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26話 拷問は?-エリーゼside-
⸺⸺シュナイダー公爵のお屋敷⸺⸺
そのお屋敷は、わたくしの住んでいるアーレンス城など比べ物にならないくらいの大きさだった。
わたくしたちが尋ねると、すぐに使用人に出迎えられる。
「アーレンス王国のアーデルハイト・ザイツ・アーレンスと申します。本日はシュナイダー公爵閣下へお詫びと訂正に参った次第でございます。シュナイダー公爵閣下にお取り次ぎ願えませんでしょうか」
お母様はそう言って屋敷の使用人に対し深く頭を下げる。
高が使用人に対してそんな腰を低くして、お母様は本当にどうされてしまったのかしら。
この数ヶ月でお母様はまるで人が変わったようになってしまった。
以前はわたくしのことを溺愛なさっていて、わたくしのわがままも何でも聞いてくださったのに。
今ではわたくしのことをまるで害虫のように扱う。わたくしが何かわがままを言おうものなら「お黙りなさい!」と酷く叱責される。
あの害虫が何だっていうのよ。何でわたくしよりあの害虫のことを……。何でわたくしがあの害虫の代わりに拷問など恐ろしい目に合わなければならないの……。
「我が当主は現在出かけておりますので、お引き取り願います」
使用人は冷たい対応だった。
「では、このままこちらでお戻りをお待ちしていても宜しいでしょうか」
お母様、一体何を言っているの!? こんな外でいつ帰ってくるかも分からない公爵を待つつもり!?
「いえ、すみませんが、お引き取り願います」
「そこを何とか……」
お母様が引き下がらずに粘っていると、屋敷の中からあの害虫が顔を出す。
「どうかなさったのですか? ……え、なぜ、ここに……」
害虫はわたくしたちを見た瞬間顔を引きつらせた。
ちょっと待って。何あの可愛いドレス。可愛いだけじゃない、胸元もそんなに苦しくなさそうだし、動きやすそう。
お母様はその害虫を見るなり血相を変えて土下座をし始める。
「フローラ! 今まで冷たく当たってしまってごめんなさい! あなたが居なくなって、あなたの大切さに気付きました! こんな所に追いやってごめんなさい。エリーゼを連れてきました。一緒にアーレンス城へ帰りましょう。使用人様、この子は本当はエリーゼではないのです。フローラという第二王女なのです……」
「嫌です! 私はもうあんな所には帰りたくありません!」
害虫はそう言ってお揃いのドレスを着ている使用人らしき女の後ろへと隠れた。
え、ちょっと待って、どういうこと?
そしてわたくしたちを出迎えた使用人までこう言い放つ。
「フローラ様であることは承知の上で、当主は彼女を妻へと迎えられました。このお屋敷からフローラ様を連れ帰ることはご遠慮下さい。エリーゼ王女はもう結構ですので」
「!」
わたくしは未だかつてない衝撃を受ける。あの害虫、まさかこの屋敷の奴らに受け入れられて、大切にされているの?
拷問は? 拷問はされてないの?
それに、わたくしの事を結構だなんて、一体何が起こっているというの?
わたくしがパニックになっていると、例の公爵が出先から戻ってきた。
「お前らは……」
彼は噂通りの生気のない冷たい瞳をこちらへと向けてきた。
そのお屋敷は、わたくしの住んでいるアーレンス城など比べ物にならないくらいの大きさだった。
わたくしたちが尋ねると、すぐに使用人に出迎えられる。
「アーレンス王国のアーデルハイト・ザイツ・アーレンスと申します。本日はシュナイダー公爵閣下へお詫びと訂正に参った次第でございます。シュナイダー公爵閣下にお取り次ぎ願えませんでしょうか」
お母様はそう言って屋敷の使用人に対し深く頭を下げる。
高が使用人に対してそんな腰を低くして、お母様は本当にどうされてしまったのかしら。
この数ヶ月でお母様はまるで人が変わったようになってしまった。
以前はわたくしのことを溺愛なさっていて、わたくしのわがままも何でも聞いてくださったのに。
今ではわたくしのことをまるで害虫のように扱う。わたくしが何かわがままを言おうものなら「お黙りなさい!」と酷く叱責される。
あの害虫が何だっていうのよ。何でわたくしよりあの害虫のことを……。何でわたくしがあの害虫の代わりに拷問など恐ろしい目に合わなければならないの……。
「我が当主は現在出かけておりますので、お引き取り願います」
使用人は冷たい対応だった。
「では、このままこちらでお戻りをお待ちしていても宜しいでしょうか」
お母様、一体何を言っているの!? こんな外でいつ帰ってくるかも分からない公爵を待つつもり!?
「いえ、すみませんが、お引き取り願います」
「そこを何とか……」
お母様が引き下がらずに粘っていると、屋敷の中からあの害虫が顔を出す。
「どうかなさったのですか? ……え、なぜ、ここに……」
害虫はわたくしたちを見た瞬間顔を引きつらせた。
ちょっと待って。何あの可愛いドレス。可愛いだけじゃない、胸元もそんなに苦しくなさそうだし、動きやすそう。
お母様はその害虫を見るなり血相を変えて土下座をし始める。
「フローラ! 今まで冷たく当たってしまってごめんなさい! あなたが居なくなって、あなたの大切さに気付きました! こんな所に追いやってごめんなさい。エリーゼを連れてきました。一緒にアーレンス城へ帰りましょう。使用人様、この子は本当はエリーゼではないのです。フローラという第二王女なのです……」
「嫌です! 私はもうあんな所には帰りたくありません!」
害虫はそう言ってお揃いのドレスを着ている使用人らしき女の後ろへと隠れた。
え、ちょっと待って、どういうこと?
そしてわたくしたちを出迎えた使用人までこう言い放つ。
「フローラ様であることは承知の上で、当主は彼女を妻へと迎えられました。このお屋敷からフローラ様を連れ帰ることはご遠慮下さい。エリーゼ王女はもう結構ですので」
「!」
わたくしは未だかつてない衝撃を受ける。あの害虫、まさかこの屋敷の奴らに受け入れられて、大切にされているの?
拷問は? 拷問はされてないの?
それに、わたくしの事を結構だなんて、一体何が起こっているというの?
わたくしがパニックになっていると、例の公爵が出先から戻ってきた。
「お前らは……」
彼は噂通りの生気のない冷たい瞳をこちらへと向けてきた。
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