男装令嬢とわがまま王子

里中一叶

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突然の告白

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翌日からレイモンドが学園内で全く私に近寄らなくなった。王妃様が何か言ったようだが、あからさまに避けられている感じだ。そのくせ毎日我が家にリリーを訪ねてきて私に顔を見せることなく帰っている。
学園内では、2人がけんかして婚約破棄するのでは?と噂が流れているようで令嬢たちのレイモンドへのアタックがすごいらしい。
私は他の男子学生たちと普通に話ができるし振り回されることもなく、とても平和である。
ただ、たまに寂しくなる。声が聞こえたような気がして振り返ってしまう。そんな自分が嫌になる。
そんな状態が半年ほど続いた頃、珍しく学園内でレイモンドに声をかけられた。
「ミリアリア。話がある。いまいいだろうか。」
久しぶりなレイモンドは、少し痩せて精悍さが増した感じがする。
「どうしたの?」
「父上が正式に婚約解消に向けてジャルフ伯爵と話をすることになった。俺たちの気持ちを確認した上で最終確認するから、次の休日9時に伯爵と王宮に来てほしい。伯爵には今日通知が入っているはずだ。それと俺は新年度5年に上がらずそのまま学園を退学して、南方のゲーナットへ行くことが決まった。
バカだよな。父上たちの考えも聞かずに王子がたかが伯爵家の婿養子になるなんてって拗ねて、お前にも迷惑かけて。そのくせだんだんお前の事を好きになって、手放したくないからってわがままに振る舞って…」
「ちょ、ちょっと待って。学園辞めて南方?私のことが好き?じゃあリリーは?リリーは遊びだったの?」
「あのさ。なんでそこにリリーが出てくるんだよ。」
「だって毎日のように会いに来て、一緒に別室に行ったじゃない。」
「リリーには稽古つけてもらってた。わがままでミリアリアより弱いなんてカッコ悪いじゃないか。リリーは、今の影の若手ナンバー1で伯爵が次代の影の頭にと考えているから、俺に教えるには、ちょうどいいと伯爵が…」
リリーがレイモンドとなんでもないと知ってホッとしている。
でもその前になんて言った⁈
「わ、私の事が好きって言ってた⁈」
「あぁ。」
思わず声に出していたようで返事をされてしまった。
「だって私との婚約破棄したいって言ってたじゃない。」
「それは…兄さんたちがそれぞれ将来国王になるのに、俺だけ伯爵家に婿入りで、普通王弟なら公爵くらいに叙爵されるのにって気に入らなかっただけで拗ねていたんだ。王宮じゃいい子でいたのも、やはり伯爵家にはもったいないと大人たちに思わせたかっただけだった。そんな中ミリアリアと一緒にいる時だけは素の自分をだせて楽しくて、好きになったけど、今さら婚約解消の解消なんかかっこよくないとか思うくせに他の男と話すのが面白くなくて…
ああ、俺何言ってんだか…」
「それで、私を避けていたのは?」
「母上にものすごく怒られて。1人の令嬢としてちゃんとミリアリアに接しられるまで近寄るなと言われて…近寄らないでいるとお前はみんなと楽しそうだし、それ以前にお前は、俺と婚約解消したいから、ちゃんと解消してやるべきだと思って、今回、父上からゲーナットに大使を派遣する話を聞いて頭冷やすためにも行かせて欲しいって頼んだんだ。」
なに勝手に自分で全部決めちゃうのよ。そう言いたいのになにも言えなかった。
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