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第五章 欲望渦巻くレユアン島
91話 作戦始動
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翌日夜明け頃。講演会当日。
「ただいま~!」
夜明け前から出かけていたチャドがレーヴェ号へと帰還する。
「おかえり、チャドはん。上手く回収できたか?」
と、フランツ。
「ほら、バッチリだよ」
チャドはそう言って小さな装置をフランツへと手渡した。
「おぉ、ホンマおおきにな。お、そっちの荷物は、ミオはんのリュックやね」
「うん、ミオどこにいる?」
「まだ寝てはると思うけど……」
「あぁ、それならいいや。あっ、ポール!」
チャドはポールを見つけるなりフランツの元を離れた。
フランツは装置の確認をするため、食堂へと入っていった。
『え、チャド。まさかもう行って帰ってきたの?』
「うん、ほら。中、無事か確認して」
チャドはそう言ってポールの前でミオのリュックを開けた。
『うんうん……特に何か盗られたりとか、逆に入れられたりとかもなさそうだね。大丈夫っぽい』
ポールはミオのリュックをガサゴソさせながらそう言った。
「そっか、良かった。予定通り、杖は置いてきたけど良かったんだよね?」
それに対しポールはうんと頷く。
『杖まで盗っちゃうと、アジトに入ったのがバレちゃうかもだからこれでいいよ。ミオの杖はこれからもっと良いものに代わる予定だし』
「あはは、確かに。じゃ、僕は次の作戦まで仮眠取るから」
『うん、お疲れ様ー!』
⸺⸺
ポールがチャドと別れて食堂へと入ると、そこには装置をイジっているフランツとカリスの姿があった。
『どう、二人とも?』
彼はそう言ってテーブルによじ登る。
「ホンマ、おもろいくらいにボロ出てはるわ……」
と、フランツ。
「フランちゃんの大作戦その1。夜明け前にチャドさんがアルノー宅の別荘に侵入して、録音装置とついでにミオのリュックを回収。監禁中の人々の生存確認。これはなんなくクリアね」
と、カリス。
ポールがうんうんと頷く。
「そして、フランちゃんの大作戦その2、録音装置からアルノーのボロが出ている会話を入手。前回エーベル商会で入手した音声と合わせて、バッチリ証拠が掴めたわ。これもクリアよ」
『おー、今の所超順調だね。じゃぁ次の作戦は……』
ポールがそう言いかけるとカリスが続く。
「次は、朝7時頃にフランちゃんがアルノーや他の出演者と講演会の最終打ち合わせをするから、アルノーが別荘を空けている間に、アジトを制圧、監禁されている人たちを解放するわ」
『おっけーおっけー。ルフレヴェとエーベル商会の関係はバレてなさそう?』
「ええ、会話からはそういうのは全く無かったわ。アルノーはフランちゃんがエーベル商会の客船で寝てると思ってるみたい。念の為影武者を船の周りでウロウロさせて良かったわ」
『りょーかい。じゃぁみんなが起きるまではとりあえず休憩だね』
ポールはそう言って食堂を後にした。
⸺⸺
朝6時頃、ルフレヴェのみんなが続々と起きて食堂へと入ってくる。
それぞれ朝の挨拶を交わし、朝食を取る。
「フランツもカリスも寝なくていいか?」
と、クロノ。
「平気やで。ワシらはこれからドンパチやったりせーへんからな。それにもう、アドレナリンが出てもうて寝られへんわ」
フランツがそう返すと、カリスも「私もよ」と、続いた。
皆が出撃の準備を整えると、クロノによって作戦のパーティ編成の最終確認が行われた。
「まず、俺とミオとポールは講演会の会場へと移動」
「『了解』」
「フランツは予定通りアルノーらとの打ち合わせへ。カリスとミリィも予定通り講演会会場のサポートへ」
「了解」
「エルヴィスとチャドは東の森から“幻想”のアジトへ」
「了解」
「ケヴィンとクライヴはアルノーの別荘へ」
「了解」
「講演会が始まる10時までに、全員テーマパークの講演会会場へ集合だ。いいな?」
「『了解!』」
皆は元気よく返事をする。
「なら、行くぞ。ルフレヴェエーベル連合軍の出撃だ」
「おー!」
皆でレーヴェ号を降りると、それぞれの目的の地へと散っていった。
「ただいま~!」
夜明け前から出かけていたチャドがレーヴェ号へと帰還する。
「おかえり、チャドはん。上手く回収できたか?」
と、フランツ。
「ほら、バッチリだよ」
チャドはそう言って小さな装置をフランツへと手渡した。
「おぉ、ホンマおおきにな。お、そっちの荷物は、ミオはんのリュックやね」
「うん、ミオどこにいる?」
「まだ寝てはると思うけど……」
「あぁ、それならいいや。あっ、ポール!」
チャドはポールを見つけるなりフランツの元を離れた。
フランツは装置の確認をするため、食堂へと入っていった。
『え、チャド。まさかもう行って帰ってきたの?』
「うん、ほら。中、無事か確認して」
チャドはそう言ってポールの前でミオのリュックを開けた。
『うんうん……特に何か盗られたりとか、逆に入れられたりとかもなさそうだね。大丈夫っぽい』
ポールはミオのリュックをガサゴソさせながらそう言った。
「そっか、良かった。予定通り、杖は置いてきたけど良かったんだよね?」
それに対しポールはうんと頷く。
『杖まで盗っちゃうと、アジトに入ったのがバレちゃうかもだからこれでいいよ。ミオの杖はこれからもっと良いものに代わる予定だし』
「あはは、確かに。じゃ、僕は次の作戦まで仮眠取るから」
『うん、お疲れ様ー!』
⸺⸺
ポールがチャドと別れて食堂へと入ると、そこには装置をイジっているフランツとカリスの姿があった。
『どう、二人とも?』
彼はそう言ってテーブルによじ登る。
「ホンマ、おもろいくらいにボロ出てはるわ……」
と、フランツ。
「フランちゃんの大作戦その1。夜明け前にチャドさんがアルノー宅の別荘に侵入して、録音装置とついでにミオのリュックを回収。監禁中の人々の生存確認。これはなんなくクリアね」
と、カリス。
ポールがうんうんと頷く。
「そして、フランちゃんの大作戦その2、録音装置からアルノーのボロが出ている会話を入手。前回エーベル商会で入手した音声と合わせて、バッチリ証拠が掴めたわ。これもクリアよ」
『おー、今の所超順調だね。じゃぁ次の作戦は……』
ポールがそう言いかけるとカリスが続く。
「次は、朝7時頃にフランちゃんがアルノーや他の出演者と講演会の最終打ち合わせをするから、アルノーが別荘を空けている間に、アジトを制圧、監禁されている人たちを解放するわ」
『おっけーおっけー。ルフレヴェとエーベル商会の関係はバレてなさそう?』
「ええ、会話からはそういうのは全く無かったわ。アルノーはフランちゃんがエーベル商会の客船で寝てると思ってるみたい。念の為影武者を船の周りでウロウロさせて良かったわ」
『りょーかい。じゃぁみんなが起きるまではとりあえず休憩だね』
ポールはそう言って食堂を後にした。
⸺⸺
朝6時頃、ルフレヴェのみんなが続々と起きて食堂へと入ってくる。
それぞれ朝の挨拶を交わし、朝食を取る。
「フランツもカリスも寝なくていいか?」
と、クロノ。
「平気やで。ワシらはこれからドンパチやったりせーへんからな。それにもう、アドレナリンが出てもうて寝られへんわ」
フランツがそう返すと、カリスも「私もよ」と、続いた。
皆が出撃の準備を整えると、クロノによって作戦のパーティ編成の最終確認が行われた。
「まず、俺とミオとポールは講演会の会場へと移動」
「『了解』」
「フランツは予定通りアルノーらとの打ち合わせへ。カリスとミリィも予定通り講演会会場のサポートへ」
「了解」
「エルヴィスとチャドは東の森から“幻想”のアジトへ」
「了解」
「ケヴィンとクライヴはアルノーの別荘へ」
「了解」
「講演会が始まる10時までに、全員テーマパークの講演会会場へ集合だ。いいな?」
「『了解!』」
皆は元気よく返事をする。
「なら、行くぞ。ルフレヴェエーベル連合軍の出撃だ」
「おー!」
皆でレーヴェ号を降りると、それぞれの目的の地へと散っていった。
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