俺は悪役王子様!

水魔沙希

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1.幼少期!

9.トラブル発生中!

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クラリネッサ・・・・・・!!これ、使って、こ、この少年に・・・料理を作ってあげて・・・。」
「え・・・?い、いいけど・・・。」


グレイはわざと母上を名前で呼んだ。きっと、親子関係である事を隠したいのかね?アンジュさんと母上が厨房に入っていく。グレイもついていく。それに続いて、エレーナもね。今の段階は主従関係だもん☆仕方ない。しかし、アザリーもといルシアン王子もついていく。


貴方は、王城で朝食を食ってきたよね?何で、まだ食べようとする?・・・あ、こいつ、大食いだった。食べても太らない体質で、そもそも食べた分だけ動き回る。剣術は素晴らしいのだとか。


グレイはルシアン王子の写真をパシャリ。ステータスを確認する。・・・やっぱり、ルシアン王子で間違いなかった。母上に近付いて、スマートフォンを見せる。


「母さん。あの子、第四王子のルシアン王子だよー♪今は、アザリーとか名乗っているけどね?」
「えっ?・・・それ、本当にー!?」
「これを見てよ。あの子のステータス。いくら、偽装スキルが働こうともステータスでは誤魔化せないんだよ。」


グレイは至って真面目。こういう時、何かを企んでいるんだよな。母上は小声で驚く。しかし、料理を作る下準備の間で良かった。包丁とか使っていたら、えらい事になっていたよ。アンジュさんは驚きの声を上げる。


「あっ!?包丁が錆びているわ。研がなくては・・・。」
「えっー!?今度は調理器具の問題?早く食べたいのにー!!」


グレイは静かにスマートフォンを操作する。(百均の)包丁を購入する。そして、そろーりとアンジュさんに渡す。



「これ。使って・・・!100Gで売るから!!」


売るんかい!!あ、この世界では1円=1Gです。まぁ、俺は稼ぎまくって、いまや億万長者ですがね。元取るの?


「あら。可愛い坊や。いいのかい?」
「うん。それで、何かクラリネッサと買うんだ!!」


あてられる程の良い笑顔。何か、裏がいかにもありそうです。


「これは・・・良いナイフだね。正直、100Gでは原価取れないよ?」
「原価ー?何それー?」


わざと知らないフリをするグレイ。まぁ、ほぼ原価取っているけどね。元々100円だし。この世界では100G。しかし、ちゃっかりアンジュさんは100Gを払ってグレイから受け取っているし。母上なんか地味に顔が引きずっているし。でも、さっくりと調理開始!







満足そうに作られた料理を食べていくルシアン王子。こいつ、王城で朝食を食ってきたよね?何で、こうも食い意地がはっているの?グレイは呆れた様子で、ルシアン王子を見ている。


『あんなのと半分血が繋がっているの?そして、あんな奴の為に、僕、悪役になるの?ふざけないでほしいねー♪』


そう、グレイも本当にうんざりしているようだ。でも、ルシアン王子はこのゲームのメインヒーローです!この食い意地が乙女の中で可愛いと噂されていたんですって。知らねーよ?でも、実際に見ると、本当にこんなのでモテるの?そう思わざるを得ない。







トラブルは突如として起きるものである。


そう、唐突にだ。
裏口から複数の男が、入ってくる。朝のラッシュが終わったとは言え、まだ店内には複数の客もいた。犯人グループは闇魔法で店内にいた全員を束縛する。まぁ、俺達も捕縛されるが、なんのその。すぐに解除ディスペルする。静かに、エレーナと母上にかけられた魔法を解くが、エレーナはすぐに気付くものの母上は気付かない様子。


さて、どうやって犯人グループを潰していこう?
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