ラズとリドの大冒険

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　意外に思ったデッセンスは、素っ頓狂な顔をすると、後ろで飛んでいるリドを見て、
「なに？」と、狼狽えながら言った。
　デッセンスに続いて、ルクワタもすぐに後ろを振り返って見て、おったまげた顔をしている。
　今しがた、ラズが言ったことを聞いたリドは、
「ああ、あとは俺にまかせておけ！」と、ダガーを持ちながら、果敢かかんに言った。
　それからリドは、近くにいたルクワタに向かって、空中をひとっ飛びし、ダガーの先を向けながら、挑んでいった。
　ルクワタは、そのリドの姿を見て、すぐさま、口から炎を出そうとしたが、リドの速さに追いつけず、口を大きく開ける前に、リドにダガーを振り下ろされて、体に深く、大きな切り傷を負った。
「うあああっ」
　体の傷ついたルクワタが、すさまじい悲鳴を上げた。
「いてええ」
　ルクワタは苦しそうに、地面に横たわりながら、胸にできた大きな切り傷をおさえて、のたうちまわっている。
「ざまあみろ」
　リドが、もう動いてはいないヒモにぶら下りながら、そう言った。
「お前相手なんて、この俺の、とっておきの武器、ダガーだけで十分さ」
「ルクワタ！」
　地面で苦しそうに倒れているルクワタを見ながら、デッセンスが叫んだ。
　そのあと、リドたちを見ると、
「くそ、よくも俺たちをこけにしてくれたな」と、悔しそうに言った。
「人間のくせに、生意気な！」
　そう、威勢よく言い放ったデッセンスは、リドたちに反撃をするために、そんな痛みにもがいているルクワタの、重たい体をつかんで、空高くへと、一気に飛び上がった。
　ラズたちは、そんなデッセンスとルクワタの、二体の怪物を、下から見上げながら、ただただ唖然とした。
「ここまできたらお前たちも、そう簡単には手が出せまい」
　どうだと言わんばかりに、デッセンスが言った。