ラズとリドの大冒険

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　そのあまりのデッセンスのしぶとさに、呆気にとられたリドは、
「こいつ、なんてしつこいんだ」と、呟くように言った。
　近くで見ていたラズも、だらしなく、口をぽかんと開けながら、デッセンスの、息苦しそうに転げ回っている姿を見ていた。
「きっとまた、時期に息絶えるよ」
　ネルーピーが、なんでもないように言った。
「放っておけばいいさ」
　すると、さっきまで唖然としていたはずのラズは、ネルーピーの言葉で、正気に戻ると、
「まあネルーピー、あなた、あんなにしぶとい怪物を相手に、ちょっとお気楽すぎるんじゃない？」と、冷静になって言った。
「だって、ラズ。いくらしぶといとは言っても、普通ここまでやられたら、死ぬのが当たり前じゃないか。そうは思わない？」
　すかさず、ネルーピーが反論した。
「だからさ、二人とも。さすがに心配のしすぎだよ」
　ネルーピーが、そうお気楽になって言っている間に、デッセンスは、体が再生していないにもかかわらず、苦痛に満ちた表情で、血を流しながら、再び何かの行動を開始していた。
「嘘でしょ？　ねえ、嘘だと言ってよ。あれだけやられてまだ生きているなんて、あいつきっと、ゴキブリか何かだよ」
　びっくりしたネルーピーが、みじろぎしながら言った。
　その時、倒れながら、なにやら地面に這いつくばっているデッセンスが、みんなが見ている中、覚醒するかのように、カッと目を見開いたかと思えば、次の瞬間、王笏も使わずに、とんでもなく強烈な力のある光線を、その冷酷で病人のようなまなざしから、勢いよく出してきた。
　すると、デッセンスの出した凄まじい光線は、ぼんやりとしながら見ていたラズの頬を、深くえぐるようにかすめていった。その後、ラズのピンク色に染まっていた、可愛らしいふっくらとした頬には、赤い一筋の線がはっきりくっきりと、刻まれてしまった。
　その光景を見たリドは、自分たちの身の危険を感じたのか、とっさに、さっきルビットが投げた、一つのブーメランが落ちている場所まで走ると、そのブーメランを手にし、デッセンスに向かって、思いきり投げつけた。