巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜

るあか

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第三章 和の食材と常夏の島

62話 海底神殿を通って

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⸺⸺エスタ海岸⸺⸺

 海岸には石造りのほこらがあり、たくさんの人が行き来をしていた。
「あの建物の中ってあんなたくさんの人、入れないよね……どうなってるのかな」
 私は祠の中で人々がギュウギュウ詰めになっているのを想像し、ぷっと吹き出す。
「なんじゃ? まさか、おしくらまんじゅうでも想像したのか?」
 と、アメちゃん。
「うん、だって……」
「ならば、わらわたちも、おしくらまんじゅうしに行くぞ♪」
「あはは、マジか……!」

 アメちゃんに手を引かれて人混みに紛れて祠へと入る。
 すると、祠の中には2つの祭壇があり、その内の1つに“転送魔法陣”が設置されていた。
 入ってきた人々は転送魔法陣に乗ってどこかへと移動し、転送魔法陣の無い祭壇からはたくさんの人が突然姿を現し、祠の外へと出て行くのであった。

「あっ、これで海底洞窟に移動するのか!」
「ふふ、おしくらまんじゅうじゃなくて残念じゃったのう」
「ちょっとね……」
『僕は普通におしくらまんじゅうは嫌でしたにゃ……』
 ルキちゃんは切ない表情を浮かべてホッと安堵あんどしていた。

 そして転送魔法陣へ乗ると、辺りの風景は一変して洞窟の中へと移動した。

⸺⸺エスタ海底洞窟⸺⸺

「あれ? 灯りもないのに明るい……?」
 洞窟なのに、昼間の様な明るさだ。
「ユノ、上じゃ」
「上……あっ!」
 移動してきた祭壇の真上が全面ガラス張りになっており、そこから光が差し込んでいた。

 ガラスの上には海が広がっていて、まるで海底の水族館だ。
「あれ、でも海底って、暗いんじゃないの?」
「どこかに光源を設置して陽の光を再現しておるのじゃろうな」
「すごいなんてもんじゃないね……」

 洞窟の奥の方も所々光が差し込んでおり、奥に進む人々も皆天井を見上げながら進んでいた。海底洞窟がまさか水族館みたいになっているとは……。

『ユノ、この看板見てくださいにゃ!』
 ルキちゃんが通路の手前の立て看板の前でそう叫んでいた。
「うん、なになに?」
 アメちゃんと一緒に看板の前へと移動して、書かれている文を確認する。

⸺⸺⸺⸺

 エスタ海底洞窟内には水の魔石が生成されます。
 清掃員が定期的に掃除をしておりますが、足元にはお気を付けくださいませ。
 また、水の魔石が必要な方はご自由にお持ち帰りくださいませ。

 エスタシア観光協会事務局

⸺⸺⸺⸺

「上見て歩きたいのに下も注意しなきゃいけないってこと? 大変だね……」
「まぁ、じゃから清掃員が必要なのであろうな……」
『でも、これなら水の魔石を拾う事は掃除の手伝いにもなりますにゃ』
「そうだね。んじゃ、拾いながら進んでいこう」

「うむ、早速水属性のマナのこもった石が落ちておるぞ。これが水の魔石で間違いないじゃろう」
 アメちゃんはそう言って通路の隅に落ちていた青色の石を拾い上げた。
「ナイス、アメちゃん♪ 分かった、その石だね、見つけたらどんどん拾ってこの袋に入れてね」
 私は魔導圧縮袋をポーチから取り出し、手にぶら下げながら下を見て歩き始めた。

 キョロキョロと見渡し水の魔石を拾い、頭上から光が降り注いだら天井を見上げて「わぁっ♪」と感動する。
 小さな女の子2人と猫が水の魔石を拾い集める光景が珍しいのか、道行く人が私たちを見て「可愛い~」とか「頑張ってね」などと声を掛けてくれた。
 ちょっと恥ずかしかったけど、とりあえず手を振ってやり過ごしていた。

⸺⸺

 30分ほどかけてダラダラと水の魔石を集めながら洞窟を進んでいくと、天井の明るい開けた広間へと抜け、目の前に建つ荘厳な神殿に「うわぁ……」と感嘆の声を漏らした。

 海底神殿に、到着したようです。
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