16 / 46
15
しおりを挟む
今日から新学期。
いつものように迎えにきたお兄様と登校する。アーノルドは、学園長に挨拶があるとかで、別行動。
お兄様と別れて、新学期初日のためクラス集合の部屋に向かった。
教室には、すでに何人かの生徒が登校していて、アラン王子たちも教室の中央に陣取っていた。
私はボッチ令嬢なので、みんなの視線に入らないように後ろの席に座った。
アラン王子の横には、聖女様がべったりと貼り付いている。夏休み中に親睦を深めているようで、何よりだわ。そのまま2人仲良くしていて、私に構わないでくれると嬉しいのだけれど。
そんな事を考えているとカーディナル先生が入ってきた。後ろにはアーノルドがいる。
「今日から約半年、キャンベル王国王子が留学して来ました。皆さん、仲良く共に成長してくれる事を期待します。」
「キャンベル王国王子アーノルド・クリストファー・キャンベルです。よろしく。」
女子の声にならない悲鳴があちこちで上がっているようで、さすが本物の王子様は違うなあと思ってしまう。アラン王子は、王子だけど残念王子だからなぁ。
そんななか、1人だけ反応が違う聖女様は、
「なぜ2のメイン攻略対象のアーノルド様がいるの?まだ無印終わってないのに。それにアーノルド様がグレンスティッドに留学して来たなんて話なかったはず…」
と呟いている。
道理でアーノルドが、かっこいいはずだ。私の知らなかった2のメインなのね。
ちょ、ちょっと待って。私は攻略対象の婚約者⁈
2でも悪役令嬢ポジションになっちゃうの?
アラン王子と違って、私はアーノルドが好きなんだもん。絶対、やきもち妬いちゃう。
そしたら、ヒロイン虐めたって、断罪されちゃうわ。
やはり、アーノルドとは婚約解消して、お兄様の小姑生活が無難かしら?
「エイミー?聞いてる?」
「え?」
「解散したから、ランチ行こうって言ってたのに、聞いてなかったの?」
いつの間にか、生徒はまばらでアーノルドに話しかけたそうな女子が、こちらを見ている。
「カフェテリアに行く?」
「そうね。」
「あ、あの。エミルフェシア様はアーノルド殿下とお知り合いなんですか。」
クラスメイトの1人が声をかけて来た。
「そうだよ。私はエイミーの…」
「い、従兄弟なの。私のお母様とアーノルド殿下のお父上が姉弟なのよ。」
アーノルドが『婚約者』と言うのを遮るように私が言うと皆さん納得されたようだ。
不満げなアーノルドを除いて。
「それでは、私たちはランチに行きますので。御機嫌よう。」
カフェテリアに着いて、ランチセットを食べ始めるとアーノルドが不満を口にした。
「さっきのは、どういうこと?エイミーは、私の婚約者だと知られたくないの?」
「まだ、あまり広めたくないの。アーノルドは、最後の切り札なんだから。」
「むしろ、最初から主張して余計なこと排除したい。」
「女の子達の攻撃受けたくないから、お願い。」
「仕方ない。わかった。」
それから『エミルフェシアとアーノルドは、仲良しの従兄弟』というように周りから思われるようになった。まぁ、授業全部同じだし、ダンスの授業は「エイミーと。」という王子のわがままを振りかざしているから当然かもしれないが。
それでも最初にお願いして、女子に絡まれないように気をつけてくれているのか、必要以上に近寄らない絶妙な立ち回りをしてくれる辺りは、さすがだなと思う。
アーノルドがいるため、私に近づけないアラン王子は今日もこちらを睨んでいる。他の人と違い、下手なことをすれば、外交問題になると言うことは理解できるくらいの頭はあるようだ。良かった。
ただ、聖女様がその横にくっついているから、全く締まりはないが。
いつものように迎えにきたお兄様と登校する。アーノルドは、学園長に挨拶があるとかで、別行動。
お兄様と別れて、新学期初日のためクラス集合の部屋に向かった。
教室には、すでに何人かの生徒が登校していて、アラン王子たちも教室の中央に陣取っていた。
私はボッチ令嬢なので、みんなの視線に入らないように後ろの席に座った。
アラン王子の横には、聖女様がべったりと貼り付いている。夏休み中に親睦を深めているようで、何よりだわ。そのまま2人仲良くしていて、私に構わないでくれると嬉しいのだけれど。
そんな事を考えているとカーディナル先生が入ってきた。後ろにはアーノルドがいる。
「今日から約半年、キャンベル王国王子が留学して来ました。皆さん、仲良く共に成長してくれる事を期待します。」
「キャンベル王国王子アーノルド・クリストファー・キャンベルです。よろしく。」
女子の声にならない悲鳴があちこちで上がっているようで、さすが本物の王子様は違うなあと思ってしまう。アラン王子は、王子だけど残念王子だからなぁ。
そんななか、1人だけ反応が違う聖女様は、
「なぜ2のメイン攻略対象のアーノルド様がいるの?まだ無印終わってないのに。それにアーノルド様がグレンスティッドに留学して来たなんて話なかったはず…」
と呟いている。
道理でアーノルドが、かっこいいはずだ。私の知らなかった2のメインなのね。
ちょ、ちょっと待って。私は攻略対象の婚約者⁈
2でも悪役令嬢ポジションになっちゃうの?
アラン王子と違って、私はアーノルドが好きなんだもん。絶対、やきもち妬いちゃう。
そしたら、ヒロイン虐めたって、断罪されちゃうわ。
やはり、アーノルドとは婚約解消して、お兄様の小姑生活が無難かしら?
「エイミー?聞いてる?」
「え?」
「解散したから、ランチ行こうって言ってたのに、聞いてなかったの?」
いつの間にか、生徒はまばらでアーノルドに話しかけたそうな女子が、こちらを見ている。
「カフェテリアに行く?」
「そうね。」
「あ、あの。エミルフェシア様はアーノルド殿下とお知り合いなんですか。」
クラスメイトの1人が声をかけて来た。
「そうだよ。私はエイミーの…」
「い、従兄弟なの。私のお母様とアーノルド殿下のお父上が姉弟なのよ。」
アーノルドが『婚約者』と言うのを遮るように私が言うと皆さん納得されたようだ。
不満げなアーノルドを除いて。
「それでは、私たちはランチに行きますので。御機嫌よう。」
カフェテリアに着いて、ランチセットを食べ始めるとアーノルドが不満を口にした。
「さっきのは、どういうこと?エイミーは、私の婚約者だと知られたくないの?」
「まだ、あまり広めたくないの。アーノルドは、最後の切り札なんだから。」
「むしろ、最初から主張して余計なこと排除したい。」
「女の子達の攻撃受けたくないから、お願い。」
「仕方ない。わかった。」
それから『エミルフェシアとアーノルドは、仲良しの従兄弟』というように周りから思われるようになった。まぁ、授業全部同じだし、ダンスの授業は「エイミーと。」という王子のわがままを振りかざしているから当然かもしれないが。
それでも最初にお願いして、女子に絡まれないように気をつけてくれているのか、必要以上に近寄らない絶妙な立ち回りをしてくれる辺りは、さすがだなと思う。
アーノルドがいるため、私に近づけないアラン王子は今日もこちらを睨んでいる。他の人と違い、下手なことをすれば、外交問題になると言うことは理解できるくらいの頭はあるようだ。良かった。
ただ、聖女様がその横にくっついているから、全く締まりはないが。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
248
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる