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ひと通り、打ち合わせが終わり、明後日は視察に行くという事を決めるとホッとひと息つく。
すると王太子殿下は立ち上がり、私の座る椅子の後ろに立った。
「さてと、セリーナ嬢。あなたの考える事業は、素晴らしいものだし、クラビア公爵の紹介で身元も伯爵令嬢でしっかりしているが、王家の事業に関わってもらう以上人物調査をしなくてはいけなくて、事後承諾になるが調べさせてもらったんだ。そこで気になる点があるんだが、こたえてもらえるだろうか。」
「な、なんでしょうか….」
「3年ほど前まで、あなたはずっと伯爵領で家族や領民となんとかやっていた。それが一時期、クラビア公爵家に行儀見習と称して働きに行き、割とすぐに戻ってきている。しかもその後すぐに事業に手をつけ公爵の援助も受けている。最初は、公爵のお手付きになったかと思ったが、公爵夫人の身内で伯爵領にいる間、まるで親子のように公爵夫妻が可愛がっている。そこで私は、ひとつ仮説を立てた。はずれだったら笑ってくれ。王太子妃候補が決まった時、アイリス嬢には好きな相手がいたが、公爵は自分から断れない。しかも何かの理由でアイリス嬢本人は3ヶ月も王宮に滞在できない。
そこでよく似たあなたが、アイリス嬢として王宮に…セリーナ嬢?」
後ろにいる王太子殿下の顔は見えないけれど、きっと騙していたと怒っていらっしゃるわよね。バレた以上、早々に立ち去らなければ…そう思ったら涙があふれて止まらない。
「殿下、何女の子泣かせているんですか。」
いつの間にか戻ってきていたジョシュア様に王太子殿下が責められている?からかわれている?呆れられている?どれにも取れる感じで言われている。
「いや、泣かすつもりは…」
「す、すみません。私が悪いんです。ごめんなさい。」
「泣くということは、私の仮説は合っていて、私の好きになった女性はアイリス嬢ではなく、セリーナ嬢あなただと言うことになるのだが、それで合っているか?」
返事ができずうなづくのが精一杯。するとジョシュア様が呆れたように助け船を出す。
「殿下、そこは後ろから抱きしめるが正解でしょう。何つったっているんですか?へたれですね。」
「ジョシュア!お前邪魔だよ。なんで戻って来るんだよ。」
「では、ごゆっくり。」
ジョシュア様がいなくなり、部屋は静かになる。
「セリーナ嬢、今回の事業が終わったら、王太子妃に推挙してもいいか?」
「私、伯爵令嬢だし、嫁き遅れだし…」
「そこじゃない。私の妻になる気はあるのか聞いている。」
「殿下のことは、ここにいた頃からお慕いしておりましたが、私はアイリス様の代わりだったから諦めていました。」
「ありがとう。セリーナ、あいにく私は我慢強いが、一度手にしたものは手放さない主義だから、覚悟しろ。」
後ろから抱きしめられて、首筋がくすぐったい。身体を離そうとするとそのままさらに腕の中に閉じ込められてしまい、ジョシュア様が「いつまでやってるの?」とドアをノックするまで甘い時間を過ごす事になってしまった。
すると王太子殿下は立ち上がり、私の座る椅子の後ろに立った。
「さてと、セリーナ嬢。あなたの考える事業は、素晴らしいものだし、クラビア公爵の紹介で身元も伯爵令嬢でしっかりしているが、王家の事業に関わってもらう以上人物調査をしなくてはいけなくて、事後承諾になるが調べさせてもらったんだ。そこで気になる点があるんだが、こたえてもらえるだろうか。」
「な、なんでしょうか….」
「3年ほど前まで、あなたはずっと伯爵領で家族や領民となんとかやっていた。それが一時期、クラビア公爵家に行儀見習と称して働きに行き、割とすぐに戻ってきている。しかもその後すぐに事業に手をつけ公爵の援助も受けている。最初は、公爵のお手付きになったかと思ったが、公爵夫人の身内で伯爵領にいる間、まるで親子のように公爵夫妻が可愛がっている。そこで私は、ひとつ仮説を立てた。はずれだったら笑ってくれ。王太子妃候補が決まった時、アイリス嬢には好きな相手がいたが、公爵は自分から断れない。しかも何かの理由でアイリス嬢本人は3ヶ月も王宮に滞在できない。
そこでよく似たあなたが、アイリス嬢として王宮に…セリーナ嬢?」
後ろにいる王太子殿下の顔は見えないけれど、きっと騙していたと怒っていらっしゃるわよね。バレた以上、早々に立ち去らなければ…そう思ったら涙があふれて止まらない。
「殿下、何女の子泣かせているんですか。」
いつの間にか戻ってきていたジョシュア様に王太子殿下が責められている?からかわれている?呆れられている?どれにも取れる感じで言われている。
「いや、泣かすつもりは…」
「す、すみません。私が悪いんです。ごめんなさい。」
「泣くということは、私の仮説は合っていて、私の好きになった女性はアイリス嬢ではなく、セリーナ嬢あなただと言うことになるのだが、それで合っているか?」
返事ができずうなづくのが精一杯。するとジョシュア様が呆れたように助け船を出す。
「殿下、そこは後ろから抱きしめるが正解でしょう。何つったっているんですか?へたれですね。」
「ジョシュア!お前邪魔だよ。なんで戻って来るんだよ。」
「では、ごゆっくり。」
ジョシュア様がいなくなり、部屋は静かになる。
「セリーナ嬢、今回の事業が終わったら、王太子妃に推挙してもいいか?」
「私、伯爵令嬢だし、嫁き遅れだし…」
「そこじゃない。私の妻になる気はあるのか聞いている。」
「殿下のことは、ここにいた頃からお慕いしておりましたが、私はアイリス様の代わりだったから諦めていました。」
「ありがとう。セリーナ、あいにく私は我慢強いが、一度手にしたものは手放さない主義だから、覚悟しろ。」
後ろから抱きしめられて、首筋がくすぐったい。身体を離そうとするとそのままさらに腕の中に閉じ込められてしまい、ジョシュア様が「いつまでやってるの?」とドアをノックするまで甘い時間を過ごす事になってしまった。
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