9 / 19
突然の告白
しおりを挟む
翌日からレイモンドが学園内で全く私に近寄らなくなった。王妃様が何か言ったようだが、あからさまに避けられている感じだ。そのくせ毎日我が家にリリーを訪ねてきて私に顔を見せることなく帰っている。
学園内では、2人がけんかして婚約破棄するのでは?と噂が流れているようで令嬢たちのレイモンドへのアタックがすごいらしい。
私は他の男子学生たちと普通に話ができるし振り回されることもなく、とても平和である。
ただ、たまに寂しくなる。声が聞こえたような気がして振り返ってしまう。そんな自分が嫌になる。
そんな状態が半年ほど続いた頃、珍しく学園内でレイモンドに声をかけられた。
「ミリアリア。話がある。いまいいだろうか。」
久しぶりなレイモンドは、少し痩せて精悍さが増した感じがする。
「どうしたの?」
「父上が正式に婚約解消に向けてジャルフ伯爵と話をすることになった。俺たちの気持ちを確認した上で最終確認するから、次の休日9時に伯爵と王宮に来てほしい。伯爵には今日通知が入っているはずだ。それと俺は新年度5年に上がらずそのまま学園を退学して、南方のゲーナットへ行くことが決まった。
バカだよな。父上たちの考えも聞かずに王子がたかが伯爵家の婿養子になるなんてって拗ねて、お前にも迷惑かけて。そのくせだんだんお前の事を好きになって、手放したくないからってわがままに振る舞って…」
「ちょ、ちょっと待って。学園辞めて南方?私のことが好き?じゃあリリーは?リリーは遊びだったの?」
「あのさ。なんでそこにリリーが出てくるんだよ。」
「だって毎日のように会いに来て、一緒に別室に行ったじゃない。」
「リリーには稽古つけてもらってた。わがままでミリアリアより弱いなんてカッコ悪いじゃないか。リリーは、今の影の若手ナンバー1で伯爵が次代の影の頭にと考えているから、俺に教えるには、ちょうどいいと伯爵が…」
リリーがレイモンドとなんでもないと知ってホッとしている。
でもその前になんて言った⁈
「わ、私の事が好きって言ってた⁈」
「あぁ。」
思わず声に出していたようで返事をされてしまった。
「だって私との婚約破棄したいって言ってたじゃない。」
「それは…兄さんたちがそれぞれ将来国王になるのに、俺だけ伯爵家に婿入りで、普通王弟なら公爵くらいに叙爵されるのにって気に入らなかっただけで拗ねていたんだ。王宮じゃいい子でいたのも、やはり伯爵家にはもったいないと大人たちに思わせたかっただけだった。そんな中ミリアリアと一緒にいる時だけは素の自分をだせて楽しくて、好きになったけど、今さら婚約解消の解消なんかかっこよくないとか思うくせに他の男と話すのが面白くなくて…
ああ、俺何言ってんだか…」
「それで、私を避けていたのは?」
「母上にものすごく怒られて。1人の令嬢としてちゃんとミリアリアに接しられるまで近寄るなと言われて…近寄らないでいるとお前はみんなと楽しそうだし、それ以前にお前は、俺と婚約解消したいから、ちゃんと解消してやるべきだと思って、今回、父上からゲーナットに大使を派遣する話を聞いて頭冷やすためにも行かせて欲しいって頼んだんだ。」
なに勝手に自分で全部決めちゃうのよ。そう言いたいのになにも言えなかった。
学園内では、2人がけんかして婚約破棄するのでは?と噂が流れているようで令嬢たちのレイモンドへのアタックがすごいらしい。
私は他の男子学生たちと普通に話ができるし振り回されることもなく、とても平和である。
ただ、たまに寂しくなる。声が聞こえたような気がして振り返ってしまう。そんな自分が嫌になる。
そんな状態が半年ほど続いた頃、珍しく学園内でレイモンドに声をかけられた。
「ミリアリア。話がある。いまいいだろうか。」
久しぶりなレイモンドは、少し痩せて精悍さが増した感じがする。
「どうしたの?」
「父上が正式に婚約解消に向けてジャルフ伯爵と話をすることになった。俺たちの気持ちを確認した上で最終確認するから、次の休日9時に伯爵と王宮に来てほしい。伯爵には今日通知が入っているはずだ。それと俺は新年度5年に上がらずそのまま学園を退学して、南方のゲーナットへ行くことが決まった。
バカだよな。父上たちの考えも聞かずに王子がたかが伯爵家の婿養子になるなんてって拗ねて、お前にも迷惑かけて。そのくせだんだんお前の事を好きになって、手放したくないからってわがままに振る舞って…」
「ちょ、ちょっと待って。学園辞めて南方?私のことが好き?じゃあリリーは?リリーは遊びだったの?」
「あのさ。なんでそこにリリーが出てくるんだよ。」
「だって毎日のように会いに来て、一緒に別室に行ったじゃない。」
「リリーには稽古つけてもらってた。わがままでミリアリアより弱いなんてカッコ悪いじゃないか。リリーは、今の影の若手ナンバー1で伯爵が次代の影の頭にと考えているから、俺に教えるには、ちょうどいいと伯爵が…」
リリーがレイモンドとなんでもないと知ってホッとしている。
でもその前になんて言った⁈
「わ、私の事が好きって言ってた⁈」
「あぁ。」
思わず声に出していたようで返事をされてしまった。
「だって私との婚約破棄したいって言ってたじゃない。」
「それは…兄さんたちがそれぞれ将来国王になるのに、俺だけ伯爵家に婿入りで、普通王弟なら公爵くらいに叙爵されるのにって気に入らなかっただけで拗ねていたんだ。王宮じゃいい子でいたのも、やはり伯爵家にはもったいないと大人たちに思わせたかっただけだった。そんな中ミリアリアと一緒にいる時だけは素の自分をだせて楽しくて、好きになったけど、今さら婚約解消の解消なんかかっこよくないとか思うくせに他の男と話すのが面白くなくて…
ああ、俺何言ってんだか…」
「それで、私を避けていたのは?」
「母上にものすごく怒られて。1人の令嬢としてちゃんとミリアリアに接しられるまで近寄るなと言われて…近寄らないでいるとお前はみんなと楽しそうだし、それ以前にお前は、俺と婚約解消したいから、ちゃんと解消してやるべきだと思って、今回、父上からゲーナットに大使を派遣する話を聞いて頭冷やすためにも行かせて欲しいって頼んだんだ。」
なに勝手に自分で全部決めちゃうのよ。そう言いたいのになにも言えなかった。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】少年の懺悔、少女の願い
干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。
そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい――
なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。
後悔しても、もう遅いのだ。
※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
私の妹…ではなく弟がいいんですか?!
しがついつか
恋愛
スアマシティで一番の大富豪であるマックス・ローズクラウンには娘が2人と息子が1人いる。
長女のラランナ・ローズクラウンは、ある日婚約者のロミオ・シーサイドから婚約解消についての相談を受けた。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
皇后陛下の御心のままに
アマイ
恋愛
皇后の侍女を勤める貧乏公爵令嬢のエレインは、ある日皇后より密命を受けた。
アルセン・アンドレ公爵を籠絡せよ――と。
幼い頃アルセンの心無い言葉で傷つけられたエレインは、この機会に過去の溜飲を下げられるのではと奮起し彼に近づいたのだが――
婚約破棄、ありがとうございます
奈井
恋愛
小さい頃に婚約して10年がたち私たちはお互い16歳。来年、結婚する為の準備が着々と進む中、婚約破棄を言い渡されました。でも、私は安堵しております。嘘を突き通すのは辛いから。傷物になってしまったので、誰も寄って来ない事をこれ幸いに一生1人で、幼い恋心と一緒に過ごしてまいります。
【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
私の完璧な婚約者
夏八木アオ
恋愛
完璧な婚約者の隣が息苦しくて、婚約取り消しできないかなぁと思ったことが相手に伝わってしまうすれ違いラブコメです。
※ちょっとだけ虫が出てくるので気をつけてください(Gではないです)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる