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グレイシアが自分がしでかした事の大きさに驚いている間に、身体の主導権を奪った。ギルドマスターから魔石の買い取り価格を受け取ると俺は鼻歌を歌いながら、ギルドを出ていったのであった。
・
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いやぁ、たんまりと頂きました。これなら、盛大にグレイシアの誕生日をお祝い出来るね。そう、思い商店街にて今晩の夕食のメニューを考えていると、俺の進行方向の反対側からフードを被った5歳位の子供がやってきて、俺とぶつかりそうになった。でも、直前で躱した。
だがしかし、なんとなくその子供の事が気になったので、尾行してみる事にした。
・
・
・
フード付きのマントを着ている子供は街の外に出ると、街の外にあり、少しだけ歩くところに湖に赴いたのだ。そうすると、近くにあった岩に座り込むと一呼吸を入れる。
「んー!!やっぱりここは落ち着くなぁ!!」
この子供は休みに来ただけだったのだ。でも、今日に限って街を出るっておかしい気がする。街はアディエル王子の誕生日をお祝いする雰囲気が高まっているにも関わらずね?そして、最悪な事に怪しい気配が後方からする。
そして、気配を消している俺の目の前を通り過ぎると、その怪しい気配を纏っている男達は子供に襲い掛かっていったのだ。
「ふぐぅ!?」
子供の悲鳴が聞こえると、俺は子供をつかんでいる奴らを遠距離操作の魔法で攻撃する。
「オーバー・グラヴィティ!!」
ちなみに、土属性の魔法である。過度な重力をかけて、敵を地にひれ伏させる。俺は魔法が効いているのを確認するとともに子供の様子を見ていた。子供の顔は恐怖でいっぱいのようだった。
俺は子供を捕まえようとしていた連中を捕縛魔法で捕縛すると、子供に尋ねる。
「・・・こいつら、君の知り合い?」
子供はふるふると首を横に振る。・・・あぁ、よく見ればこいつら、ギルドのお尋ね者の張り紙に描かれている連中だなぁとふと思った。
「まぁ、こんなお尋ね者達と知り合いだったら、君も遠慮なく警吏に突き出しているところだけどね。」
「・・・その人達、お尋ね者なんですか?」
子供は俺の顔をじっと見つめて尋ねる。子供は・・・どうやら少年のようだった。しかも、どこか見覚えのある感じ。どこで見たんだっけ?でも、質問には答えないとな。
「うん。ギルドの一角にお尋ね者の張り紙にこいつらが載っているよ。こいつらは俺が警吏に突き出してくるから君はさっさと帰った方がいいよ。」
少年はじっとこちらを見てくる。そして、口を開いた。
「一緒についていってもいいですか?」
・・・?それはいいけれど、どこかで会った気がする。どこなんだろうね?目線が合わないから、どうにも言えない。
「まぁ、いいけど。でも、早く家に帰った方がいいよ。どこで怪しい動きをしているかなんて、分からないから。」
「ありがとうございます。」
そう言えば、目線が合わないから、違和感が払拭出来ないんだよね。せめて、瞳でもみれば、正体が分かったりするのかな。俺は興味ないのを装って風を発生させ・・・ようとしたけど、グレイシアが嫌がりそうな感じがしたので却下した。
捕縛魔法で連中を街まで、王都まで連れ帰ると警吏に突き出した。
「シアさん。お疲れ様です。せっかくのめでたい日だと言うのに、罪人を捕まえてしまうんですから。かっこいいですよねぇ。‟疾風迅雷のシア”の名も伊達じゃないって事ですね。」
「へぇ・・・。二つ名がついているんですね。カッコイイです。」
少年はこんな時でもフードを強く握りしめている。つまりは、よほど姿は人目につく存在と言う事なのだろう。そんな人、多くはいないはずだよねぇ?
それを確認するのは今じゃないよね。
・
・
・
少年を街の、比較的人気のない場所まで案内すると、少年はお礼を言った。
「ここまで連れてきてもらい、ありがとうございます。」
俺は核心をつく言葉を選ぶ。
「・・・ここにしたのは、ちょっとはっきりとさせたい事があったから。そうでしょ、アディエル王子。」
「!?」
それ以上の言葉はアディエル王子からは発せられなかった。でも、その態度で分かる。君はアディエル王子なんでしょ?
「まぁ、ただの勘だけどね。でも、これ以上詮索しない。俺だって、隠したい事はあるからな。それに、仮にも王子相手にこんな態度許されるはずがない。・・・だから、今度は変な奴に捕まらないでね?じゃあね。」
後ろを振り返らずに、さよならした。今日は、グレイシアの誕生日なんだ。俺がなんか、祝ってあげたい。祝ってくれる人なんてそうはいないんだから。
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いやぁ、たんまりと頂きました。これなら、盛大にグレイシアの誕生日をお祝い出来るね。そう、思い商店街にて今晩の夕食のメニューを考えていると、俺の進行方向の反対側からフードを被った5歳位の子供がやってきて、俺とぶつかりそうになった。でも、直前で躱した。
だがしかし、なんとなくその子供の事が気になったので、尾行してみる事にした。
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フード付きのマントを着ている子供は街の外に出ると、街の外にあり、少しだけ歩くところに湖に赴いたのだ。そうすると、近くにあった岩に座り込むと一呼吸を入れる。
「んー!!やっぱりここは落ち着くなぁ!!」
この子供は休みに来ただけだったのだ。でも、今日に限って街を出るっておかしい気がする。街はアディエル王子の誕生日をお祝いする雰囲気が高まっているにも関わらずね?そして、最悪な事に怪しい気配が後方からする。
そして、気配を消している俺の目の前を通り過ぎると、その怪しい気配を纏っている男達は子供に襲い掛かっていったのだ。
「ふぐぅ!?」
子供の悲鳴が聞こえると、俺は子供をつかんでいる奴らを遠距離操作の魔法で攻撃する。
「オーバー・グラヴィティ!!」
ちなみに、土属性の魔法である。過度な重力をかけて、敵を地にひれ伏させる。俺は魔法が効いているのを確認するとともに子供の様子を見ていた。子供の顔は恐怖でいっぱいのようだった。
俺は子供を捕まえようとしていた連中を捕縛魔法で捕縛すると、子供に尋ねる。
「・・・こいつら、君の知り合い?」
子供はふるふると首を横に振る。・・・あぁ、よく見ればこいつら、ギルドのお尋ね者の張り紙に描かれている連中だなぁとふと思った。
「まぁ、こんなお尋ね者達と知り合いだったら、君も遠慮なく警吏に突き出しているところだけどね。」
「・・・その人達、お尋ね者なんですか?」
子供は俺の顔をじっと見つめて尋ねる。子供は・・・どうやら少年のようだった。しかも、どこか見覚えのある感じ。どこで見たんだっけ?でも、質問には答えないとな。
「うん。ギルドの一角にお尋ね者の張り紙にこいつらが載っているよ。こいつらは俺が警吏に突き出してくるから君はさっさと帰った方がいいよ。」
少年はじっとこちらを見てくる。そして、口を開いた。
「一緒についていってもいいですか?」
・・・?それはいいけれど、どこかで会った気がする。どこなんだろうね?目線が合わないから、どうにも言えない。
「まぁ、いいけど。でも、早く家に帰った方がいいよ。どこで怪しい動きをしているかなんて、分からないから。」
「ありがとうございます。」
そう言えば、目線が合わないから、違和感が払拭出来ないんだよね。せめて、瞳でもみれば、正体が分かったりするのかな。俺は興味ないのを装って風を発生させ・・・ようとしたけど、グレイシアが嫌がりそうな感じがしたので却下した。
捕縛魔法で連中を街まで、王都まで連れ帰ると警吏に突き出した。
「シアさん。お疲れ様です。せっかくのめでたい日だと言うのに、罪人を捕まえてしまうんですから。かっこいいですよねぇ。‟疾風迅雷のシア”の名も伊達じゃないって事ですね。」
「へぇ・・・。二つ名がついているんですね。カッコイイです。」
少年はこんな時でもフードを強く握りしめている。つまりは、よほど姿は人目につく存在と言う事なのだろう。そんな人、多くはいないはずだよねぇ?
それを確認するのは今じゃないよね。
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少年を街の、比較的人気のない場所まで案内すると、少年はお礼を言った。
「ここまで連れてきてもらい、ありがとうございます。」
俺は核心をつく言葉を選ぶ。
「・・・ここにしたのは、ちょっとはっきりとさせたい事があったから。そうでしょ、アディエル王子。」
「!?」
それ以上の言葉はアディエル王子からは発せられなかった。でも、その態度で分かる。君はアディエル王子なんでしょ?
「まぁ、ただの勘だけどね。でも、これ以上詮索しない。俺だって、隠したい事はあるからな。それに、仮にも王子相手にこんな態度許されるはずがない。・・・だから、今度は変な奴に捕まらないでね?じゃあね。」
後ろを振り返らずに、さよならした。今日は、グレイシアの誕生日なんだ。俺がなんか、祝ってあげたい。祝ってくれる人なんてそうはいないんだから。
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