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第二章 農業ギルドと氷雪の王国
35話 首なしの騎士と鉱夫なハリネズミ
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⸺⸺スネーフ坑道⸺⸺
スネーフ坑道に入ると、自然に出来た洞窟と違って綺麗に整備された道がずっと続いており、一定間隔に設置されたランタンが煌々と灯っていた。
私たちは相変わらず大きくなったウルに乗っかっている。ウルに乗っていれば何が来ても大丈夫な気がする。
「良かった、中は案外明るい。真っ暗な中で首なしの騎士を探すとかホラー映画かよって感じだもんね……」
『このランタン、魔導ランタンですにゃ。炎の魔石を核にしているから火がずっと消えないのですにゃ』
と、ルキちゃん。
「そうだね、最近買った魔導具図鑑に乗ってたよね。便利そうだな~。みんなのお家に1つずつくらい買っちゃってもいいかもね」
『マルシャンの魔導具小物店に売ってたよ!』
と、ウル。私は「ね~」と相槌を打った。
⸺⸺
しばらく道なりに進んでいくと、少し開けた場所へと抜けた。そこが目的のデュラハンが陣取っている場所で、本来は歩き疲れた人々が休憩をするための広間だ。
しかし、その広間だけ結界が壊されているようで、現在は魔物がうじゃうじゃしていた。
「ひぃぃぃっ、ちょっと数が多いかも……! ルキちゃん、デュラハンってのが逃げない程度に結界展開してみて~!」
『難しそうですにゃ、やってはみますにゃ』
ルキちゃんは少しだけ勇者の光を放った。すると、魔物は逃げる間もなく光に包まれて消えていった。
「えっ!? 消滅した……!? なんかごめん魔物さーん!」
勇者の光、なんて凄まじい力なんだ。でも、考えてみれば魔王と戦うための力だもんね……そこら辺の魔物なんて一掃出来て当たり前なのか……。
そして、その広間に残ったのは噂の首なしの騎士と3体のピッケルを持ったハリネズミのような魔物だけになった。
「ぎゃぁぁっ! 本当に首がない! なのに動いてる~!」
『取り巻きの3体の魔物は“マインヘッジホッグ”じゃ』
と、長老。マインヘッジホッグ……確か鉱石を掘るためのピッケルを持っているのが特徴のハリネズミか……。2速歩行で器用にピッケルを持っている姿はなんだか愛らしい。
「顔ヲ寄越セ……!」
デュラハンは私たちに気付くと、そう言葉を発して突進してきた。
「キューッ!」
「キュキュキュッ!」
「キュゥ!」
マインヘッジホッグたちもなぜかデュラハンに続いてこっちに向かってくる。子分かな?
「ぎゃぁぁっ! アイツしゃべるじゃん! どっからしゃべってんの!? ちょ、怖い怖い無理無理、ウル、通路まで撤退撤退!」
私が泣き叫んでウルの首元をバシバシと叩いたため、ウルは仕方なく通路まで下がる。
すると、通路は結界がまだ機能していたため、デュラハンたちは私たちを見失ってキョロキョロとしていた。
「ドコニ……イッタ……顔……!」
「キュゥ?」
「キュー……」
「キュ?」
『逃げちゃったら浄化出来ないよ?』
と、ウル。
「ルキちゃん、ここから浄化出来ない……?」
うるうると涙目で訴える。
『やってみますにゃ♪』
ルキちゃんはウルに乗ったまま浄化の力を発動させる。すると、ルキちゃんの放った光は4体の魔物へと辿り着き、彼らを包み込んだ。
3体のマインヘッジホッグはあっという間に浄化され、私たちの存在に気付いてこちらへ走り寄って来た。邪気から解放されて結界に拒まれなくなったんだ。
「キュ!」
「キュキュッ」
「キュゥ♪」
なんとなくルキちゃんにお礼を言っているような気がする。可愛い……!
しかし、肝心のデュラハンは身体から黒いモヤが溢れ出し、浄化の光を弾いてしまった。
「あれ!? ダメじゃん!」
『んにゃ、邪気が強すぎますにゃー』
「そーなのか……とりあえずこの子たちに名前を付けて話を聞いてみよう。ずっと一緒にいたんなら何か知ってるかも」
『良い考えじゃ』
と、長老。
「んー……ハリネズミ用の名前なんて考えてなかったからどうしようかな……。そうだ、3匹一緒の見た目だから後で色の違うバンダナを付けることにして、“モモちゃん”、“アオちゃん”、“キィちゃん”に決定!」
3匹ともふわっと光に包まれる。名付け成功だ。3匹は甲高い声でこう言った。
『あたち、モモちゃん!』
『ぼく、アオちゃん!』
『あーち、キィちゃん!』
「か、可愛い~! よろしくね♪ 早速だけど、あの首なしの騎士さん、なんであんなに邪気が強いのか知ってる?」
『お顔、欲しいって、さっき言ってた!』
と、モモちゃん。
「あ、確かに顔を寄越せって……」
『昨日も言ってた!』
と、アオちゃん。
『その前も言ってた!』
と、キィちゃん。
「ん~、じゃぁ、その顔をなんとかしてあげたら、少しは邪気が弱まるのかな……」
『なんとかするって、どうするの? 顔はあげられないよ?』
と、ウル。
「うん、顔はあげないよ。私、なんとか出来るかも」
私は坑道の壁をザッと見回し、ふふんとドヤ顔をした。
スネーフ坑道に入ると、自然に出来た洞窟と違って綺麗に整備された道がずっと続いており、一定間隔に設置されたランタンが煌々と灯っていた。
私たちは相変わらず大きくなったウルに乗っかっている。ウルに乗っていれば何が来ても大丈夫な気がする。
「良かった、中は案外明るい。真っ暗な中で首なしの騎士を探すとかホラー映画かよって感じだもんね……」
『このランタン、魔導ランタンですにゃ。炎の魔石を核にしているから火がずっと消えないのですにゃ』
と、ルキちゃん。
「そうだね、最近買った魔導具図鑑に乗ってたよね。便利そうだな~。みんなのお家に1つずつくらい買っちゃってもいいかもね」
『マルシャンの魔導具小物店に売ってたよ!』
と、ウル。私は「ね~」と相槌を打った。
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しばらく道なりに進んでいくと、少し開けた場所へと抜けた。そこが目的のデュラハンが陣取っている場所で、本来は歩き疲れた人々が休憩をするための広間だ。
しかし、その広間だけ結界が壊されているようで、現在は魔物がうじゃうじゃしていた。
「ひぃぃぃっ、ちょっと数が多いかも……! ルキちゃん、デュラハンってのが逃げない程度に結界展開してみて~!」
『難しそうですにゃ、やってはみますにゃ』
ルキちゃんは少しだけ勇者の光を放った。すると、魔物は逃げる間もなく光に包まれて消えていった。
「えっ!? 消滅した……!? なんかごめん魔物さーん!」
勇者の光、なんて凄まじい力なんだ。でも、考えてみれば魔王と戦うための力だもんね……そこら辺の魔物なんて一掃出来て当たり前なのか……。
そして、その広間に残ったのは噂の首なしの騎士と3体のピッケルを持ったハリネズミのような魔物だけになった。
「ぎゃぁぁっ! 本当に首がない! なのに動いてる~!」
『取り巻きの3体の魔物は“マインヘッジホッグ”じゃ』
と、長老。マインヘッジホッグ……確か鉱石を掘るためのピッケルを持っているのが特徴のハリネズミか……。2速歩行で器用にピッケルを持っている姿はなんだか愛らしい。
「顔ヲ寄越セ……!」
デュラハンは私たちに気付くと、そう言葉を発して突進してきた。
「キューッ!」
「キュキュキュッ!」
「キュゥ!」
マインヘッジホッグたちもなぜかデュラハンに続いてこっちに向かってくる。子分かな?
「ぎゃぁぁっ! アイツしゃべるじゃん! どっからしゃべってんの!? ちょ、怖い怖い無理無理、ウル、通路まで撤退撤退!」
私が泣き叫んでウルの首元をバシバシと叩いたため、ウルは仕方なく通路まで下がる。
すると、通路は結界がまだ機能していたため、デュラハンたちは私たちを見失ってキョロキョロとしていた。
「ドコニ……イッタ……顔……!」
「キュゥ?」
「キュー……」
「キュ?」
『逃げちゃったら浄化出来ないよ?』
と、ウル。
「ルキちゃん、ここから浄化出来ない……?」
うるうると涙目で訴える。
『やってみますにゃ♪』
ルキちゃんはウルに乗ったまま浄化の力を発動させる。すると、ルキちゃんの放った光は4体の魔物へと辿り着き、彼らを包み込んだ。
3体のマインヘッジホッグはあっという間に浄化され、私たちの存在に気付いてこちらへ走り寄って来た。邪気から解放されて結界に拒まれなくなったんだ。
「キュ!」
「キュキュッ」
「キュゥ♪」
なんとなくルキちゃんにお礼を言っているような気がする。可愛い……!
しかし、肝心のデュラハンは身体から黒いモヤが溢れ出し、浄化の光を弾いてしまった。
「あれ!? ダメじゃん!」
『んにゃ、邪気が強すぎますにゃー』
「そーなのか……とりあえずこの子たちに名前を付けて話を聞いてみよう。ずっと一緒にいたんなら何か知ってるかも」
『良い考えじゃ』
と、長老。
「んー……ハリネズミ用の名前なんて考えてなかったからどうしようかな……。そうだ、3匹一緒の見た目だから後で色の違うバンダナを付けることにして、“モモちゃん”、“アオちゃん”、“キィちゃん”に決定!」
3匹ともふわっと光に包まれる。名付け成功だ。3匹は甲高い声でこう言った。
『あたち、モモちゃん!』
『ぼく、アオちゃん!』
『あーち、キィちゃん!』
「か、可愛い~! よろしくね♪ 早速だけど、あの首なしの騎士さん、なんであんなに邪気が強いのか知ってる?」
『お顔、欲しいって、さっき言ってた!』
と、モモちゃん。
「あ、確かに顔を寄越せって……」
『昨日も言ってた!』
と、アオちゃん。
『その前も言ってた!』
と、キィちゃん。
「ん~、じゃぁ、その顔をなんとかしてあげたら、少しは邪気が弱まるのかな……」
『なんとかするって、どうするの? 顔はあげられないよ?』
と、ウル。
「うん、顔はあげないよ。私、なんとか出来るかも」
私は坑道の壁をザッと見回し、ふふんとドヤ顔をした。
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