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EX3

アレク様に囚われて… ※

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side:リシェ 

「ん…?」
意識が戻るとベッドの上で全裸だった。
これは別に珍しくも無いけど、姿がリシェだった。
「あれ?ログイン…いつの間にしたんだろう?」
ギシリと、影が覆い被さって来た。
「あれ?…アレク…様?ですよね?」
覆い被さって来た黒い姿、確かにアレク様…?あれ?
「アレク様前髪…。」
前髪が長くて顔が見えない。
纏う魔力も違う。
「あ、アレク様…?」
不安になって、僕はアレク様の額へと手を伸ばし、前髪を捲り上げる。
ギクリとしてしまった。
確かにアレク様だったけど、瞳の色が『金色』だった。
この状況は…以前に…。
「リシェ!間違い無くリシェなんだな!?」
「僕はどうして…?」
「復活出来たんだ。柚希の魂をリシェの身体に入れたんだ。」 
やっぱりあの時の!
「リシェールの身体…は?」
「既に消した。またそちらに戻られては敵わないからな。」
「消し…っ!?」
目の前が真っ暗になる。
リシェールはこっちに戻れない…。
前の方法ではもう帰れない…。
起こっている事に頭が付いて行かず、僕は再び意識を落としてしまった…。
これは夢だよね……?


次に意識が戻ったのは、またベッドの上だったけど、僕は服を着ていた。
黒いレースのドレス。
スカートの前側は下着が見えないギリギリぐらいの短さなのに、後ろは引き摺る程長い。
頭には黒いヴェールが被せられていた。
もしかしなくても、ウェディングドレス。
「美しいな…。」
「アレク様…。」
アレク様はすぐにベッドに腰掛けて僕を眺め、うっとりと僕の頬を撫でる。
「リシェ、ようやく約束が果たせる。結婚式を挙げよう。」
アレク様は機嫌良さそうに、僕の横の毛を指に取り、髪に口付ける。
どうしよう。
僕は本来の世界でアレク様と結婚の契約を交わしてる。
こっちではどうなるのかわからない。
肉体が違うから……考えても僕にはわからなかった。
正直に言ってみようか。
「アレク様…僕は既に生まれ変わって、そちらで結婚してるんです、闇の契約で。だから…。」
「赦さぬ。リシェは俺だけの花嫁だ。」
「でも…!」
アレク様にドレスを破かれて思わず言葉を止めてしまった。
アレク様が発する空気が変わった。
恐らくアレク様が制御しきれない闇の神の力が暴走してる。
アレク様なのに怖いと感じてしまう。
「ああ、怖がらせてしまったか。リシェ、頼むから俺を怒らせるな。」
宥めるように何度も頬を撫でながら、僕に言い聞かせる。
「アレク様、僕はこの時間軸のリシェじゃなく、生まれ変わった先でアレク様と幸せに過ごしてます。だから僕は帰らなければならないんです。」
アレク様と別な場所で幸せだと伝えたかった。
「リシェ……帰さぬ。長き時を経て、こうして我が手中に収めたのだ、漸く!」
アレク様の金色の瞳がスッと細められる。
アレク様が僕の両足を抱え上げる。
「絶対に帰れないようにしてやろう」
「アレク…様…?」
怒らせると闇の神の支配が強くなってしまうんだ。
口調が変わるからわかる。
けど、僕は涼一さんの所に帰りたい。
でも、このアレク様も僕を強く欲してくれてる。
何百年も一人で、僕を待っていてくれた。
そんなアレク様をまた一人にするなんて…。
相反する思いで動けなくなってしまう。
「リシェ、心配するな。今の俺しか選べないようにしてやるからな。」
「え…?」
「子供を作ろう。そうすれば子供を置いて帰れないだろう?」
「っ!?」
アレク様はそう言うと、僕の中に油を塗り込む。
「だめ、駄目です!それはっ!」
僕とアレク様の生命に関する闇と光の力で、出来やすいのがわかってるから。
リシェールの二の舞にしてはならないから。
本当に出来てしまったら、確かに僕には子供を置いて帰れないだろう。
僕の中を刺激しながら肉壁にアレク様が油を塗り付ける。
「だめ、駄目、アレク様ぁ!」
僕は必死に懇願の眼差しを向ける。
「リシェだけは俺を否定する事は赦さない。リシェだけは俺の味方だろう?」
「っ…そうです…。」
何も言い返せない。
アレク様がこうなったのは、置いて行ったのは僕なんだから…。
アレク様が指を引き抜くと、僕の腰を抱え直す。
「あ…アレク様っ、お願い!」
「大丈夫だ。これでずっと一緒に居られる…。」
もうどうする事も出来ず、アレク様が中に入って来た。
「ああっ!」
いつもの行為よりも一気に奥に届く。
そう言えばこのアレク様って…。
「あれ、く様ぁ、ど、して、おっきいんですか?」
以前にアレク様とは気付かず行為をした時、アレク様とは思えない大きさだった…アレが。
「神の能力だ。よりリシェを悦ばせてやりたくてな。」
喉で笑いながらアレク様が答えてくれた。
大き過ぎて、結腸のいつも届かないだろう場所まで入られた。
「おなかが…ぁ!だめぇっ!」
今まで感じた事が無い快楽で、他の事が考えられなくなっていく。
「おなか…っ!あぁっ!」
「腹に直接注いだら確実だろう?」
「そんなの…っ!だめ…えっ!」
口では拒否しながらも、お腹に直接突き上げる余りの快感に身体は昇り詰め始めてしまい、徐々に言葉にならなくなり、喘ぐばかりになってしまう。
「気持ちいいのか、リシェ?」
「いいっ!気持ち良過ぎて、死んじゃうっ!ああっ!」
軽く数度達してしまう。
激しく奥を突き上げられて、もうイく事しか考えられない。
「妊娠を望め、リシェ!」
中が気持ち良く抉られる。
駄目だ、僕はもう…。
「ああっ!あれくさまぁっ!りしぇをっ、妊娠させてぇっ!あああっ―――っっ!!」
「リシェ、いい子だ!孕ませてやるっ!」
すぐに宣言通り、アレク様は僕の中に放った。
「あああっ、出てるのおっ!!」
中出しにも達してしまい、イくのが止められない。
何度イったかわからなくなり、いつ意識を落としたのかもわからなかった…。


それから数日、常に繋がりっ放しで、食事中ですら抜かれない。
このアレク様を幸せに出来る方法がこの状態しか無いならば、これでいいんだろうって…。
でも…我儘だってわかってるけど…帰りたいよ、涼一さん……。
自然に涙が零れていた。
「リシェ、泣く必要は無いだろう?約束が成って、これからは幸せに夫婦生活が送れる。」
あれから結局結婚の契約をした。
こっちのアレク様の方が闇の力が強かったから、涼一さんとの契約は破棄されてしまった。
こっちの時代の方が先だという事もあるんだろう。
「涼一さん……。」
無意識に僕は呟いていた。
「リシェ…!」
アレク様が怒りを露にした。
「他の人間の名を呼ぶな!」
アレク様を不機嫌にさせてしまう。
でも僕はもう止められなかった。
「涼一さん、僕にはもうどうする事も出来ない。涼一さん、助けて!」
涙も止まらない。
アレク様が僕に手を伸ばす。
叩かれる!と思って身構える。
「くっ…柚希…泣くな。」
「涼一さんっ!?」
「ああ。柚希が魔力で俺を呼んでくれたからな。」
「ぼ、僕が?そんな事出来たんだ…。」
僕に伸ばされた手は、僕の涙を拭ってくれた。
「柚希、時間が無い。神の力を持っているこの身体を俺が抑えていられる時間は僅かだ。」
確かに涼一さんは苦しそうだ。
「今の内に、魔石を砕くんだ。」
「魔石を…?」
それはこのアレク様を……。
「この世界は恐らく『並列世界』。俺達には起こらなかった世界だ。だから平気だ…俺を信じてくれ。」
「いつも信じてるよ…。」
僕は涼一さんに微笑んだ。
涼一さんのアドバイスに従って、僕は魔力を集める。
「アレク様…我儘だけど、生まれ変わって…僕をもう一度探して下さい。そして、今度こそ…二人で幸せになりましょう…。」
魔石を消した瞬間、アレク様は涼一さんが見せてくれるいつもの優しい微笑みを向けてくれたような気がした……。


「ん……。」
「柚希!」
意識を戻すと、リシェールが心配そうに僕を覗き込んでいた。
「リシェール…僕は…?」
「柚希は体育のマラソンで、給水所で水を取り損なったらしく、給水しないで走って倒れたらしい…。」
深く溜息を吐かれてしまう。
続けてリシェールが口を開こうとした時に、扉が勢い良く開いた。
涼一さんが駆け込んで来た。
「涼一さん…。」
今までの事は夢だったのかな?
「柚希っ!痛い所とか無いか!?」
あちこち撫で回される。
「ちょっと頭が痛いけど…えと、もしかして熱中症で、僕は危険だったのかな?」
感じてる頭痛は熱中症の後遺症なのかな。
また心配をかけちゃった……。
「御免なさい…。」
二人に頭を下げる。
「いや、私もちゃんと柚希の給水を確認すべきだった。」
「ううん、僕が自己管理すべきところだよねそれ。リシェールは何も悪くないよ。」
自分が情けなくなる。
「柚希、お帰り。よく無事に帰ってくれた…。」
吐息を吐き出した涼一さんが僕を抱き締めながら、安堵したように言葉を向けてくれた。
…夢じゃなかったんだ。
遣り取りに不思議そうに首を傾げるリシェール。
「涼一、お前は柚希の為に追加の水分を取りに行ったのではなかったのか?」
そう言えば僕が起きた後に涼一さんは部屋に入って来た。
「柚希に呼ばれてたんだよな?」
「…うん…うんっ!」
やっぱり涼一さんが助けに来てくれたんだ!
溢れてしまう涙を止めないままで、僕は涼一さんに強く抱き付いた。
涼一さんに逢ってから、僕の涙腺は緩みやすくなってしまった気がする……。
僕がいきなり泣き出したから、リシェールはおろおろしている。
涼一さんは僕を宥めるように背中を撫でてくれる。
「柚希が何処に居ても、必ず俺は助けるから…柚希は俺を信じていてくれるか?」
「うん、信じてる!」
リシェールが、理解は出来ないけど纏まったのだと感じ取り、苦笑を浮かべていた。


ちなみに……結婚の契約は、あの世界のアレク様が死んだので破棄された。
涼一さんとの契約のし直しは、来年六月(当初四月の予定だったけど、ジューンブライドがいい!という事になった)の結婚式の時に改めてする事になった。


あの世界ではアレク様を救えなかったけど……僕の世界の涼一さんだけは必ず幸せにしよう。
僕は心の中でそう誓った…。

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