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第四章 秋の訪れと地下遺跡のもふもふ
70話 秋の味覚
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⸺⸺今日は朝からみんなで農作業の手伝いをしていた。
⸺⸺ウルユ島、ラゴ農園⸺⸺
「よし、ナスはこれで全部採れたかも」
私はふぅっと汗を拭う。
『ユノ、すみません、ありがとうございます』
『キュウリもたくさん採りましたにゃ!』
ルキちゃんもカゴいっぱいのキュウリを抱えていた。
『ルキちゃんもありがとうだべさ。みんなも、助かるだよ』
「良いのじゃ。お主らのおかげでわらわたちは毎日最高の食材を使って最高に美味しい料理が食えておる。たまには手伝わんとバチが当たるというものじゃ」
少し離れたところからそう言うアメちゃんの声が聞こえてきた。
「しかし、少し広くしすぎたか、この農園。ラフちゃんとゴブ君だけではとても手に負えん面積になってしまったなぁ」
と、ランスロット。それは、私も思う。
『実は、そうなんですよ。どれも毎日必ず収穫しないと食べ頃を過ぎてしまう訳ではないので、普段は採れるだけ収穫すれば良いのですが……』
『たまに食べ頃を過ぎそうなやつすらも手に負えなくなってしまうだよ。キャパオーバーというやつだべさ。少し縮小した方がいいだべか……』
ラフちゃんとゴブ君はそう言ってうーんと頭を抱えていた。毎日こんなにたくさん実って贅沢な悩みではあるが、かと言って、2人も好きでここまで広げてきた訳だし、それを縮小しなくちゃいけないのも可哀想な気もする。
「とりあえず今はこうやってギルドをお休みした日に各々が手伝えば良いよ。2人はこれからも好きなものを好きなだけ育てなよ。収穫を手伝うのも楽しいし」
そう言う私にみんなも「『そうだよ、手伝うよ』」と賛同してくれた。
『皆さん……ありがとうございます……!』
『ありがとうだべさ。お世話は自分たちで頑張るべ、たまに収穫を手伝ってくれると助かるべよ』
「『了解!』」
と、一同。
⸺⸺
みんな総動員で農園の収穫を手伝ったところ、お昼前には全部収穫することが出来た。
ラフちゃんたちはウルユ島の食糧庫に保存するもの以外を農業ギルドへ納品しに行き、残ったメンバーで昼食を作ることにした。
「せっかく外が紅葉しているからさ、ウッドデッキで紅葉を見ながら秋の味覚を堪能したいよね」
私がそう言うと、みんなも“秋の味覚”という言葉に興味を持ってくれたようで、私は日本の秋の食材について、みんなへレクチャーした。
⸺⸺
ラフちゃんたちが帰ってくる頃には食堂中に良い匂いが漂い、帰ってきたラフちゃんとゴブ君も料理をウッドデッキへ運ぶのを手伝っていた。
⸺⸺食堂、ウッドデッキ⸺⸺
「『いただきまーす!』」
お昼のメニューは『ましゅたん特製きのこのことウルユサーモンの和風パスタ』と『マツタケノコのお吸い物』です。
みんな美味しい美味しいと食べ進める。
⸺⸺私は気付いてしまったんだ。秋はましゅたんの独壇場だということに。
きのこの栽培はましゅたんに一任しているため、今回のメニューで使ったきのこは全てましゅたん特製のものだ。
ちなみに“マツタケノコ”とは、“ましゅたんが作ったマツタケ”のことで、いわゆるウルユ産マツタケのことだ。
ラフちゃんがきのこたちを農業ギルドで納品する際、初めは“ウルユシメジ”のように“ウルユ”という名前を先頭に付けて商品名を決めようとしていたらしい。
だけど、念の為長老に鑑定をお願いしたところ、ましゅたんの作ったシメジは“シメジノコ”という名前だというのが判明した。
きっとそれはましゅたんがいつも『きのこのこ~♪』と言うふうに“のこのこ”言っているのが由来なはずなので、その“シメジノコ”という名前でギルドへも納品することになったらしい。
そのため、パスタの中に入っているきのこは、“シメジノコ”、“マイタケノコ”、“エノキノコ”、“エリンギノコ”、“シイタケノコ”だ。
ウルユサーモンは紅葉が始まってからこの島での釣りで釣れるようになった鮭であり、日本の秋鮭のように身がふわふわな季節限定の魚である。
そして、おやつには栗やさつまいもを使ってモンブランやスイートポテトを。
晩御飯はマツタケノコの炊き込みご飯に、ウルユサンマの塩焼き。きのこのこと秋の山菜の天ぷらにアサリのお味噌汁にした。
ウルユサンマもウルユサーモンと同じで今だけ釣れる魚で、大根おろしに醤油をかけていただきました。
ふぅ、今日は“食欲の秋”だった。職人活動で忙しいとは言っても、なんだかんだしっかりと秋を堪能したような気がする、私であった。
⸺⸺ウルユ島、ラゴ農園⸺⸺
「よし、ナスはこれで全部採れたかも」
私はふぅっと汗を拭う。
『ユノ、すみません、ありがとうございます』
『キュウリもたくさん採りましたにゃ!』
ルキちゃんもカゴいっぱいのキュウリを抱えていた。
『ルキちゃんもありがとうだべさ。みんなも、助かるだよ』
「良いのじゃ。お主らのおかげでわらわたちは毎日最高の食材を使って最高に美味しい料理が食えておる。たまには手伝わんとバチが当たるというものじゃ」
少し離れたところからそう言うアメちゃんの声が聞こえてきた。
「しかし、少し広くしすぎたか、この農園。ラフちゃんとゴブ君だけではとても手に負えん面積になってしまったなぁ」
と、ランスロット。それは、私も思う。
『実は、そうなんですよ。どれも毎日必ず収穫しないと食べ頃を過ぎてしまう訳ではないので、普段は採れるだけ収穫すれば良いのですが……』
『たまに食べ頃を過ぎそうなやつすらも手に負えなくなってしまうだよ。キャパオーバーというやつだべさ。少し縮小した方がいいだべか……』
ラフちゃんとゴブ君はそう言ってうーんと頭を抱えていた。毎日こんなにたくさん実って贅沢な悩みではあるが、かと言って、2人も好きでここまで広げてきた訳だし、それを縮小しなくちゃいけないのも可哀想な気もする。
「とりあえず今はこうやってギルドをお休みした日に各々が手伝えば良いよ。2人はこれからも好きなものを好きなだけ育てなよ。収穫を手伝うのも楽しいし」
そう言う私にみんなも「『そうだよ、手伝うよ』」と賛同してくれた。
『皆さん……ありがとうございます……!』
『ありがとうだべさ。お世話は自分たちで頑張るべ、たまに収穫を手伝ってくれると助かるべよ』
「『了解!』」
と、一同。
⸺⸺
みんな総動員で農園の収穫を手伝ったところ、お昼前には全部収穫することが出来た。
ラフちゃんたちはウルユ島の食糧庫に保存するもの以外を農業ギルドへ納品しに行き、残ったメンバーで昼食を作ることにした。
「せっかく外が紅葉しているからさ、ウッドデッキで紅葉を見ながら秋の味覚を堪能したいよね」
私がそう言うと、みんなも“秋の味覚”という言葉に興味を持ってくれたようで、私は日本の秋の食材について、みんなへレクチャーした。
⸺⸺
ラフちゃんたちが帰ってくる頃には食堂中に良い匂いが漂い、帰ってきたラフちゃんとゴブ君も料理をウッドデッキへ運ぶのを手伝っていた。
⸺⸺食堂、ウッドデッキ⸺⸺
「『いただきまーす!』」
お昼のメニューは『ましゅたん特製きのこのことウルユサーモンの和風パスタ』と『マツタケノコのお吸い物』です。
みんな美味しい美味しいと食べ進める。
⸺⸺私は気付いてしまったんだ。秋はましゅたんの独壇場だということに。
きのこの栽培はましゅたんに一任しているため、今回のメニューで使ったきのこは全てましゅたん特製のものだ。
ちなみに“マツタケノコ”とは、“ましゅたんが作ったマツタケ”のことで、いわゆるウルユ産マツタケのことだ。
ラフちゃんがきのこたちを農業ギルドで納品する際、初めは“ウルユシメジ”のように“ウルユ”という名前を先頭に付けて商品名を決めようとしていたらしい。
だけど、念の為長老に鑑定をお願いしたところ、ましゅたんの作ったシメジは“シメジノコ”という名前だというのが判明した。
きっとそれはましゅたんがいつも『きのこのこ~♪』と言うふうに“のこのこ”言っているのが由来なはずなので、その“シメジノコ”という名前でギルドへも納品することになったらしい。
そのため、パスタの中に入っているきのこは、“シメジノコ”、“マイタケノコ”、“エノキノコ”、“エリンギノコ”、“シイタケノコ”だ。
ウルユサーモンは紅葉が始まってからこの島での釣りで釣れるようになった鮭であり、日本の秋鮭のように身がふわふわな季節限定の魚である。
そして、おやつには栗やさつまいもを使ってモンブランやスイートポテトを。
晩御飯はマツタケノコの炊き込みご飯に、ウルユサンマの塩焼き。きのこのこと秋の山菜の天ぷらにアサリのお味噌汁にした。
ウルユサンマもウルユサーモンと同じで今だけ釣れる魚で、大根おろしに醤油をかけていただきました。
ふぅ、今日は“食欲の秋”だった。職人活動で忙しいとは言っても、なんだかんだしっかりと秋を堪能したような気がする、私であった。
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