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アーノルドは離宮にそのまま向かわず、途中の湖や丘からの景色を見せてくれて、到着したのは陽が沈んだ直後だった。
「遅い!」
かなり不機嫌なお兄様の出迎えに普通ならビクつきそうなのにアーノルドは、平気そう。
「ちゃんと夜になる前に着いている。エイミーとのデートを邪魔するな。」
「ほぅ。私にそんな口がきけるんだ。」
お兄様、どこの魔王ですか?
「私はエイミーとちゃんと向き合って、エイミーのただひとりの男になると決めたんだ。アルヴィン兄上でも負けない。」
すると今まで魔王でしかなかったお兄様が急に優しくなった。
「覚悟できたんだな。エイミーは、鈍感なところがあるから、ちゃんと捕まえてみせろ。」
「言われるまでもない。」
がっしり握手している2人を見て私は、なんで男同士で話をまとめちゃってるんだと思っていた。
ただ、2人に大切に思ってもらえていて嬉しいのも事実だった。
「それでキスくらいしたのか?」
「お、お兄様。なんてことを」
お兄様は、赤くなっている私を見てから、アーノルドに視線を移した。
私もアーノルドを見るとほんのり赤い。
「言わずもがなか。」
私は、ついさっき到着する前に夕陽が沈むのを見ていた時のことを思い出していた。
丘からは湖や山々が見え、夕陽に照らされた湖は黄金色に光っていた。
「綺麗だわ。」
「エイミーの方がもっと綺麗だよ。」
そう言って馬上で顎を持ち上げられ、優しく唇にキスをされた。
「エイミー、大好きだよ。」
「アーノルド…」
「本当は食べちゃいたいけど、エイミーから好きだと言われるまでは我慢する。」
今になって思い返してみると、あそこで私もとか言ってたら食べられちゃってたのかしら?
1日一緒にいただけで、だいぶアーノルドの存在が大きくなったような気がします。
そのまま離宮に泊まっていくのかと思っていたら、
「エイミーにあの夕陽を見せたかったんだ。私は戻るから2人で離宮を使ってね。今から仕事を片付けてこないといけなくて。」
と言ってアーノルドは王宮に戻ってしまった。
お兄様は、
「さすがに同じところに寝る勇気はなかったか。」
とか呟いていたけれど。
寂しく思ってしまうのは、アーノルドに私が、恋し始めているから?
翌朝、迎えに来てくれたアーノルドを見て、嬉しいと思っている自分にどうしていいのか、戸惑っていた。
帰りはお兄様と馬車で、アーノルドは横を馬で移動したのだけれど、一国の王子に護衛してもらっていいのかなと思ってしまう。
どうやら昨日も王宮に戻ってから忙しく仕事を片付けていたそうで、既に色々任されていてすごいなと思う。それなのに、私の相手をしてもらって申し訳ないと言ったら、
「1番大事なことだから、そこは誰にも譲れない。」
と真剣な表情で言われて、私はアーノルドに完全に惚れてしまった。
「遅い!」
かなり不機嫌なお兄様の出迎えに普通ならビクつきそうなのにアーノルドは、平気そう。
「ちゃんと夜になる前に着いている。エイミーとのデートを邪魔するな。」
「ほぅ。私にそんな口がきけるんだ。」
お兄様、どこの魔王ですか?
「私はエイミーとちゃんと向き合って、エイミーのただひとりの男になると決めたんだ。アルヴィン兄上でも負けない。」
すると今まで魔王でしかなかったお兄様が急に優しくなった。
「覚悟できたんだな。エイミーは、鈍感なところがあるから、ちゃんと捕まえてみせろ。」
「言われるまでもない。」
がっしり握手している2人を見て私は、なんで男同士で話をまとめちゃってるんだと思っていた。
ただ、2人に大切に思ってもらえていて嬉しいのも事実だった。
「それでキスくらいしたのか?」
「お、お兄様。なんてことを」
お兄様は、赤くなっている私を見てから、アーノルドに視線を移した。
私もアーノルドを見るとほんのり赤い。
「言わずもがなか。」
私は、ついさっき到着する前に夕陽が沈むのを見ていた時のことを思い出していた。
丘からは湖や山々が見え、夕陽に照らされた湖は黄金色に光っていた。
「綺麗だわ。」
「エイミーの方がもっと綺麗だよ。」
そう言って馬上で顎を持ち上げられ、優しく唇にキスをされた。
「エイミー、大好きだよ。」
「アーノルド…」
「本当は食べちゃいたいけど、エイミーから好きだと言われるまでは我慢する。」
今になって思い返してみると、あそこで私もとか言ってたら食べられちゃってたのかしら?
1日一緒にいただけで、だいぶアーノルドの存在が大きくなったような気がします。
そのまま離宮に泊まっていくのかと思っていたら、
「エイミーにあの夕陽を見せたかったんだ。私は戻るから2人で離宮を使ってね。今から仕事を片付けてこないといけなくて。」
と言ってアーノルドは王宮に戻ってしまった。
お兄様は、
「さすがに同じところに寝る勇気はなかったか。」
とか呟いていたけれど。
寂しく思ってしまうのは、アーノルドに私が、恋し始めているから?
翌朝、迎えに来てくれたアーノルドを見て、嬉しいと思っている自分にどうしていいのか、戸惑っていた。
帰りはお兄様と馬車で、アーノルドは横を馬で移動したのだけれど、一国の王子に護衛してもらっていいのかなと思ってしまう。
どうやら昨日も王宮に戻ってから忙しく仕事を片付けていたそうで、既に色々任されていてすごいなと思う。それなのに、私の相手をしてもらって申し訳ないと言ったら、
「1番大事なことだから、そこは誰にも譲れない。」
と真剣な表情で言われて、私はアーノルドに完全に惚れてしまった。
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