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第18章:樹龍の愛し子編(2) 龍祀の儀
第278話:龍祀の儀
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大きな木の舞台に立つのは一人の少女だ。植物で作られた物のみを身にまとい、樹龍に捧げる儀式を始めようとしている。
樹龍の目の前に置かれているのはパンや酒、ジャム、香、そして油だ。どれも植物から作った最高級品で、人間の手が加わっている。
これには樹龍によってもたらされた恵みに人の力を乗せて返すという意味があった。
少女は独特なゆっくりとした動きで周囲に油を撒く。舞台の端には束ねた香草が並べられていて、煙を発している。
これは浄化の儀式だ。邪な感情や打算を清め、ただ単純に樹龍の存在を喜ぶような、そんな崇拝の儀式だった。
煙が十分に立ってくると、少女はこれまた独特な動きで舞いはじめた。煙が自然と吸い寄せられ、少女の身体に集まる。そしてしばらくすると、今度は動きが変わり、空気が広がるようになる。
穢れを落とし、世界と一体化してゆく。そんな祈りが込められていることを知るのは、この場では少女だけだった。
丁寧に丁寧に身を清めた後で、少女はついに跳び上がった。それは樹龍と一族の出会いを表したもので、動きに喜びが込められていた。
樹龍がこの舞を見るのは初めてではないが、見るたびに動きが変わるし、雰囲気もバラバラだった。けれど、何度も見てきたおかげで大きな流れは理解していた。
次に少女が跳び上がった瞬間、赤と黄の花が降り注いだ。それは樹龍によるささやかな彩りで、舞台を映させるのに十分だった。
実は、この少女の身体能力は歴代でも屈指で、儚さと力強さが奇妙に同居している。だからなのか、珍しく樹龍は興に乗って力を使ってみた。もしかしたら三百年ぶりに目覚めて、楽しさを求めているのかもしれなかった。
少女の動きがゆっくりになると、陽がかげり、薄暗くなった。そして、月の煌めきに呼応するように薄ぼんやりと光る白い花びらが空から落ちて来た。
少女の白い肌に光が当たり、まるで少女自体も光っているように見える。
これは孤独な舞台だ。見ることが許されたのはたった十一人だけで、少女の行いに大陸の存亡が賭けられていた。
けれど、少女の表情に悲壮感はなかった。顔付きや動きから深く集中していることが分かるが、それに加えて少女の顔には喜びがあった。
それは彼女がさきほど表現していたような樹龍に対するものではなくて、もっと根源的なもの――そんな気配があった。
樹龍は少女を見つめる。初めて龍に会って、これだけ落ち着いて行動できる者はほとんどいなかった。龍を前にして、ここまで堂々とできるのは少女が安心感を持っているからに違いなかった。
樹龍は初めて少女以外の人間を見た。仲間の存在が少女を自由にさせていることに疑いはなかった。
樹龍の中にうっすらと残る記憶がある。それは木のカメレオンが得たものだ。あれはただの依代で、幾つかの指令に従うだけの植物だけれど、深いところで樹龍と繋がっていた。
あれらが善性の人間で、少女が信頼を置いていることは明白だった。だからこそ、確かめる必要があった。知る必要があった。
それこそが樹龍が龍たる理由、世界の『機構』に干渉できるものの務めだと信じているからだ。
少女の動きが激しくなる。奉納の舞に必要のない激しさで、この少女にしか踊れないほどの躍動感がある。それなのに元からそういうものだったようなのは、根源的な想いに溢れているからだった。
少女の祈りは『仲間と生きること』だ。それを叶えるために願いを込めている。
樹龍が胸を打たれることはない。けれど、生命が光を放つ眩さを知らない訳でもなかった。
舞台の木に青い花が咲き乱れる。
白緑の花びらが降り注ぐ。
それは、いま樹龍が贈ることのできる最大の賛辞だった。
そして、少女が息を切らしながら再び跪いた時、樹龍は静かに大地に舞い降りた。
◆
プラウティアは頭を下げたまま、樹龍が近づいて来るのを感じていた。この後も儀式は続く予定だったけれど、直感的にここで終わる気がした。
そもそも、儀式の内容は詳しく伝わっているのにその後に何が起きるのかも分かっていなかった。
この儀式は樹龍が目覚める時にその喜びを表し、人と龍の友誼を確認するためにある。樹龍が怒れば大陸中の植物が枯れると言われていたけれど、プラウティアは樹龍がそんなことをするようには思えなかった。
それでは何のためにここに来たのか。今は何の時間なのか。プラウティアは強大な気配を前にそんなことを考えていた。
そして、一回息を吸って吐くくらいの間に樹龍が目の前にやってきた。
プラウティアは俯いたまま、じっと樹龍の動きを待っていた。だが、何も起きなかったので、ゆっくりと顔を上げることにした。すると、樹龍の大きな顔と深い知性に満ちた目が見えてきた。
プラウティアは息を呑んだ。けれどすぐに樹龍が何を求めているのか分かった。
「少しだけ、話してきます」
離れた場所にいるみんなにそう言って、プラウティアは樹龍に触れた。
その感触は植物だった。何千年も前からある老木に触れたような大きさを感じ、ここが人間の還る場所なのではないかと錯覚しそうだった。
そして同時に、まさに龍だという感触も得た。鱗は軽く触っただけで分かるほどに硬く、生き物の温かさと恐ろしさに満ちていた。
プラウティアは溢れ出る感情を振り払い、樹龍の背に乗った。樹龍はすぐに空を昇り、月がとても綺麗に見える高度に達した。
みるみるうちに辺りは夜のように暗くなったけれど、地上はまだ明るかった。ここでは全てが樹龍の意のままなのだということをプラウティアは改めて認識した。
樹龍の背は安定していた。プラウティアは信頼と恐怖を同時に感じたけれど、良い感情は加護によるものだと考えた。
『ヘルバを知っているか?』
樹龍の声が聞こえてくる。プラウティアはゆっくりと頷いた。樹龍の目はこちらに向いていないけれど、伝わる気がしていた。
『ヘルバという少女を知っているか?』
今度は首を横に振った。プラウティアはヘルバ氏族の一員だが、それしか知らなかった。
『失伝したか。ヘルバは始祖だ』
その情報にプラウティアは固まった。ヘルバという氏族名には植物に由来する意味が込められているので、そのように呼ばれるようになったのだと思っていた。だが、ヘルバという少女が始祖だからヘルバ氏族という名前になったのだろうか。
「貴方が最初に加護を与えたのがヘルバ様なのですか?」
『そうだ』
樹龍がちょっと得意げになった気がした。樹龍とは加護で繋がっているので、プラウティアに気持ちがうっすらと伝わってくる。
『ヘルバとその子孫たちは力を伝えてきた』
樹龍はゆっくりと、でも軽やかに宙を泳いでいる。その様子は遠く楽しい記憶に触れる賢人のようだった。
『落としはしないが捕まっていろ』
そう言うと樹龍は月に向かって進み出した。凄まじい速さだが、重さはほとんど感じなかった。
時折、樹龍はくるんとその場で回ったり、わざと急上昇と急降下を繰り返したりした。
それはきっと世界で一人だけしか体験できないような遊戯で、プラウティアは笑ってしまった。
『ヘルバの娘、楽しいか?』
「はい! 楽しいですよ」
意識できるほどではなかったけれど、心の奥の方で、ちょっとだけ過去の映像が見えたような気がした。
きっと始祖ヘルバと樹龍はこうして遊びながら絆を深めて、お互いを信頼できるようになったのだろうとプラウティアは察することができた。
そしてついに月がびっくりするくらい大きく見える所までやってきた。
『月の光を浴びるのだ。月は全てを見ているがそれが何故なのかは分からない』
「龍にも分からないことがあるんですか?」
素朴な疑問だった。
『分からないことばかりだ。時を過ごすほどに謎は増えてゆく』
龍が全知でも全能でもないということをプラウティアは初めて意識した。
『青の奴に会ったのか』
樹龍の言葉がよく分からなかったけれど、すぐに青き龍の話なのだと勘づいた。
「会いました。パドキアの砂漠の先で青く賢き龍に……」
『何と言っていた』
「龍の時代が始まるとだけ言っておられました」
そう伝えると樹龍は宙でぴたっと静止し、黙ってしまった。
しばしの沈黙ののち、また声が聞こえてきた。
『変わらず無口な龍だ』
樹龍は呆れているようにも見えた。
『ヘルバの娘よ、龍の時代が始まる。災厄が訪れ、龍は守らなければならない』
「……災厄ですか?」
『黒きものが目覚める。月の子供は白き龍を探さなくてはならない』
プラウティアはその言葉を深く心に刻んだ。そしてその意味を聞こうとした時、樹龍は真っ逆様になって地上に向かった。
さっきの楽しい空中浮遊とは違って、その動きには焦りがあるように見えた。
そして一瞬で地上に戻った樹龍はこれまでとは全く違う様子になった。
【信と力を見せよ】
声が頭に響いてくる。
【足らねばヘルバの娘を外には出さぬ】
プラウティアの眼前に突然森が出現した。
樹龍の目の前に置かれているのはパンや酒、ジャム、香、そして油だ。どれも植物から作った最高級品で、人間の手が加わっている。
これには樹龍によってもたらされた恵みに人の力を乗せて返すという意味があった。
少女は独特なゆっくりとした動きで周囲に油を撒く。舞台の端には束ねた香草が並べられていて、煙を発している。
これは浄化の儀式だ。邪な感情や打算を清め、ただ単純に樹龍の存在を喜ぶような、そんな崇拝の儀式だった。
煙が十分に立ってくると、少女はこれまた独特な動きで舞いはじめた。煙が自然と吸い寄せられ、少女の身体に集まる。そしてしばらくすると、今度は動きが変わり、空気が広がるようになる。
穢れを落とし、世界と一体化してゆく。そんな祈りが込められていることを知るのは、この場では少女だけだった。
丁寧に丁寧に身を清めた後で、少女はついに跳び上がった。それは樹龍と一族の出会いを表したもので、動きに喜びが込められていた。
樹龍がこの舞を見るのは初めてではないが、見るたびに動きが変わるし、雰囲気もバラバラだった。けれど、何度も見てきたおかげで大きな流れは理解していた。
次に少女が跳び上がった瞬間、赤と黄の花が降り注いだ。それは樹龍によるささやかな彩りで、舞台を映させるのに十分だった。
実は、この少女の身体能力は歴代でも屈指で、儚さと力強さが奇妙に同居している。だからなのか、珍しく樹龍は興に乗って力を使ってみた。もしかしたら三百年ぶりに目覚めて、楽しさを求めているのかもしれなかった。
少女の動きがゆっくりになると、陽がかげり、薄暗くなった。そして、月の煌めきに呼応するように薄ぼんやりと光る白い花びらが空から落ちて来た。
少女の白い肌に光が当たり、まるで少女自体も光っているように見える。
これは孤独な舞台だ。見ることが許されたのはたった十一人だけで、少女の行いに大陸の存亡が賭けられていた。
けれど、少女の表情に悲壮感はなかった。顔付きや動きから深く集中していることが分かるが、それに加えて少女の顔には喜びがあった。
それは彼女がさきほど表現していたような樹龍に対するものではなくて、もっと根源的なもの――そんな気配があった。
樹龍は少女を見つめる。初めて龍に会って、これだけ落ち着いて行動できる者はほとんどいなかった。龍を前にして、ここまで堂々とできるのは少女が安心感を持っているからに違いなかった。
樹龍は初めて少女以外の人間を見た。仲間の存在が少女を自由にさせていることに疑いはなかった。
樹龍の中にうっすらと残る記憶がある。それは木のカメレオンが得たものだ。あれはただの依代で、幾つかの指令に従うだけの植物だけれど、深いところで樹龍と繋がっていた。
あれらが善性の人間で、少女が信頼を置いていることは明白だった。だからこそ、確かめる必要があった。知る必要があった。
それこそが樹龍が龍たる理由、世界の『機構』に干渉できるものの務めだと信じているからだ。
少女の動きが激しくなる。奉納の舞に必要のない激しさで、この少女にしか踊れないほどの躍動感がある。それなのに元からそういうものだったようなのは、根源的な想いに溢れているからだった。
少女の祈りは『仲間と生きること』だ。それを叶えるために願いを込めている。
樹龍が胸を打たれることはない。けれど、生命が光を放つ眩さを知らない訳でもなかった。
舞台の木に青い花が咲き乱れる。
白緑の花びらが降り注ぐ。
それは、いま樹龍が贈ることのできる最大の賛辞だった。
そして、少女が息を切らしながら再び跪いた時、樹龍は静かに大地に舞い降りた。
◆
プラウティアは頭を下げたまま、樹龍が近づいて来るのを感じていた。この後も儀式は続く予定だったけれど、直感的にここで終わる気がした。
そもそも、儀式の内容は詳しく伝わっているのにその後に何が起きるのかも分かっていなかった。
この儀式は樹龍が目覚める時にその喜びを表し、人と龍の友誼を確認するためにある。樹龍が怒れば大陸中の植物が枯れると言われていたけれど、プラウティアは樹龍がそんなことをするようには思えなかった。
それでは何のためにここに来たのか。今は何の時間なのか。プラウティアは強大な気配を前にそんなことを考えていた。
そして、一回息を吸って吐くくらいの間に樹龍が目の前にやってきた。
プラウティアは俯いたまま、じっと樹龍の動きを待っていた。だが、何も起きなかったので、ゆっくりと顔を上げることにした。すると、樹龍の大きな顔と深い知性に満ちた目が見えてきた。
プラウティアは息を呑んだ。けれどすぐに樹龍が何を求めているのか分かった。
「少しだけ、話してきます」
離れた場所にいるみんなにそう言って、プラウティアは樹龍に触れた。
その感触は植物だった。何千年も前からある老木に触れたような大きさを感じ、ここが人間の還る場所なのではないかと錯覚しそうだった。
そして同時に、まさに龍だという感触も得た。鱗は軽く触っただけで分かるほどに硬く、生き物の温かさと恐ろしさに満ちていた。
プラウティアは溢れ出る感情を振り払い、樹龍の背に乗った。樹龍はすぐに空を昇り、月がとても綺麗に見える高度に達した。
みるみるうちに辺りは夜のように暗くなったけれど、地上はまだ明るかった。ここでは全てが樹龍の意のままなのだということをプラウティアは改めて認識した。
樹龍の背は安定していた。プラウティアは信頼と恐怖を同時に感じたけれど、良い感情は加護によるものだと考えた。
『ヘルバを知っているか?』
樹龍の声が聞こえてくる。プラウティアはゆっくりと頷いた。樹龍の目はこちらに向いていないけれど、伝わる気がしていた。
『ヘルバという少女を知っているか?』
今度は首を横に振った。プラウティアはヘルバ氏族の一員だが、それしか知らなかった。
『失伝したか。ヘルバは始祖だ』
その情報にプラウティアは固まった。ヘルバという氏族名には植物に由来する意味が込められているので、そのように呼ばれるようになったのだと思っていた。だが、ヘルバという少女が始祖だからヘルバ氏族という名前になったのだろうか。
「貴方が最初に加護を与えたのがヘルバ様なのですか?」
『そうだ』
樹龍がちょっと得意げになった気がした。樹龍とは加護で繋がっているので、プラウティアに気持ちがうっすらと伝わってくる。
『ヘルバとその子孫たちは力を伝えてきた』
樹龍はゆっくりと、でも軽やかに宙を泳いでいる。その様子は遠く楽しい記憶に触れる賢人のようだった。
『落としはしないが捕まっていろ』
そう言うと樹龍は月に向かって進み出した。凄まじい速さだが、重さはほとんど感じなかった。
時折、樹龍はくるんとその場で回ったり、わざと急上昇と急降下を繰り返したりした。
それはきっと世界で一人だけしか体験できないような遊戯で、プラウティアは笑ってしまった。
『ヘルバの娘、楽しいか?』
「はい! 楽しいですよ」
意識できるほどではなかったけれど、心の奥の方で、ちょっとだけ過去の映像が見えたような気がした。
きっと始祖ヘルバと樹龍はこうして遊びながら絆を深めて、お互いを信頼できるようになったのだろうとプラウティアは察することができた。
そしてついに月がびっくりするくらい大きく見える所までやってきた。
『月の光を浴びるのだ。月は全てを見ているがそれが何故なのかは分からない』
「龍にも分からないことがあるんですか?」
素朴な疑問だった。
『分からないことばかりだ。時を過ごすほどに謎は増えてゆく』
龍が全知でも全能でもないということをプラウティアは初めて意識した。
『青の奴に会ったのか』
樹龍の言葉がよく分からなかったけれど、すぐに青き龍の話なのだと勘づいた。
「会いました。パドキアの砂漠の先で青く賢き龍に……」
『何と言っていた』
「龍の時代が始まるとだけ言っておられました」
そう伝えると樹龍は宙でぴたっと静止し、黙ってしまった。
しばしの沈黙ののち、また声が聞こえてきた。
『変わらず無口な龍だ』
樹龍は呆れているようにも見えた。
『ヘルバの娘よ、龍の時代が始まる。災厄が訪れ、龍は守らなければならない』
「……災厄ですか?」
『黒きものが目覚める。月の子供は白き龍を探さなくてはならない』
プラウティアはその言葉を深く心に刻んだ。そしてその意味を聞こうとした時、樹龍は真っ逆様になって地上に向かった。
さっきの楽しい空中浮遊とは違って、その動きには焦りがあるように見えた。
そして一瞬で地上に戻った樹龍はこれまでとは全く違う様子になった。
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