17 / 19
戦闘開始
しおりを挟む
翌朝、いつもの稽古をしているとレイモンドが訪ねてきた。
「おはよう。早いわね。」
「ミリアリア、昨日は相手出来ずにごめん。」
「大変ね。王女に好かれて。」
「でも俺はミリアリアだけだから。」
「ありがとう。王女ったら普通伯爵令嬢に負けるはずないから、結構強気だったわね。」
「あれから父上に確認したら、確かに留学に併せて話を持ってきたらしい。アイナ王女をフェルティ第三王子に嫁がせるためのお披露目にしたいらしいな。」
「一応、王女には正式にお披露目されていないことを言うのはどうかって言ったのよ。そうしたら生意気だって。」
「ミリアリア、余裕あるな。」
「余裕というか、この家で育つと考え方がそうなっちゃうというのか…レイの気持ちがわかっているからってのもあるけど。」
「ミリアリア…」
なんとなくいい雰囲気になりそうだったが、師匠がさせてくれなかった。
「お嬢様、いつまで休憩ですか。レイモンド様は、旦那様がお呼びです。とっととお行きなさい。」
稽古が終わり、着替えて朝食を食べに食堂へ行くと涼しい顔のお父様の横にぼろぼろになったレイモンドがいた。
「久しぶりに手合わせしたんだけど、全然かなわなかった。きっつい。」
「この程度で認めてやるわけがないだろう。もっと鍛えて来い。」
お父様は、頭脳、肉体どちらも影のトップクラスの実力の持ち主。勝つのはなかなか厳しいと思う。
「レイ。お父様はお母様と結婚するために影のトップになる努力をしたんですって。頑張ってね。」
「ミリアリア、私の話はいいから。」
お父様が照れて、雰囲気が少し柔らかくなったので、本題に入る。
「それで、父上の話だと俺の事を気に入ったアイナ王女がシェルト王におねだりして、縁組の申し入れをしてきているんだが、条件は曖昧で俺が婿入りするならシェルトの王族として新たな公爵家を作る。こちらに嫁がせるなら、アイナ王女を通して我が国に援助するとどちらでもいい感じなんだ。」
「娘に甘い父親が、どうにかしたいという感じですね。」
「俺はミリアリアがいるからと何回も断っているから、こちらにメリットがないと頷かないと考えたんだろう。」
「レイモンド様。今後どうするつもりで?」
「伯爵、ミリアリアが良ければ伯爵家へ入ることを認めてもらえるか。」
「そうですね。まだレベルはミリアリアにも劣るが、努力は認める。」
お父様とレイモンドの会話を聞いているとどちらが高位なのか時々分からなくなる。お父様は、陛下に対しても私的な場所では似たようなものだけど。
「ミリアリア。アイナ王女の対応はどうするか?私がやってもいいが。」
お父様は、私に選ばせるらしい。これも将来のための勉強というところなのだろう。
「とりあえず陛下には、こちらの意向と国としてシェルトへの回答の依頼を。その上で私がやってみます。」
「わかった。ジェイ、いまからジャルフ伯爵家全てを一時的にミリアリアに委譲する。通達を。」
横にいたお父様付きの従者に伝えると彼は御意と一言を残して消えた。
「リリー。打ち合わせしたいからシェルト方面担当とつなぎを。ジャルフの総力を使ってレイを我が家に迎えます。」
「ミリアリア。俺は何をすればいい?」
「レイは、大使のお仕事頑張ってね。私は、私で頑張るから。」
私がやるのは、女の戦いというよりも国を相手に諜報、暗躍、交渉のたぐい。それに今の大使という立場のレイモンドを巻き込みたくない。
王宮に帰るレイモンドを見送り。私はリリーたちの待つ部屋へと向かった。
「おはよう。早いわね。」
「ミリアリア、昨日は相手出来ずにごめん。」
「大変ね。王女に好かれて。」
「でも俺はミリアリアだけだから。」
「ありがとう。王女ったら普通伯爵令嬢に負けるはずないから、結構強気だったわね。」
「あれから父上に確認したら、確かに留学に併せて話を持ってきたらしい。アイナ王女をフェルティ第三王子に嫁がせるためのお披露目にしたいらしいな。」
「一応、王女には正式にお披露目されていないことを言うのはどうかって言ったのよ。そうしたら生意気だって。」
「ミリアリア、余裕あるな。」
「余裕というか、この家で育つと考え方がそうなっちゃうというのか…レイの気持ちがわかっているからってのもあるけど。」
「ミリアリア…」
なんとなくいい雰囲気になりそうだったが、師匠がさせてくれなかった。
「お嬢様、いつまで休憩ですか。レイモンド様は、旦那様がお呼びです。とっととお行きなさい。」
稽古が終わり、着替えて朝食を食べに食堂へ行くと涼しい顔のお父様の横にぼろぼろになったレイモンドがいた。
「久しぶりに手合わせしたんだけど、全然かなわなかった。きっつい。」
「この程度で認めてやるわけがないだろう。もっと鍛えて来い。」
お父様は、頭脳、肉体どちらも影のトップクラスの実力の持ち主。勝つのはなかなか厳しいと思う。
「レイ。お父様はお母様と結婚するために影のトップになる努力をしたんですって。頑張ってね。」
「ミリアリア、私の話はいいから。」
お父様が照れて、雰囲気が少し柔らかくなったので、本題に入る。
「それで、父上の話だと俺の事を気に入ったアイナ王女がシェルト王におねだりして、縁組の申し入れをしてきているんだが、条件は曖昧で俺が婿入りするならシェルトの王族として新たな公爵家を作る。こちらに嫁がせるなら、アイナ王女を通して我が国に援助するとどちらでもいい感じなんだ。」
「娘に甘い父親が、どうにかしたいという感じですね。」
「俺はミリアリアがいるからと何回も断っているから、こちらにメリットがないと頷かないと考えたんだろう。」
「レイモンド様。今後どうするつもりで?」
「伯爵、ミリアリアが良ければ伯爵家へ入ることを認めてもらえるか。」
「そうですね。まだレベルはミリアリアにも劣るが、努力は認める。」
お父様とレイモンドの会話を聞いているとどちらが高位なのか時々分からなくなる。お父様は、陛下に対しても私的な場所では似たようなものだけど。
「ミリアリア。アイナ王女の対応はどうするか?私がやってもいいが。」
お父様は、私に選ばせるらしい。これも将来のための勉強というところなのだろう。
「とりあえず陛下には、こちらの意向と国としてシェルトへの回答の依頼を。その上で私がやってみます。」
「わかった。ジェイ、いまからジャルフ伯爵家全てを一時的にミリアリアに委譲する。通達を。」
横にいたお父様付きの従者に伝えると彼は御意と一言を残して消えた。
「リリー。打ち合わせしたいからシェルト方面担当とつなぎを。ジャルフの総力を使ってレイを我が家に迎えます。」
「ミリアリア。俺は何をすればいい?」
「レイは、大使のお仕事頑張ってね。私は、私で頑張るから。」
私がやるのは、女の戦いというよりも国を相手に諜報、暗躍、交渉のたぐい。それに今の大使という立場のレイモンドを巻き込みたくない。
王宮に帰るレイモンドを見送り。私はリリーたちの待つ部屋へと向かった。
12
あなたにおすすめの小説
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~
ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。
彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。
――死んだはずの彼女が、生きている?
同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。
「今さら、逃げ道があると思うなよ」
瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。
秘された皇子と、選び直した愛。
三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?
* * *
後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。
別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
疎遠だった幼馴染が彼女と別れて私に会いに来るようになったのだけど
くじら
恋愛
図書館の定位置には、いつも黒縁メガネの女生徒がいる。
貴族同士の見栄の張り合いや出世争いから距離を置いて穏やかに過ごしていたのに、女生徒の幼馴染が絡んでくるようになって…。
あなたの隣は私ではないけれど、それでも好きでいてもいいですか、レオナルド様
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢エリアーナには、三年間ずっと抱えてきた秘密がある。
婚約者であるヴァルフォード公爵・レオナルドへの、誰にも言えない恋心だ。
しかし彼の隣にいるのは、いつも幼馴染の伯爵令嬢・ソフィア。
儚げな笑顔と上目遣いで男性を虜にするあざとい彼女に、レオナルドも例外ではないようで——
「レオ、私のこと嫌いにならないでね?」
「……そんなことにはならない」
また始まった二人の世界。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる