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アーノルドは、翌朝お兄様と朝食をとっているところに顔を出した。
「おはよう。アルヴィン兄上、エイミー。ゆっくり休めた?」
「おはようございます。アーノルド。」
「アーノルド、エイミーとの楽しい朝食を邪魔するな。」
「今日からエイミーに兄上より好きになってもらうために頑張るつもりだから、邪魔と言われても。」
「ふん。面白くない。」
「お兄様、ごめんなさい。」
「エイミー、お前は悪くない。謝らなくていいよ。」
今日もお兄様は通常運転のようですね。
昨日、アーノルドと2人で過ごすことを認めていたから、少し驚いたけれど。
「今日は、エイミーを離宮に連れて行こうと思って。」
「日帰りな。」
「えっ⁈日帰りは厳しいと…」
「とりあえず、2人で出かけるのは仕方ないが…そうだ。私は離宮で待っていよう。それなら向こうに泊まっても安心だ。」
お兄様が、娘の門限や彼氏にうるさい父親のように思える。
それだけ大事にしてくれていると思うと嬉しいけど。
「エイミー。馬で行くから、そのつもりで支度してね。」
「それだと侍女を側にって言うお兄様との約束が…」
「大丈夫だ。メラニーが、護衛と一緒に馬でエイミーについていくから。」
お兄様の言葉にメラニーを見るとうなづいている。
とにかくお兄様と別行動で離宮に遊びに行く事が決まった。
乗馬用の服に着替えて玄関に行くとアーノルドと馬が一頭待っていた。
「あれ、私の馬は?」
「一緒に乗るんだよ。おいで。」
アーノルドに抱き上げられ、あっという間に馬の背に乗っていた。アーノルドは、こともなげに私の後ろに乗り、抱きしめられた状態になる。
「あ、アーノルド…」
「大丈夫だから、私に任せて。」
「で、で、でも」
「赤くなってる。エイミーはかわいいな。行くよ。」
馬をゆっくり歩き出させて、護衛の待つ場所に移動する。
今日は、3人の警護兵とメラニーが護衛についていくそうだ。
私に負担がかからないようになのか、比較的ゆっくりめなスピードで走り出す。
「私、馬になら、ひとりで乗れるわよ。」
「わかってないなぁ。エイミー、私は君に好きになって欲しいんだ。いいとこ見せたいし、一緒に乗ってこその距離でいたいんだよ。」
そうだった。アーノルドと婚約に向けて、恋愛感情高めるのが目的だったわ。
本当なら、政略結婚でもいいと言ったのに私の気持ちを大事にしてくれる…まぁお父様が了承している以上、結論は同じなんだろうけれど。
でもね。私、たぶん恋愛偏差値ものすごーく低いと思う。恵美の時も恋愛経験は、片思いが2回、付き合ったのは大学の先輩ひとりきり。それも友達以上?な感じで彼が卒業して地元に帰って、おしまい。
あとはゲームのアルヴィン様推しで、満足していたんだもん。
アーノルド的には、ブラコンエイミーのお兄様を抜いて1番になりたいようなので、協力するつもりだけど。
アーノルドは、キャラじゃないけど、キャラ並み以上にイケメンで優秀な王子様でしかも優しい。
私にはもったいないくらい。
それは、ラッキーなのかもしれないけれどアラン王子がうるさくなければ、領地でお兄様の小姑して過ごす予定だったのに、全く予定通りにはいかないなぁ。
このままアーノルドと婚約、結婚して未来の王妃になるのかな。
「何を考えている?」
「うーん。このままアーノルドと結婚しちゃっていいのかなって。」
「私では、ダメなのか?」
イケメン王子様が子犬のようにしょぼんとしてしまい、私は慌てて話を続ける。
「アーノルドは、もったいないくらいイケメンで優秀で優しくて。だから私の騒動に巻き込んじゃって、よかったのかなって。」
「エイミーと幼い頃に婚約したのが、私ならこんな苦労させずにいたのにって思ってる。最初に父上が打診した時、ギルフォード公爵は自分が伯母上を国へ連れて行ったくせに、娘は近くにいて欲しいからキャンベル王国にはやれないと言って断ったんだ。」
「お父様の選択が間違っていたのね。というかアラン王子があんなだと知らなかったのかしら?婚約前は、自己主張のしっかりできる元気な男の子だと聞いていたし。」
自己主張が出来る元気な男の子って裏を返せばわがままな乱暴者と言えるか。
「まぁ私が優しいだけの大人しい子どもで、アルヴィン兄上にいいように使われていたから、頼りなく見えたのもあるんだろうね。」
「お兄様にそう言う意味で勝てる方はなかなかいないと思うわ。」
「でも、勝たないとエイミーは私のものになってくれないだろう。私はエイミーの心が欲しいんだ。私だけを見てほしい。」
アーノルドに耳元で囁かれ、顔が真っ赤になった自覚がある。
「イチゴみたいでかわいいな。」
赤くなっている頰に軽くちゅっとキスをされ、ボンと音が聞こえたような気がした。たぶん私、いま茹でダコだわ。
「おはよう。アルヴィン兄上、エイミー。ゆっくり休めた?」
「おはようございます。アーノルド。」
「アーノルド、エイミーとの楽しい朝食を邪魔するな。」
「今日からエイミーに兄上より好きになってもらうために頑張るつもりだから、邪魔と言われても。」
「ふん。面白くない。」
「お兄様、ごめんなさい。」
「エイミー、お前は悪くない。謝らなくていいよ。」
今日もお兄様は通常運転のようですね。
昨日、アーノルドと2人で過ごすことを認めていたから、少し驚いたけれど。
「今日は、エイミーを離宮に連れて行こうと思って。」
「日帰りな。」
「えっ⁈日帰りは厳しいと…」
「とりあえず、2人で出かけるのは仕方ないが…そうだ。私は離宮で待っていよう。それなら向こうに泊まっても安心だ。」
お兄様が、娘の門限や彼氏にうるさい父親のように思える。
それだけ大事にしてくれていると思うと嬉しいけど。
「エイミー。馬で行くから、そのつもりで支度してね。」
「それだと侍女を側にって言うお兄様との約束が…」
「大丈夫だ。メラニーが、護衛と一緒に馬でエイミーについていくから。」
お兄様の言葉にメラニーを見るとうなづいている。
とにかくお兄様と別行動で離宮に遊びに行く事が決まった。
乗馬用の服に着替えて玄関に行くとアーノルドと馬が一頭待っていた。
「あれ、私の馬は?」
「一緒に乗るんだよ。おいで。」
アーノルドに抱き上げられ、あっという間に馬の背に乗っていた。アーノルドは、こともなげに私の後ろに乗り、抱きしめられた状態になる。
「あ、アーノルド…」
「大丈夫だから、私に任せて。」
「で、で、でも」
「赤くなってる。エイミーはかわいいな。行くよ。」
馬をゆっくり歩き出させて、護衛の待つ場所に移動する。
今日は、3人の警護兵とメラニーが護衛についていくそうだ。
私に負担がかからないようになのか、比較的ゆっくりめなスピードで走り出す。
「私、馬になら、ひとりで乗れるわよ。」
「わかってないなぁ。エイミー、私は君に好きになって欲しいんだ。いいとこ見せたいし、一緒に乗ってこその距離でいたいんだよ。」
そうだった。アーノルドと婚約に向けて、恋愛感情高めるのが目的だったわ。
本当なら、政略結婚でもいいと言ったのに私の気持ちを大事にしてくれる…まぁお父様が了承している以上、結論は同じなんだろうけれど。
でもね。私、たぶん恋愛偏差値ものすごーく低いと思う。恵美の時も恋愛経験は、片思いが2回、付き合ったのは大学の先輩ひとりきり。それも友達以上?な感じで彼が卒業して地元に帰って、おしまい。
あとはゲームのアルヴィン様推しで、満足していたんだもん。
アーノルド的には、ブラコンエイミーのお兄様を抜いて1番になりたいようなので、協力するつもりだけど。
アーノルドは、キャラじゃないけど、キャラ並み以上にイケメンで優秀な王子様でしかも優しい。
私にはもったいないくらい。
それは、ラッキーなのかもしれないけれどアラン王子がうるさくなければ、領地でお兄様の小姑して過ごす予定だったのに、全く予定通りにはいかないなぁ。
このままアーノルドと婚約、結婚して未来の王妃になるのかな。
「何を考えている?」
「うーん。このままアーノルドと結婚しちゃっていいのかなって。」
「私では、ダメなのか?」
イケメン王子様が子犬のようにしょぼんとしてしまい、私は慌てて話を続ける。
「アーノルドは、もったいないくらいイケメンで優秀で優しくて。だから私の騒動に巻き込んじゃって、よかったのかなって。」
「エイミーと幼い頃に婚約したのが、私ならこんな苦労させずにいたのにって思ってる。最初に父上が打診した時、ギルフォード公爵は自分が伯母上を国へ連れて行ったくせに、娘は近くにいて欲しいからキャンベル王国にはやれないと言って断ったんだ。」
「お父様の選択が間違っていたのね。というかアラン王子があんなだと知らなかったのかしら?婚約前は、自己主張のしっかりできる元気な男の子だと聞いていたし。」
自己主張が出来る元気な男の子って裏を返せばわがままな乱暴者と言えるか。
「まぁ私が優しいだけの大人しい子どもで、アルヴィン兄上にいいように使われていたから、頼りなく見えたのもあるんだろうね。」
「お兄様にそう言う意味で勝てる方はなかなかいないと思うわ。」
「でも、勝たないとエイミーは私のものになってくれないだろう。私はエイミーの心が欲しいんだ。私だけを見てほしい。」
アーノルドに耳元で囁かれ、顔が真っ赤になった自覚がある。
「イチゴみたいでかわいいな。」
赤くなっている頰に軽くちゅっとキスをされ、ボンと音が聞こえたような気がした。たぶん私、いま茹でダコだわ。
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