CV.=俺!?な悪役ヒーロー~俺は悪役ヒーローにはなりません!!~

水魔沙希

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14.元凶は戦う前に判明する。

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“黒狼”も少々頭を抱えている。頭痛の種だわ!メイディスは何故か安堵している気がする。その訳とは。


「“黒狼”さんと“朧月”がいて、心強いです。」

「俺達には頭痛の種だけどね!何で、こんなグループ分けになったのですか?」


“黒狼”が顔をしかめながら、答える。


「メイディスに関しては、俺のせいだわ。身分をあまり気にしない為に、王子の護衛役にさせられたわ。こっちの新人は知らん。」


結局は身分かよ!?こっちはただですら、傷つけてはいけないレベルの身分の人がいるのに、さらに増えるなんて!!そして、何度も言うが、現場には来た事ないなら、新人じゃないか!



そんな思いもつゆ知らず。ライトと言う少年が一番やる気に満ちている。


「こ、“黒狼”さんと一緒に仕事出来るなんて、光栄であります!憧れの二大暴れ狼さんと仕事できるなんて、本当に嬉しいです!ここに、ワーウルフさんがいたら、さらにやる気が出るのに。」



・・・いや?いるんだけどね!今日は“朧月”として来ているんだよ!!そして、憧れの人がいないとやる気が出んのかい!!仕事は来たからにはちゃんとやろうよ!


メイディスはこちらを見る。いや、見なくていいよ!!そして、”有明月”さんに関しては、メンツを見ただけで、ショックを受けないで!!気持ちは分かるけれどね!!


「は、破滅フラグが・・・!」

「確かに、破滅フラグは怖いかもしれないけど、このメンツじゃそもそも明日生きていけるか、分からないレベルだよ!?」

「そうなの!?・・・ですか?」



・・・そうだ。”黒狼”がいる時点で、俺達は確実に前線へと赴かなければならない。”黒狼”は闇魔法を保有している為、魔の気配を察知しやすい。その為に、こういう事には前線で活躍する機会が多く、かなり評価されている。そして、”黒狼”自身、一種の戦闘狂だからな。前線に出ない訳がない。これもまた頭痛の種だわ。あ、この世界では闇魔法が禁忌とかそういうのはないからな。寧ろ、重宝されるぐらい。


「つーか、さっきから”黒狼”、”黒狼”うるせぇぇぇぇ!!俺はな!ヴォルフって名があんだよ!こっぱずかしいからやめろ!!」


”黒狼”ことヴォルフが激怒した。これは、これからは、ヴォルフって呼ばないとな。まぁ、心の中では呼び名で呼ぶけどね♪


メイディスは俺の発言が気になるようだ。


「今の言葉ってどういう事ですか?」

「こく・・・ヴォルフは闇魔法を保有している。それは、魔物の気配を察知するのには、うってつけの属性魔法。しかも、今回の任務は魔物襲撃ときて、原因がもし、本来の棲み処にいるべき魔物が棲み処から追い出された場合、強い魔物が追い出している元凶がいるって事になるのだけど、こいつを察知するのは大の得意。・・・俺達は前線に出ない訳がないんだよ。寧ろ、元凶と闘う可能性が非常に高い!!」


”黒狼”を除く一同が言葉を失う。しかも、”有明月”さんはある事に気が付き、俺に軽く耳打ちする。


「・・・これって、”黒狼”さんの左目が見えなくなるイベントじゃないですか?・・・確か、み・・・?ミノムシ?それと戦って、左目を失うのではありませんでした?確か、あれって”黒狼”さんが13歳の時の出来事ですよね?」


あ、確かに、そういうイベントがあったようなー・・・。俺、初のゲームデビューだから、ゲームは一通りやっている。別の人のルートだが、言われて俺は思い出した!!あれってー・・・!


「元凶って、ミノタウロスじゃねーか!!確か、シュアラーゼ遺跡の奥地ににデカい奴がいたって話だったじゃんかー!!」


俺は地面に手をつき、力いっぱいに叫ぶ。オーマイゴッド!!ミノタウロスと言えば、最強クラスの魔物で、しかも、シュアラーゼ遺跡の奥地に闇属性の魔鉱石があって、それを糧にしたために本当に類を見ない最強クラスの魔物に成長したって話だったじゃんかー!!何で、そんな恐ろしいもんと戦わなくちゃいけないの!?このメンツでよ!?本当に死ぬわー!!?
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