15 / 34
14.元凶は戦う前に判明する。
しおりを挟む“黒狼”も少々頭を抱えている。頭痛の種だわ!メイディスは何故か安堵している気がする。その訳とは。
「“黒狼”さんと“朧月”がいて、心強いです。」
「俺達には頭痛の種だけどね!何で、こんなグループ分けになったのですか?」
“黒狼”が顔をしかめながら、答える。
「メイディスに関しては、俺のせいだわ。身分をあまり気にしない為に、王子の護衛役にさせられたわ。こっちの新人は知らん。」
結局は身分かよ!?こっちはただですら、傷つけてはいけないレベルの身分の人がいるのに、さらに増えるなんて!!そして、何度も言うが、現場には来た事ないなら、新人じゃないか!
そんな思いもつゆ知らず。ライトと言う少年が一番やる気に満ちている。
「こ、“黒狼”さんと一緒に仕事出来るなんて、光栄であります!憧れの二大暴れ狼さんと仕事できるなんて、本当に嬉しいです!ここに、ワーウルフさんがいたら、さらにやる気が出るのに。」
・・・いや?いるんだけどね!今日は“朧月”として来ているんだよ!!そして、憧れの人がいないとやる気が出んのかい!!仕事は来たからにはちゃんとやろうよ!
メイディスはこちらを見る。いや、見なくていいよ!!そして、”有明月”さんに関しては、メンツを見ただけで、ショックを受けないで!!気持ちは分かるけれどね!!
「は、破滅フラグが・・・!」
「確かに、破滅フラグは怖いかもしれないけど、このメンツじゃそもそも明日生きていけるか、分からないレベルだよ!?」
「そうなの!?・・・ですか?」
・・・そうだ。”黒狼”がいる時点で、俺達は確実に前線へと赴かなければならない。”黒狼”は闇魔法を保有している為、魔の気配を察知しやすい。その為に、こういう事には前線で活躍する機会が多く、かなり評価されている。そして、”黒狼”自身、一種の戦闘狂だからな。前線に出ない訳がない。これもまた頭痛の種だわ。あ、この世界では闇魔法が禁忌とかそういうのはないからな。寧ろ、重宝されるぐらい。
「つーか、さっきから”黒狼”、”黒狼”うるせぇぇぇぇ!!俺はな!ヴォルフって名があんだよ!こっぱずかしいからやめろ!!」
”黒狼”ことヴォルフが激怒した。これは、これからは、ヴォルフって呼ばないとな。まぁ、心の中では呼び名で呼ぶけどね♪
メイディスは俺の発言が気になるようだ。
「今の言葉ってどういう事ですか?」
「こく・・・ヴォルフは闇魔法を保有している。それは、魔物の気配を察知するのには、うってつけの属性魔法。しかも、今回の任務は魔物襲撃ときて、原因がもし、本来の棲み処にいるべき魔物が棲み処から追い出された場合、強い魔物が追い出している元凶がいるって事になるのだけど、こいつを察知するのは大の得意。・・・俺達は前線に出ない訳がないんだよ。寧ろ、元凶と闘う可能性が非常に高い!!」
”黒狼”を除く一同が言葉を失う。しかも、”有明月”さんはある事に気が付き、俺に軽く耳打ちする。
「・・・これって、”黒狼”さんの左目が見えなくなるイベントじゃないですか?・・・確か、み・・・?ミノムシ?それと戦って、左目を失うのではありませんでした?確か、あれって”黒狼”さんが13歳の時の出来事ですよね?」
あ、確かに、そういうイベントがあったようなー・・・。俺、初のゲームデビューだから、ゲームは一通りやっている。別の人のルートだが、言われて俺は思い出した!!あれってー・・・!
「元凶って、ミノタウロスじゃねーか!!確か、シュアラーゼ遺跡の奥地ににデカい奴がいたって話だったじゃんかー!!」
俺は地面に手をつき、力いっぱいに叫ぶ。オーマイゴッド!!ミノタウロスと言えば、最強クラスの魔物で、しかも、シュアラーゼ遺跡の奥地に闇属性の魔鉱石があって、それを糧にしたために本当に類を見ない最強クラスの魔物に成長したって話だったじゃんかー!!何で、そんな恐ろしいもんと戦わなくちゃいけないの!?このメンツでよ!?本当に死ぬわー!!?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる