願って。
木々が泣くように揺れた。
怪我人は講師の一人の回復魔法で回復してもらい大体は何事も無かったかのように振舞っている。
そしてフミヤは普通に生きていた。
プレリュードによってぐちゃぐちゃにされたあの肉塊は他の誰かだったのだろう。
だとしても死人が出たのは事実だ。
鍵を持って実習を完了したのは僕たちともう一つのチームだけだった。
この鍵をネロに渡そうと、僕達は考えていた。
ネロはコンクルードの墓を作っていた。
何とか話しかけたが、返事が帰ってくる雰囲気は無かった。
そして鍵を持っているのだ。
あの日の夜に行方不明者の欄が発表された。
そこには驚く名前があった。
「...ネロ、帰ってきてないのか...?」
ネロの名前がそこにあった。
急いで僕達は三人で山を探した。
そして見つけた。
コンクルードの墓の前で自分の心臓を握り潰して死んでいるネロがいた。
「なんで...!」
ネロの死体は安らかそうだった。
何も残すことの無い顔。間接的に僕がネロを殺したのかもしれない。
「リッカ...」
フミヤもネロの死体を見ていた。
「本当にコンクルードさんが大好きだったんだ、もう囚われなくていい、眠らせてやってくれ」
僕達でもう一つの墓標を立てた。
毎年、何人かの死者を出しているこの実習。
今年は特に酷い。
二つの墓標がいつか土に帰ることを願って。
木々が泣くように揺れた。
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