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第五章 社会の形成と勇者マコト伝
95話 ホワイトウルユマス
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ウルユ城の部屋を提供して仮住まい中だった聖獣たちは、それぞれアパートで1匹暮らしをしてみたり、数匹集まって同居したり、また、他の島民たちの家族となったりして全員が仮住まいを卒業することができた。
そして、マコちゃんたちがこのウルユ島に引っ越してきてから1ヶ月ほどが経ったところで、このウルユ島には冬が訪れていた。
たまに冒険者ギルドへ出かけるルキちゃんももこもこのローブを羽織って出かけていっている。最初からもこもこの毛皮を着ているのに。寒いものは寒いのか。
同居獣のルキちゃんとウルは冒険者ギルドへ出かけており、私ユノとアメちゃんは今日はお休み。
そのため、ミミズクの長老を連れて3人でウルユの城下町へ出かけていた。
すると、銀行員のディーナさんとマコちゃんが噴水広場で話しているのに遭遇をした。
クマ耳の小人とイヌ耳の子どもが話しているのは何だか癒やされる。
⸺⸺ウルユ島、噴水広場⸺⸺
「マジでリベルトって国にはクリスマスはないのか? 隣の国には?」
と、マコちゃん。何やら必死で訴えている。
「うーん、クリスマス……聞いたことないわねぇ。隣の国にそういうイベントがあるって言うのも知らないわ……」
困ったようにそう返すディーナさん。
これは何やら割って入った方が良さそう。そう思った私は2人に声をかけた。
「こんにちは。2人はもうお仕事終わり?」
「あらユノちゃんこんにちは。ええ、私の業務は15時までだから」
「俺は今日は休みの日だ。毎日働いてもいいっつってんだけど、ジェシカが定期的に休みを入れてきやがるからさぁ」
「ニシシ、良い職場ではないか。休息は重要じゃぞ?」
と、アメちゃん。
「おぅ、そうなんだけどよ……仕事、楽しいからさ」
「それも良いことだね」
私がそう言うと、マコちゃんは「だろ?」と相槌を打った。
「つーかさ、ユノ、聞いてくれよ。この世界、クリスマスがないかも……!」
「うーん……確かに、キリスト教ってのもないし、キリストもこの世界では生まれてないからねぇ……」
「はて、クリスマス、とは?」
と、アメちゃん。
私はディーナさんとアメちゃんへクリスマスとはなんぞやを説明した。
「へぇ、そのイエス・キリストっていう人の誕生日をお祝いするイベント……なのに、子どもがプレゼントをもらえるの?」
ディーナさんは首を傾げる。
「あはは……正直日本では、12月25日に家族や友人とお祝いをしたり、プレゼントを贈ったりする習慣だけが残ってて、イエス・キリストさんの誕生日を本当に祝っている人はどのくらいいるんだろう……って感じ」
「なるほど、あんまり深く考えずに、お祭りみたいだと思えば良いのかしら?」
そう言うディーナさんに私は「そうそう」と返す。
「ふむ、プレゼントを贈り合ったり、親がサンタなる者に扮して子どもにプレゼントを贈る祭りとは……楽しそうじゃのう」
アメちゃんはニシシと笑う。
「ほっほー……マコトは、そのクリスマスとやらが恋しいのじゃな?」
と、長老。
「いや、恋しいっつーか……親からも友だちからももらったことないんだ、クリスマスプレゼント。だから、この島でならもらえるかもって思ったけど……クリスマス自体がなきゃ、諦めるか」
マコちゃんは、はははっと無理して笑っているようだった。
そうか、日本での家庭環境が複雑だったんだ。
⸺⸺それなら。
「だったら、この島でも12月24日の夜から12月25日にかけて、クリスマスのお祝いをしようよ」
私がそう提案をすると、マコちゃんは「そんなことできるのか!?」と表情が明るくなった。
「さすがにイエス・キリストの誕生日を祝うって言っても、誰……? て、なると思うから、単純に日本であったイベントを再現したいって言えばみんなノッてくれると思う。他でもない、勇者マコトのお願いだし」
「良いではないか。クリスマスという名ではなく、この島独自の名前を付けようぞ」
そう言うアメちゃんに、ディーナさんも「良いわねぇ♪」と続いてくれた。
⸺⸺
ウルユ島でのクリスマスは、“ウルユマス”と名付けられた。
私とマコちゃんは協力をして島中の家々を回り、ウルユマスという行事を説明した。
そして、ウルユマスの開催に賛成してくれる人は噴水広場に設置した投票箱へ“賛成”の紙を入れてほしいと伝えて紙を渡す。
投票締め切りの日が過ぎたところで、マコちゃんと2人でおそるおそる投開票を行うと、島民全員が賛成を入れてくれていたことが判明した。
⸺⸺12月24日、夜。
ウルユ島全体がウルユマスムードに包まれて、城下町の大通りにはたくさんの人が行き来をしていた。
同居人と一緒にライトアップを楽しんだり、サンタやトナカイのコスプレを楽しんだり。
私の家でも手作りのピザやチキンを食べて、明日はみんなでプレゼント交換をするつもり。
美味しいものを食べてお腹いっぱいになり、ベランダへと出てライトアップされた街並みを眺める。
すると、ウルユ食堂から笑顔のマコト家族が出てくるのを発見した。良かったね、マコちゃん。家族みんなで外食したんだ。
自然とふふっと口元が緩む。その時、頬にヒヤッと冷たいものが当たり、思わず「冷たっ」と声が出る。
空を見上げると、ふわふわと雪が舞っていた。
「雪が降ってきましたにゃ」
ルキちゃんがベランダへと顔を出す。
「ね、ホワイトウルユマスだ♪」
「懐かしいですにゃぁ。ユノが僕を保護してくれた初めてのクリスマスにも、2人でお祝いをして、雪が降っていたのですにゃ」
「えっ、ルキちゃん、まだ赤ちゃんだったのに、私が勝手にルキちゃんを巻き込んでクリスマスのお祝いしてたの、覚えててくれたの!?」
「覚えていますにゃ。あの頃は何をお祝いしていたのかはよく分かっていなかったけど、とっても楽しくて、温かかったんですにゃ」
「うわぁぁぁん、ルキちゃぁぁん!」
「ユノ、くっ、苦しいですにゃ……」
私はルキちゃんをギューッと抱きしめて、ひたすら頬ずりをしていた。
メリーウルユマス♪
そして、マコちゃんたちがこのウルユ島に引っ越してきてから1ヶ月ほどが経ったところで、このウルユ島には冬が訪れていた。
たまに冒険者ギルドへ出かけるルキちゃんももこもこのローブを羽織って出かけていっている。最初からもこもこの毛皮を着ているのに。寒いものは寒いのか。
同居獣のルキちゃんとウルは冒険者ギルドへ出かけており、私ユノとアメちゃんは今日はお休み。
そのため、ミミズクの長老を連れて3人でウルユの城下町へ出かけていた。
すると、銀行員のディーナさんとマコちゃんが噴水広場で話しているのに遭遇をした。
クマ耳の小人とイヌ耳の子どもが話しているのは何だか癒やされる。
⸺⸺ウルユ島、噴水広場⸺⸺
「マジでリベルトって国にはクリスマスはないのか? 隣の国には?」
と、マコちゃん。何やら必死で訴えている。
「うーん、クリスマス……聞いたことないわねぇ。隣の国にそういうイベントがあるって言うのも知らないわ……」
困ったようにそう返すディーナさん。
これは何やら割って入った方が良さそう。そう思った私は2人に声をかけた。
「こんにちは。2人はもうお仕事終わり?」
「あらユノちゃんこんにちは。ええ、私の業務は15時までだから」
「俺は今日は休みの日だ。毎日働いてもいいっつってんだけど、ジェシカが定期的に休みを入れてきやがるからさぁ」
「ニシシ、良い職場ではないか。休息は重要じゃぞ?」
と、アメちゃん。
「おぅ、そうなんだけどよ……仕事、楽しいからさ」
「それも良いことだね」
私がそう言うと、マコちゃんは「だろ?」と相槌を打った。
「つーかさ、ユノ、聞いてくれよ。この世界、クリスマスがないかも……!」
「うーん……確かに、キリスト教ってのもないし、キリストもこの世界では生まれてないからねぇ……」
「はて、クリスマス、とは?」
と、アメちゃん。
私はディーナさんとアメちゃんへクリスマスとはなんぞやを説明した。
「へぇ、そのイエス・キリストっていう人の誕生日をお祝いするイベント……なのに、子どもがプレゼントをもらえるの?」
ディーナさんは首を傾げる。
「あはは……正直日本では、12月25日に家族や友人とお祝いをしたり、プレゼントを贈ったりする習慣だけが残ってて、イエス・キリストさんの誕生日を本当に祝っている人はどのくらいいるんだろう……って感じ」
「なるほど、あんまり深く考えずに、お祭りみたいだと思えば良いのかしら?」
そう言うディーナさんに私は「そうそう」と返す。
「ふむ、プレゼントを贈り合ったり、親がサンタなる者に扮して子どもにプレゼントを贈る祭りとは……楽しそうじゃのう」
アメちゃんはニシシと笑う。
「ほっほー……マコトは、そのクリスマスとやらが恋しいのじゃな?」
と、長老。
「いや、恋しいっつーか……親からも友だちからももらったことないんだ、クリスマスプレゼント。だから、この島でならもらえるかもって思ったけど……クリスマス自体がなきゃ、諦めるか」
マコちゃんは、はははっと無理して笑っているようだった。
そうか、日本での家庭環境が複雑だったんだ。
⸺⸺それなら。
「だったら、この島でも12月24日の夜から12月25日にかけて、クリスマスのお祝いをしようよ」
私がそう提案をすると、マコちゃんは「そんなことできるのか!?」と表情が明るくなった。
「さすがにイエス・キリストの誕生日を祝うって言っても、誰……? て、なると思うから、単純に日本であったイベントを再現したいって言えばみんなノッてくれると思う。他でもない、勇者マコトのお願いだし」
「良いではないか。クリスマスという名ではなく、この島独自の名前を付けようぞ」
そう言うアメちゃんに、ディーナさんも「良いわねぇ♪」と続いてくれた。
⸺⸺
ウルユ島でのクリスマスは、“ウルユマス”と名付けられた。
私とマコちゃんは協力をして島中の家々を回り、ウルユマスという行事を説明した。
そして、ウルユマスの開催に賛成してくれる人は噴水広場に設置した投票箱へ“賛成”の紙を入れてほしいと伝えて紙を渡す。
投票締め切りの日が過ぎたところで、マコちゃんと2人でおそるおそる投開票を行うと、島民全員が賛成を入れてくれていたことが判明した。
⸺⸺12月24日、夜。
ウルユ島全体がウルユマスムードに包まれて、城下町の大通りにはたくさんの人が行き来をしていた。
同居人と一緒にライトアップを楽しんだり、サンタやトナカイのコスプレを楽しんだり。
私の家でも手作りのピザやチキンを食べて、明日はみんなでプレゼント交換をするつもり。
美味しいものを食べてお腹いっぱいになり、ベランダへと出てライトアップされた街並みを眺める。
すると、ウルユ食堂から笑顔のマコト家族が出てくるのを発見した。良かったね、マコちゃん。家族みんなで外食したんだ。
自然とふふっと口元が緩む。その時、頬にヒヤッと冷たいものが当たり、思わず「冷たっ」と声が出る。
空を見上げると、ふわふわと雪が舞っていた。
「雪が降ってきましたにゃ」
ルキちゃんがベランダへと顔を出す。
「ね、ホワイトウルユマスだ♪」
「懐かしいですにゃぁ。ユノが僕を保護してくれた初めてのクリスマスにも、2人でお祝いをして、雪が降っていたのですにゃ」
「えっ、ルキちゃん、まだ赤ちゃんだったのに、私が勝手にルキちゃんを巻き込んでクリスマスのお祝いしてたの、覚えててくれたの!?」
「覚えていますにゃ。あの頃は何をお祝いしていたのかはよく分かっていなかったけど、とっても楽しくて、温かかったんですにゃ」
「うわぁぁぁん、ルキちゃぁぁん!」
「ユノ、くっ、苦しいですにゃ……」
私はルキちゃんをギューッと抱きしめて、ひたすら頬ずりをしていた。
メリーウルユマス♪
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