男装令嬢とわがまま王子

里中一叶

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ジャルフ伯爵家の能力

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シェルト王国の地理、歴史は頭に入っているので、今の王の政治的な状況、性格、嗜好、家族の状況や国内の経済状態など集められるだけ集めていく。
それによると現王には妃が4人。子どもが王太子を筆頭に5人、そのうち王女が3人、上の2人は国内の貴族に嫁いでいる。アイナは末娘で王の一番お気に入りの妃の子のため、かなりかわいがられている。正妃に子はなく王太子を産んだ妃が、力を持っているようだ。
「働きかけるなら王太子の母親ね。」
「はい。まずは、うちの持っている商会のうちの…アザル商会なら宝飾品扱っているから、アザルのシェルト支店の誰かを王太子の母親に営業かけさせて。品物は、妃が好きな赤系の宝石ね。なじみになったら、こちらの現状と婚約者と引き離されそうになった可哀想な令嬢の話を吹き込んでおく。」
「お嬢様。可哀想な令嬢ってどこの誰ですか?」
リリーの意見は無視する。
「あと下準備でシェルトの王宮や貴族が好む南方の果物の輸出価格の操作ね。庶民を巻き込むわけにはいかないから果物くらいしか手を出せないし。」
「本当にお嬢様はジャルフ伯爵家を理解していますね。誇らしいですわ。」
「ありがとう、リリー。理由は自分に関することだけど、王族の立場を自分のわがままに使おうとするのは、嫌いだから。」
私じゃなかったら、泣く泣く婚約解消させられる状況に少し怒っているのだ。
「期限は、王女の留学が終わるまで、3ヶ月しかないから、がんばってやるわよ。」


レイモンドには、シェルトに戻ってもらい、通常の業務をしながら、シェルト王に断り続けてもらい、私はショックで泣き暮らしていると噂を広め、少しずつ相手に気づかせないように事を進めていった。
今回私たちに協力した母妃側には、アザル商会としてレベルの情報を流す事で本家のお嬢様の力になってくれたお礼ですと伝えてある。今後、付き合いがあっても商会レベルなら問題ない。

アイナ王女とはあの日一度会ったきりで、帰国パーティーを迎えた。今日のエスコートは、迎えに来たシェルトの伯爵らしい。結局、シェルト王は、フェルティに迷惑をかけたことや国内での失策の責任をとりアイナ王女の母親と離宮に移り、王太子が近く即位するそうだ。アイナ王女はまだ納得していないようだが、国内で縁組が用意されている。
レイモンドは、新王の即位式に参列後、任期を切り上げ、ほかの者と交代し帰国することに決まった。
私は、まだまだそこまで腹黒くなれないので、アイナ王女と直接会う機会が耐えられずパーティーを欠席した。お父様なら、全て隠して平気な顔なんだろうけれど。
ジャルフ伯爵家の力は、一国の王も凌ぐと言われているけれど、凌ぐなんてものじゃない、国を変えてしまう力だと自覚した。
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