巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜

るあか

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第二章 農業ギルドと氷雪の王国

36話 猫耳付きの特注品

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「長老、あの騎士さんの鎧の素材って何?」
『“はがね”じゃな』
「鋼か……」
 私は数々の料理道具のクラフト材料を“石”で妥協してきたことを思い出した。
「鋼は確か、“スチール鉱石”と“カーボン鉱石”で出来るんだよ」
『ふむ。その2つなら岩壁のあちこちに埋まっておるのう。グレーの模様のある部分がスチール鉱石、黒い模様のある部分がカーボン鉱石じゃな』
「やっぱり!? そうじゃないかと思ったんだよ。モモちゃん、アオちゃん、キィちゃん、早速だけどここのグレーの部分と黒い部分、掘れる?」
『掘れる!』
『掘り掘り大好き♪』
『掘ろう、掘ろう!』

 “ハリトリオ”はすぐに持っていたピッケルでカンカンコンコンと坑道の壁を掘り出した。本当はいけないんだろうけど、緊急事態だから許して。
 後で町長さんのお家でも訪ねて謝りにいこう。

 ハリトリオが素材を調達してくれている間に私はクラフトパネルと出してピピッと操作する。
「あるある、“鋼のかぶと”。やっぱり素材はスチール鉱石とカーボン鉱石だね。ステンレス仕様にして錆びにくくして……あっ、デザインも自由に変えられるのか……なら……」

 クラフトパネルの“クラフト”の文字が白く浮かび上がったところでハリトリオを「もういいよ、ありがとう」と停止させる。
 そしてクラフトを開始すると、目の前に猫耳の付いた鋼の兜が出来上がった。
「出来た♪ 猫耳付きの特注品だよ!」
『にゃんと……ユノの趣味が全開の兜が出来上がったにゃ……』
 あれ、ルキちゃんちょっと呆れてる?
「よし、ウル。これをあのデュラハンの首のところに乗せてきて!」
『分かったよ! 行ってくる!』

 ウルは兜の猫耳の部分をくわえると、デュラハン目掛けて猛ダッシュする。そして、バスケの選手がダンクシュートを決めるかのように、デュラハンの首元に兜をガコーンとクリーンヒットさせた。
「ナイス、ウル!」
「グガガ……カ、顔……!? 顔……クレタノカ……!?」
 デュラハンは兜が落ちないように両手で押さえてあたふたし始める。よし、動揺してる!
「ルキちゃん、浄化お願い!」
『はいですにゃ♪』
 今度はルキちゃんの浄化はすぐに成功して、デュラハンの身体の中から大量の黒いモヤが抜けていった。それと同時に猫耳の兜がデュラハンの身体と一体化して馴染む。姿が変わったんだ。
「ア、アァ……頭ガスッキリシテ……」
 もう結構しゃべってるけど、名前を付けたらもっと流暢りゅうちょうにしゃべるのかな……?

「あなたの名前はもう決めてあるんだ。私の好きな騎士のお話の登場人物から取って、“ランスロット”! あなたは今日からランスロットだよ!」
 騎士さんの身体がほわっと光る。
「ランスロット……それが俺の名前なのか……カッコイイ!」
 ランスロットは、わーいとバンザイをして喜んでいた。やっぱり普通の人みたいにしゃべるようになった。

⸺⸺

 ランスロットに事情を説明すると、彼はショックだったのか膝から崩れ落ちてしまった。
「なんと……俺のせいで町の人が孤立してしまっていたのか……俺は何ということを……」
 地面を拳でガンガンと叩くランスロット。全身から悔しさがにじみ出ている。
 それだけ後悔しているなら大丈夫だ。彼もまた、元は良い魔物なんだ。私はランスロットの肩にポンと手を置いた。
「一緒にエイストンの人たちに謝りにいこう。私も坑道の壁壊しちゃったの謝らなくちゃだし、大丈夫、一緒に一生懸命謝ったら許してもらえるよ。もし許してもらえなかったら、許してもらえるまで一緒に罪を償おう」
「ユノ……!」
『僕も一緒に謝るのですにゃ♪』
『オイラも~!』
『あたちも!』
『ぼくも!』
『あーちも!』
「ほっほー……」
 ランスロット以外の言葉は他の人には届かないけど、気持ちが大事だよね。

「みんな……ありがとう! あぁ、そのエイストンという町に連れて行ってくれ!」
 ランスロットは立ち上がり、力強く頷いた。
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