ラズとリドの大冒険

７

２

「おお、ディルマ！　ルリック！ まさかこんなにすぐ再会できるとは、思いもせなんだ！」
　ロアルドおじいさんは、親しそうに、二人の親子に向かって、とびきり笑顔でそう言った。
　そのディルマという女の人は、今にも泣きそうな、うるんだ目をして、口元を手で押さえると、
「ロアルドおじいちゃん、私てっきり、魔女に殺されてしまったものだとばかり……もう二度と、会えないと思っていたのよ」と言った。
　ロアルドおじいさんは、そんなディルマを見て、真っ先にそばまで近寄ると、ディルマの肩を優しく抱いて、
「ああ、ディルマ、なにもそんな、泣くことはなかろう」と言った。
「わしは死んではおらんよ。ほれ、このとおり、ちゃんと、生きて帰ってきたんじゃ」
　ディルマを安心させるように、張り切った様子のロアルドおじいさんが、腕を思い切り空に向けて、上げ下ろししながら言った。
「うれしいわ」
　ディルマは、スカートのポケットからハンカチを取り出し、そのハンカチで、目から出た涙を、何度も拭いていた。
「それにしても、ルリック。お前、外に出て大丈夫なのか？」
　心配そうな顔をして、ロアルドおじいさんが尋ねた。
　するとルリックの代わりに、ディルマが即座に、
「ええ、たまには、お日様の下に出た方がいいんじゃないかと思って、お医者様の許可をもらって、私が外へ連れ出したのよ」と答えた。
「ね、ルリック」
　ルリックを見ながら、ディルマが言った。
「うん、ママ」
　具合がよくないのか、青白い顔をしたルリックが、明るくそう答えた。
「ロアルドおじいちゃん、僕、また会えてうれしいよ」
「ああ、ルリック」
　笑顔のロアルドおじいさんが言った。