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僕の新しい家族
車の中では 九郎視点
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あの後、停めてあったらしい車に乗った。
運転は、髪の長い青年がするようだ。
「そう言えばまだ僕たちの名前も知らないよね。」
そう言って、青年は自己紹介をし始めた。
「僕の名前は、来栖 修。それで今、車を運転しているのが、黒川 零だよ。」
「そうか。」
「零は、アリス様以外にはあまり喋らないから。もし、気を悪くしていたならごめんね。」
「いや、構わない。」
「あ、そうだ。僕達に対しては、別に構わないけどアリス様に対しては、しっかり敬語を使ってね。みんな、アリス様に対しては敬語だから。隊長辺りがとても恐いし。」
「?・・・隊長?」
「あぁ。隊長っていうのは、今回のメールにあった兄妹の、兄の方のことだよ。で、アリス様は妹の方のこと。」
「そう言えば、虐待を受けているとか。」
「凄いよぉ、隊長の身体。全身、傷だらけの痣だらけ。アリス様がいなかったら、あいつらはとっくにストレスのたまった隊長に殺されてるよ。」
「聞きたいことは沢山あるが、とりあえず二つだけ質問させてくれ。」
「いいよ。」
「一つ目の質問だが、虐待されているのは、兄の方のだけなのか。」
「うん、そうだよ。だって、アリス様は誰にだって愛されることが、できるんだから。アリス様が、わざと嫌われるようにしなければ、みんなアリス様のことが好きになるんだよ。もし駄目だったら、力を使えば良いしね。」
「?そうなのか。じゃあ、二つ目の質問だ。さっき兄の方を、隊長と呼んでいたのは、何故だ?」
「癖かな。僕達は、アリス様が代表をつとめている集団のメンバーなんだけどね。隊長は、その集団の中でアリス様の次に強い権力を持っていて、みんなから隊長って呼ばれているんだよ。」
「?普通、代表の奴が隊長じゃないか。」
「ふふふ。違うんだよ。僕達エンペストナイツは、アリス様を王として信仰し、アリス様のためなら罪を犯すも躊躇わないような、アリス様に認められた天才と言われる者達で、つくられている集団なんだから。」
「っぅ。エンペストナイツだと!!」
九郎は、『エンペストナイツ』と言われ、いつもの余裕のありそうな表情を崩すほど、驚いた。
それもそのはず、エンペストナイツというのは、世界中どこに行ってもメンバーが存在すると言われている、大集団だ。
「そのメンバーは皆、エンペストナイツの代表である者を信仰している。」
と、噂で言われていたが、九郎もまさか会えるとは思っていなかったほどの、大物である。
「だ、だが。引き取りを頼むということは、まだ子どもだろう?」
「そうだよ。アリス様は、今年小学生になったばかりだよ。」
九郎は、絶句した。
その表情は、いつもの表情が嘘なのではないかというほどに、変わっていた。
「あ、着いた。」
その言葉を聞いて、九郎は慌てて表情を戻した。
その様子を見て髪の短い青年、修は、可笑しそうに笑い、車から降りた後に言った。
「アリス様の父親になるなら、これからも会うことがあるだろうから、挨拶しとくよ。これから、よろしく。」
そう言った修は、先程まで目元を隠していた前髪をかき上げ、妖艶に微笑んだ。
あらわになった顔は、整っていて美しく、その表情もあいまって、同性である九郎さえも魅了された。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回、長くなってしまって申し訳ありません。
こういう事も、度々あるでしょうがどうか温かい目で見守ってください。
運転は、髪の長い青年がするようだ。
「そう言えばまだ僕たちの名前も知らないよね。」
そう言って、青年は自己紹介をし始めた。
「僕の名前は、来栖 修。それで今、車を運転しているのが、黒川 零だよ。」
「そうか。」
「零は、アリス様以外にはあまり喋らないから。もし、気を悪くしていたならごめんね。」
「いや、構わない。」
「あ、そうだ。僕達に対しては、別に構わないけどアリス様に対しては、しっかり敬語を使ってね。みんな、アリス様に対しては敬語だから。隊長辺りがとても恐いし。」
「?・・・隊長?」
「あぁ。隊長っていうのは、今回のメールにあった兄妹の、兄の方のことだよ。で、アリス様は妹の方のこと。」
「そう言えば、虐待を受けているとか。」
「凄いよぉ、隊長の身体。全身、傷だらけの痣だらけ。アリス様がいなかったら、あいつらはとっくにストレスのたまった隊長に殺されてるよ。」
「聞きたいことは沢山あるが、とりあえず二つだけ質問させてくれ。」
「いいよ。」
「一つ目の質問だが、虐待されているのは、兄の方のだけなのか。」
「うん、そうだよ。だって、アリス様は誰にだって愛されることが、できるんだから。アリス様が、わざと嫌われるようにしなければ、みんなアリス様のことが好きになるんだよ。もし駄目だったら、力を使えば良いしね。」
「?そうなのか。じゃあ、二つ目の質問だ。さっき兄の方を、隊長と呼んでいたのは、何故だ?」
「癖かな。僕達は、アリス様が代表をつとめている集団のメンバーなんだけどね。隊長は、その集団の中でアリス様の次に強い権力を持っていて、みんなから隊長って呼ばれているんだよ。」
「?普通、代表の奴が隊長じゃないか。」
「ふふふ。違うんだよ。僕達エンペストナイツは、アリス様を王として信仰し、アリス様のためなら罪を犯すも躊躇わないような、アリス様に認められた天才と言われる者達で、つくられている集団なんだから。」
「っぅ。エンペストナイツだと!!」
九郎は、『エンペストナイツ』と言われ、いつもの余裕のありそうな表情を崩すほど、驚いた。
それもそのはず、エンペストナイツというのは、世界中どこに行ってもメンバーが存在すると言われている、大集団だ。
「そのメンバーは皆、エンペストナイツの代表である者を信仰している。」
と、噂で言われていたが、九郎もまさか会えるとは思っていなかったほどの、大物である。
「だ、だが。引き取りを頼むということは、まだ子どもだろう?」
「そうだよ。アリス様は、今年小学生になったばかりだよ。」
九郎は、絶句した。
その表情は、いつもの表情が嘘なのではないかというほどに、変わっていた。
「あ、着いた。」
その言葉を聞いて、九郎は慌てて表情を戻した。
その様子を見て髪の短い青年、修は、可笑しそうに笑い、車から降りた後に言った。
「アリス様の父親になるなら、これからも会うことがあるだろうから、挨拶しとくよ。これから、よろしく。」
そう言った修は、先程まで目元を隠していた前髪をかき上げ、妖艶に微笑んだ。
あらわになった顔は、整っていて美しく、その表情もあいまって、同性である九郎さえも魅了された。
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今回、長くなってしまって申し訳ありません。
こういう事も、度々あるでしょうがどうか温かい目で見守ってください。
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