ラズとリドの大冒険

大森かおり

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 ラズが即答した。
「ああ、そうだろうね」
 予想どおりだというように、魔女が言った。
「死海というのは、海面がまっかに染まっているんだよ。つまり、海から炎が出ているんだ。だから水温は、あんたたちが想像できないくらい、とんでもなく熱い。ヤケドくらいじゃ、すまされないよ」
 続けて、魔女が説明した。
「それと、まだまだそれだけじゃないよ。その海に近づいた生き物は、人間と、特殊な生き物意外、みんな石灰化する。虫や鳥、魚、なんでも、生きたまま石像になるんだ!」
 声を低くしながら、ぞっとするような言い方で、魔女が説明した。
「ただそこを、万が一生きて抜けられたとしても、今度は有毒なガスが出ていたり、おそろしい怪物がいたりして、とてもすんなりと入れた場所じゃないからね、注意が必要だよ」
「そんな、命がいくつあっても足りないような危険な場所に、みんな、どうやって入るというの?」
 けげんに思いながら、ラズが言った。
「許されたものが入るときは、ゾルディーネが、道を開けるんだよ」
 魔女が言った。
「だから、みんな安全に入ることができるってわけさ」
 自分もその中の一人なのだというように、自慢げに魔女が言った。
「さ、これで話はおしまいだよ」
 そう言うと、魔女は杖を使って、さっき作ったばかりの、ブタ鼻になる薬の瓶と、惚れ薬の瓶を、空中に浮かした。
 そのあとは、すみに置いてある棚に向かって、浮いている瓶たちを、ふわふわと移動させはじめた。
 魔女はそのまま、なにもせずに立っている、ラズとリドを見て、
「あんたたちは商売の邪魔さ。はやく帰った帰った」と言った。
「いや、ラリベラ。俺たちはまだ、ここから立ち去るわけにはいかない」
 リドが断った。
「その道を開ける方法とか、ゾルディーネの弱点とか、俺の夢が保管してある場所とか、あんたにはまだ、聞くことがたくさんあるんだ!」
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