4 / 12
4.
しおりを挟む
何もかもが初めての出来事。初めてはワクワクする。魔物退治も然り。人に害為すのならば、僕が倒さなくては。
アポロンの記憶では、魔法で対処していた。だったら、僕も同じ手段を選ぶ。アポロンだって僕の一部。もう一人の僕が魔物を討伐に失敗した事がない。ならば、身体を共有している以上僕に討伐出来ない訳がない!
リオネットドラゴンが目の前に現れたのを確認すると、僕は息を思いっきり吸い込む。そして、大声で叫ぶ。
「世界の終焉!!」
リオネットドラゴンは僕の放った魔法の影響で見事に地面に押し潰される。そして、リオネットドラゴンは大きな魔石を落とし、姿を消した。僕は魔石を拾い、アイテムボックスにしまう。そして、大きく手を上げた。
「やった!!魔物を退治出来た!」
喜びを感じたが、身体がふらつく。
『あー。魔力を使いすぎたね!グレイシアが極大魔法を使うから。俺でもこんな大規模魔法使わないよ!?でも、初魔物退治おめでとう。』
これが、魔力切れか・・・。気分悪いけれど、やってやったって感じでなんか気持ちいい感じ?いや、変態とかじゃないよ。いや、断じて。
これって時間経過で回復するはず。しばらく待とうか。
『歌えば?治癒能力って自分も回復するはずだよね?』
えっ?歌うの?それはなんか恥ずかしいなぁ。それに治癒能力を己の私欲の為に使うなんてもってのほか。僕が使うのは烏滸がましいよ!!
『でも、もしこの能力で人を助けたいなら、ちゃんと使えるか確かめないと。人々の期待を裏切る事になるよ?』
うっ・・・!アポロンは嫌なところを突くなぁ!!確かに、教会で働いている人達に、期待されているのに、幻滅はされたくないなぁ!
分かったよ。歌ってみる。だから、アポロンちゃんと聞いててね?
♪~♪♪
そうすると、力が湧き起こるのが身をもって確認出来る。気分も高揚してくる。僕の歌、変じゃないかな?
『ヒュー。流石、治癒能力を持っているだけあるよ。上手いよ!!』
どうやら上手くやれていたらしい。アポロンに褒められた。
「ちゃんと使えるみたい。これで期待を裏切らずに済む。」
『まぁ。期待させたのは何処でもない俺なんだけどね!後、グレイシアは気にしていないみたいだけど、独り言のように聞こえるからそこは気にしてね?』
そこは気にしているつもりなんだけどなぁ。どうしても会話が一方通行になっちゃうんだよね。
まぁ。動けるようになったし、ディリジェンス草を採取しよう。
☆☆☆☆
【鑑定】スキルでディリジェンス草を見繕うと10セット採取したところで街にテレポートする。勿論、人目を避けてね。そして、ギルドに向かう。
受付嬢にクエスト完了の報告がてらディリジェンス草を見せると、すぐに買い取ってくれた。
「相変わらずシアさんは仕事が速いですね。状態も良いですし。」
「そうかなぁ?これくらい普通だよ。」
「それを‟普通”と言えるのが、またすごいんですよ!!」
受付嬢は興奮を抑えきれないようである。・・・まだ、僕には受付嬢を驚かせるようなものを持っている。多分ね。僕は顔をにやつくのを抑えきれない。そこを受付嬢は察したのか、僕に聞いてくる。
「シアさん。実はまだ隠している事があるんじゃないですか!?どうですか!!」
ギクッ。
隠している事は色々とあるけれど、これは魔物討伐の事を言えば、良いんだよね?他はバレていないよね?大丈夫だよね?
不安になるも、今一度気を落ち着かせる為に、深呼吸をする。そして、僕はアイテムボックスから魔石を取り出して、受付嬢に渡す事にした。
「そ、そうだなぁ・・・。ディリジェンス草を採取する最中に魔物を討伐してきたんだ。・・・それで、この魔石を落としたから、買い取ってくれる?」
「え?・・・こ、これって・・・!?一体何をすれば、こんなにバカでかい魔石を持つ魔物に出くわすんですか!?そして、それを討伐したと!?」
え?それって、どういう事だろう?確かに、持ち運びには向かないくらい大きな魔石だけど。まぁ、魔石なんだけど、岩って言った方が早いけれども。疑問に思ったので、少し聞いてみる事にした。
「・・・リオネットドラゴンってそんなにすごいやつなの?」
そう言うと、吹き出す受付嬢。すぐにギルドマスターを呼びに行ってしまった。しばらくして、ギルドマスターが来ると取り出した魔石をじろじろと見る。そして、ギルドマスターは深くため息をついた。
「お前さんは、相変わらず大した事ない顔してとんでもないもん倒してくるなぁ。流石に、たかが4、5年でSSランクにまで上り詰めるだけあるわ。」
えっとぉ、まぁとんでもない事したって事だけは流石に、分かるな。でも、アポロンだってこういう事しているでしょ?ギルドマスターの顔がどこか明後日の方向を向いているのは多分、僕の気のせいではないはず。誰か、僕に事情を説明してほしい。
アポロンの記憶では、魔法で対処していた。だったら、僕も同じ手段を選ぶ。アポロンだって僕の一部。もう一人の僕が魔物を討伐に失敗した事がない。ならば、身体を共有している以上僕に討伐出来ない訳がない!
リオネットドラゴンが目の前に現れたのを確認すると、僕は息を思いっきり吸い込む。そして、大声で叫ぶ。
「世界の終焉!!」
リオネットドラゴンは僕の放った魔法の影響で見事に地面に押し潰される。そして、リオネットドラゴンは大きな魔石を落とし、姿を消した。僕は魔石を拾い、アイテムボックスにしまう。そして、大きく手を上げた。
「やった!!魔物を退治出来た!」
喜びを感じたが、身体がふらつく。
『あー。魔力を使いすぎたね!グレイシアが極大魔法を使うから。俺でもこんな大規模魔法使わないよ!?でも、初魔物退治おめでとう。』
これが、魔力切れか・・・。気分悪いけれど、やってやったって感じでなんか気持ちいい感じ?いや、変態とかじゃないよ。いや、断じて。
これって時間経過で回復するはず。しばらく待とうか。
『歌えば?治癒能力って自分も回復するはずだよね?』
えっ?歌うの?それはなんか恥ずかしいなぁ。それに治癒能力を己の私欲の為に使うなんてもってのほか。僕が使うのは烏滸がましいよ!!
『でも、もしこの能力で人を助けたいなら、ちゃんと使えるか確かめないと。人々の期待を裏切る事になるよ?』
うっ・・・!アポロンは嫌なところを突くなぁ!!確かに、教会で働いている人達に、期待されているのに、幻滅はされたくないなぁ!
分かったよ。歌ってみる。だから、アポロンちゃんと聞いててね?
♪~♪♪
そうすると、力が湧き起こるのが身をもって確認出来る。気分も高揚してくる。僕の歌、変じゃないかな?
『ヒュー。流石、治癒能力を持っているだけあるよ。上手いよ!!』
どうやら上手くやれていたらしい。アポロンに褒められた。
「ちゃんと使えるみたい。これで期待を裏切らずに済む。」
『まぁ。期待させたのは何処でもない俺なんだけどね!後、グレイシアは気にしていないみたいだけど、独り言のように聞こえるからそこは気にしてね?』
そこは気にしているつもりなんだけどなぁ。どうしても会話が一方通行になっちゃうんだよね。
まぁ。動けるようになったし、ディリジェンス草を採取しよう。
☆☆☆☆
【鑑定】スキルでディリジェンス草を見繕うと10セット採取したところで街にテレポートする。勿論、人目を避けてね。そして、ギルドに向かう。
受付嬢にクエスト完了の報告がてらディリジェンス草を見せると、すぐに買い取ってくれた。
「相変わらずシアさんは仕事が速いですね。状態も良いですし。」
「そうかなぁ?これくらい普通だよ。」
「それを‟普通”と言えるのが、またすごいんですよ!!」
受付嬢は興奮を抑えきれないようである。・・・まだ、僕には受付嬢を驚かせるようなものを持っている。多分ね。僕は顔をにやつくのを抑えきれない。そこを受付嬢は察したのか、僕に聞いてくる。
「シアさん。実はまだ隠している事があるんじゃないですか!?どうですか!!」
ギクッ。
隠している事は色々とあるけれど、これは魔物討伐の事を言えば、良いんだよね?他はバレていないよね?大丈夫だよね?
不安になるも、今一度気を落ち着かせる為に、深呼吸をする。そして、僕はアイテムボックスから魔石を取り出して、受付嬢に渡す事にした。
「そ、そうだなぁ・・・。ディリジェンス草を採取する最中に魔物を討伐してきたんだ。・・・それで、この魔石を落としたから、買い取ってくれる?」
「え?・・・こ、これって・・・!?一体何をすれば、こんなにバカでかい魔石を持つ魔物に出くわすんですか!?そして、それを討伐したと!?」
え?それって、どういう事だろう?確かに、持ち運びには向かないくらい大きな魔石だけど。まぁ、魔石なんだけど、岩って言った方が早いけれども。疑問に思ったので、少し聞いてみる事にした。
「・・・リオネットドラゴンってそんなにすごいやつなの?」
そう言うと、吹き出す受付嬢。すぐにギルドマスターを呼びに行ってしまった。しばらくして、ギルドマスターが来ると取り出した魔石をじろじろと見る。そして、ギルドマスターは深くため息をついた。
「お前さんは、相変わらず大した事ない顔してとんでもないもん倒してくるなぁ。流石に、たかが4、5年でSSランクにまで上り詰めるだけあるわ。」
えっとぉ、まぁとんでもない事したって事だけは流石に、分かるな。でも、アポロンだってこういう事しているでしょ?ギルドマスターの顔がどこか明後日の方向を向いているのは多分、僕の気のせいではないはず。誰か、僕に事情を説明してほしい。
10
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる