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グレイシアはきっと国王陛下と王妃様の病を治す気だ。まぁ、それも一興か。グレイシアがやりたいと思う事はやらせてあげなきゃ。正直、気は乗らないけど。
「ところで、シアにもついてきてもらえないか?」
「丁重にお断りします。」
グレイシアはバッサリと言い切った。
「僕はこれから、用があるので、失礼しますね。」
グレイシアは丁寧な口調で、断りを入れると、さっさとその場を立ち去ったのである。そして、自宅の『嘆きの塔』までテレポートする。そこまで、行けばアディエル王子が来ると踏んで。グレイシアは『神の愛し子・グレイシア』の時の衣装で、素の姿で一階にて、待った。
正直に言うと、この建物にはとある魔法をかけたんだけど、グレイシアは知らないようだ。
その魔法とは闇魔法で、この『嘆きの塔』の入り口から入ると、一定の時間の経過で入り口から外に出てしまう。ただし、よほどの意志があれば、その魔法も利かなくなる。さて、どこまでの意志を持ってやってくるかな?
☆☆☆☆
「な、何故だ・・・!何故、第二王子の元まで行けぬ。まるで、闇がかかったみたいだ・・・!」
「こ、ここに第二王子様が・・・グレイシア様がいらっしゃるのですね。」
その様子を見ていたグレイシアは疑問符を浮かべる。
「な、何で?何故、二人と会えないの?こうして、顔を合わせているっていうのに、入り口に向かってしまうの?」
『それは、闇魔法で、外敵を追い出す魔法がかかっているからさ。でも、信じてあげて下さいな。強い意志があれば、この魔法を打ち破る事が出来ます。』
「何で、そんな魔法がかかっているのさ。」
『そりゃあ、この建物が壊されぬようにと幽霊騒ぎを起こす為ですが?』
グレイシアはため息をついた。
「はぁ・・・でも、強い意志があれば、解けるって事はそれだけ、アディエル王子が強く国王陛下と王妃様を助けたいと願っているって事だね。治してあげなきゃ。」
☆☆☆☆
「僕は、第二王子に会いたいんだ!!どうしても会わなければならない理由があるんだ!!」
スッと光が瞬いたように、魔法が効力を果たさなくなる。そして、アディエル王子の目の前に、グレイシアが立っていた。
「グレイシア様!本物のグレイシア様だ!!」
そう、ルークは言った。ルークは『神の愛し子・グレイシア』がこの衣装でいる事を知っているのだ。
「貴方が、『神の愛し子・グレイシア』か?でも、このような場所にいるという事は、第二王子って事だな?」
「我が名はグレイシア。神に仕える者。何の用でしょうか?」
グレイシアは緊張しているようである。口調がものすごく、固い。アディエル王子は興奮が次第に高まって熱せられる様子。
「第二王子!・・・いや、グレイシアに頼みがある!!国王陛下を、父上を救って欲しい!!」
アディエル王子は頭を深く下げる。その姿に、戸惑いを感じているグレイシア。でも、平静を装っているけど。
「あ、貴方の父上を・・・?」
いや、グレイシアの父親でもあるんだって。
「頼む!!」
「・・・分かりました。私の力で、助けられる命があるというのであれば・・・私は貴方に付き従います。どうか、貴方の父君の元へ連れていって下さい。」
アディエル王子は体中が笑いに溢れる。
「そっか、やってくれるか!!ありがとう。」
「礼を言うのはまだですよ。まだ、誰も治しておりません。」
☆☆☆☆
そして、アディエル王子の先導で案内された部屋にいたのが、国王陛下のいる部屋。部屋は人でごった返しである。ちなみに、ルークも恐れ多くもここまで案内された。悪いね、ここまで来てくれちゃって。メイドや近衛騎士の人はグレイシアの姿を見て、驚きの声をあげている。アディエル王子は短く、『第二王子だ。』と説明している。
「これは・・・?とても、酷い状態ですね・・・。」
グレイシアが呟く。それもそのはず、国王陛下は昏睡状態で意識がないからである。よく、生きていられるなと言いたくなる光景である。正直、一週間も放置したのが仇となったようである。
グレイシアは深く息を吸い、呼吸を整える。そして、歌を歌いだすのであった。
「ところで、シアにもついてきてもらえないか?」
「丁重にお断りします。」
グレイシアはバッサリと言い切った。
「僕はこれから、用があるので、失礼しますね。」
グレイシアは丁寧な口調で、断りを入れると、さっさとその場を立ち去ったのである。そして、自宅の『嘆きの塔』までテレポートする。そこまで、行けばアディエル王子が来ると踏んで。グレイシアは『神の愛し子・グレイシア』の時の衣装で、素の姿で一階にて、待った。
正直に言うと、この建物にはとある魔法をかけたんだけど、グレイシアは知らないようだ。
その魔法とは闇魔法で、この『嘆きの塔』の入り口から入ると、一定の時間の経過で入り口から外に出てしまう。ただし、よほどの意志があれば、その魔法も利かなくなる。さて、どこまでの意志を持ってやってくるかな?
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「な、何故だ・・・!何故、第二王子の元まで行けぬ。まるで、闇がかかったみたいだ・・・!」
「こ、ここに第二王子様が・・・グレイシア様がいらっしゃるのですね。」
その様子を見ていたグレイシアは疑問符を浮かべる。
「な、何で?何故、二人と会えないの?こうして、顔を合わせているっていうのに、入り口に向かってしまうの?」
『それは、闇魔法で、外敵を追い出す魔法がかかっているからさ。でも、信じてあげて下さいな。強い意志があれば、この魔法を打ち破る事が出来ます。』
「何で、そんな魔法がかかっているのさ。」
『そりゃあ、この建物が壊されぬようにと幽霊騒ぎを起こす為ですが?』
グレイシアはため息をついた。
「はぁ・・・でも、強い意志があれば、解けるって事はそれだけ、アディエル王子が強く国王陛下と王妃様を助けたいと願っているって事だね。治してあげなきゃ。」
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「僕は、第二王子に会いたいんだ!!どうしても会わなければならない理由があるんだ!!」
スッと光が瞬いたように、魔法が効力を果たさなくなる。そして、アディエル王子の目の前に、グレイシアが立っていた。
「グレイシア様!本物のグレイシア様だ!!」
そう、ルークは言った。ルークは『神の愛し子・グレイシア』がこの衣装でいる事を知っているのだ。
「貴方が、『神の愛し子・グレイシア』か?でも、このような場所にいるという事は、第二王子って事だな?」
「我が名はグレイシア。神に仕える者。何の用でしょうか?」
グレイシアは緊張しているようである。口調がものすごく、固い。アディエル王子は興奮が次第に高まって熱せられる様子。
「第二王子!・・・いや、グレイシアに頼みがある!!国王陛下を、父上を救って欲しい!!」
アディエル王子は頭を深く下げる。その姿に、戸惑いを感じているグレイシア。でも、平静を装っているけど。
「あ、貴方の父上を・・・?」
いや、グレイシアの父親でもあるんだって。
「頼む!!」
「・・・分かりました。私の力で、助けられる命があるというのであれば・・・私は貴方に付き従います。どうか、貴方の父君の元へ連れていって下さい。」
アディエル王子は体中が笑いに溢れる。
「そっか、やってくれるか!!ありがとう。」
「礼を言うのはまだですよ。まだ、誰も治しておりません。」
☆☆☆☆
そして、アディエル王子の先導で案内された部屋にいたのが、国王陛下のいる部屋。部屋は人でごった返しである。ちなみに、ルークも恐れ多くもここまで案内された。悪いね、ここまで来てくれちゃって。メイドや近衛騎士の人はグレイシアの姿を見て、驚きの声をあげている。アディエル王子は短く、『第二王子だ。』と説明している。
「これは・・・?とても、酷い状態ですね・・・。」
グレイシアが呟く。それもそのはず、国王陛下は昏睡状態で意識がないからである。よく、生きていられるなと言いたくなる光景である。正直、一週間も放置したのが仇となったようである。
グレイシアは深く息を吸い、呼吸を整える。そして、歌を歌いだすのであった。
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