混沌の赤い薔薇

猫町氷柱

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第二章 ダストロッド

1.上陸

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 トリー室長の話から現在のネコロンは諦めないといけないことは悟った。
 ずっと一緒にいたから手放すことに胸を締め付けられる思いに駆られた。でも、更なる一歩を踏み出さないと何も変わらない。
「ネコロンが直せないことは分かりました。では私たちはダストロッドに何を取りに行けばよろしいんでしょうか?それで私のネコロンが強化出来るというのならどんな困難な手段でもそれを取ってきます」
「よろしい。その意気込みに応え教えよう。実はダストロッドは唯の掃きだめではなく人工集積回路とゼノマテリアルと呼ばれる破片が地下に眠っているとされているのだよ」
「ゼノマテリアル?」
 私はあまり聞きなれない言葉についつい反応してしまった。
「いわゆる、ゼノクリスタルの欠片と考えてくれたらいいよ。小さなものでもあれば出力は加速的に伸ばすことができる。これを何個か武器の接合部分に組み込むことによって全体に動力を流すのだよ。例えるならポンプのような役割だ」
「なるほど、ゼノマテリアルを機械獣に取り入れ、能力をさらに開花させるわけですね。でも欠片ということはかなり小さいものなんじゃないですか?」
ふっと鼻で笑い、これだから素人は と言わん顔を浮かべながら語り始めた。
「ゼノマテリアルは人間が悪魔憑きとなり機械に転移した際に核となるもの。つまり簡単に言えば、人間の心臓部として今も機械の中で生きているんだよ」
 私は驚きを隠せない。その時背後からぴりぴりと痺れを切らす少女の顔が覗いた。
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