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32.アキトの気苦労5。Side アキト
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「“蠱毒”・・・はこの時代に横行もしていますよね?」
ハルディーン第五王子はグレイシア王子に問う。グレイシア王子も同意する。
「えぇ、そうですね。確かに、“蠱毒”も横行していますが、それが何か?」
「いえ、こちらの問題です。お気になさらず。“黒魔法”を使う連中をどうにかする方法を考えましょう。そうしなければ、こちらの要求を聞いてくださらないのでしょう?」
「でも、“蠱毒”も“黒魔法”の一種ですよ?」
・・・!?なんと、“蠱毒”って黒魔法だったのか!?それが、横行していると言う事は、“蠱毒”自体はこの時代に行われたものなのか!?それが、何故未来で問題になっているのか?それが、重要なポイントだな。
「まぁ、貴方の事でしょうから、犯人の心当たりがあるのでしょう?」
「リリアンと共に調査した結果、判明しましたが、どうやら、グループでの犯行で、全員を一気に捕まえなければ、問題は解決されないのです。その為に、私達の影武者として、その人達を捕まえてはくれませんか?」
“黒狼”はやっと、口を開く。
「どうして、私達が?貴方からしたら、得体の知れない人物ではありませんか?」
グレイシア王子は笑顔で答える。・・・けれども、笑顔が若干怖い気がするのは俺の気のせいなのだろうか?
「それは、貴方達には私を謀る理由はないでしょう?寧ろ、私の手助けが欲しいと思っている。犯人グループを潰すにはもってこいの人材じゃないですか?」
手を合わせて、笑顔で自分達の子孫をこき使うとか、なんともサディスティックです。しかも、こちらが上手に出られないからとメリットを最大限に活用する。なんとも、したたかな王子である。
△△△△
犯人はどうやら、宰相らしい。そいつが、グルになって、各地で問題を発生させて、王子の信頼を下げているらしい。それが、“蠱毒”を利用した出来事だとか。ここで、“蠱毒”が出てくるのな。“黒魔法”って言うから、何の事かと思ったわ。どうやら、宰相以外は“黒魔法”を用いないらしく、“蠱毒”を見つけたら捕まえていいらしい。宰相はグレイシア王子が何とかするので、犯行に及ぶ、または犯行を報告したら、一斉に突撃するという作戦を聞かされました。
その日はグレイシア王子に部屋を用意されて、休む事になりました。・・・と言っても、ここは、未来では、学園寮になっているけどな。決行は翌日。グレイシア王子、決断力ありすぎる。明日には出動できるように体調管理しなくては。
“黒狼”から、呼ばれ男性陣は大広間に集まる。女性陣とは離れた部屋に案内されたのだ。これは、仕方ないだろう。“黒狼”は端を発する。
「まず、この時代に“蠱毒”が横行したものと考えていいな。何故、“蠱毒”の影響が今になって、出てくるのかが謎だが。」
ハルディーン第五王子は今でも元の姿です。きっと、元に戻るまでこの姿なのだろうな。ハルディーン第五王子は端的に答える。
「盗賊・アイフリードじゃないですか?」
そう言うと、ゼノンが反応する。
「あぁ、それは聞いた事がある。・・・です。」
「あ、俺、普段は仕事であんまり王族紋章継承魔法を使わないから、実力はそれ相応ですが、何か?」
“黒狼”はゼノンに声を掛ける。
「そいつって、どんな奴だ?」
ゼノンはハルディーン第五王子に遠慮して、中々言葉に出せない。まぁ、それが普通だよなぁ。まして、相手は王族紋章継承魔法の印があり、国王陛下並みの権力がある。恐縮するのも仕方ないだろう。だが、今はそれは置いておこうか。
「ゼノン。今はヒロトがハルディーン第五王子な事は置いておいて、情報を提供してくれない?」
一番、身分が低い俺が言えば、答えるでしょ。“黒狼”も辺境伯の息子だからな。身分は貴族です。
「・・・貴族の中で、リリアン時代の遺跡の宝物を裏で取引している・・・とかそういう噂を聞いた事があります。」
あっ、リリアン時代って、グレイシア王子の奥さんの名前の時代だったのね。まさかの、国王の名前の時代にはならなかったんですね。ハルディーン第五王子は文句を口にしながらも、同様な事を言う。
「そうそう。盗賊・アイフリードのせいで、俺が被害を被っているんだよな。何で、国民の間で、『亡くなったハルディーン第五王子の怨念だ!』とか言われなくちゃならんのよ。俺は生きているわ!!」
メイディス第四王子は、ハルディーン第五王子を慰める。
「まぁ、ハルディーンも落ち着いて。・・・にしても、歴史上の人物に会うとは思いもしませんでしたよ。とても聡明なお方ですね。」
ゼノンとライトはおずおずと質問する。
「「あの・・・“ワーウルフ”がハルディーン王子だと知っていたのですか?」」
「え?まぁ、ハルディーンが自ら僕に教えてくれましたし、アキトもその時、僕と一緒にいましたからね。知ってはいましたよ。それに、今回、何度も王族紋章継承魔法を使っていましたからね。」
俺は、完全に巻き込まれただけなんだが!!
ハルディーン第五王子はグレイシア王子に問う。グレイシア王子も同意する。
「えぇ、そうですね。確かに、“蠱毒”も横行していますが、それが何か?」
「いえ、こちらの問題です。お気になさらず。“黒魔法”を使う連中をどうにかする方法を考えましょう。そうしなければ、こちらの要求を聞いてくださらないのでしょう?」
「でも、“蠱毒”も“黒魔法”の一種ですよ?」
・・・!?なんと、“蠱毒”って黒魔法だったのか!?それが、横行していると言う事は、“蠱毒”自体はこの時代に行われたものなのか!?それが、何故未来で問題になっているのか?それが、重要なポイントだな。
「まぁ、貴方の事でしょうから、犯人の心当たりがあるのでしょう?」
「リリアンと共に調査した結果、判明しましたが、どうやら、グループでの犯行で、全員を一気に捕まえなければ、問題は解決されないのです。その為に、私達の影武者として、その人達を捕まえてはくれませんか?」
“黒狼”はやっと、口を開く。
「どうして、私達が?貴方からしたら、得体の知れない人物ではありませんか?」
グレイシア王子は笑顔で答える。・・・けれども、笑顔が若干怖い気がするのは俺の気のせいなのだろうか?
「それは、貴方達には私を謀る理由はないでしょう?寧ろ、私の手助けが欲しいと思っている。犯人グループを潰すにはもってこいの人材じゃないですか?」
手を合わせて、笑顔で自分達の子孫をこき使うとか、なんともサディスティックです。しかも、こちらが上手に出られないからとメリットを最大限に活用する。なんとも、したたかな王子である。
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犯人はどうやら、宰相らしい。そいつが、グルになって、各地で問題を発生させて、王子の信頼を下げているらしい。それが、“蠱毒”を利用した出来事だとか。ここで、“蠱毒”が出てくるのな。“黒魔法”って言うから、何の事かと思ったわ。どうやら、宰相以外は“黒魔法”を用いないらしく、“蠱毒”を見つけたら捕まえていいらしい。宰相はグレイシア王子が何とかするので、犯行に及ぶ、または犯行を報告したら、一斉に突撃するという作戦を聞かされました。
その日はグレイシア王子に部屋を用意されて、休む事になりました。・・・と言っても、ここは、未来では、学園寮になっているけどな。決行は翌日。グレイシア王子、決断力ありすぎる。明日には出動できるように体調管理しなくては。
“黒狼”から、呼ばれ男性陣は大広間に集まる。女性陣とは離れた部屋に案内されたのだ。これは、仕方ないだろう。“黒狼”は端を発する。
「まず、この時代に“蠱毒”が横行したものと考えていいな。何故、“蠱毒”の影響が今になって、出てくるのかが謎だが。」
ハルディーン第五王子は今でも元の姿です。きっと、元に戻るまでこの姿なのだろうな。ハルディーン第五王子は端的に答える。
「盗賊・アイフリードじゃないですか?」
そう言うと、ゼノンが反応する。
「あぁ、それは聞いた事がある。・・・です。」
「あ、俺、普段は仕事であんまり王族紋章継承魔法を使わないから、実力はそれ相応ですが、何か?」
“黒狼”はゼノンに声を掛ける。
「そいつって、どんな奴だ?」
ゼノンはハルディーン第五王子に遠慮して、中々言葉に出せない。まぁ、それが普通だよなぁ。まして、相手は王族紋章継承魔法の印があり、国王陛下並みの権力がある。恐縮するのも仕方ないだろう。だが、今はそれは置いておこうか。
「ゼノン。今はヒロトがハルディーン第五王子な事は置いておいて、情報を提供してくれない?」
一番、身分が低い俺が言えば、答えるでしょ。“黒狼”も辺境伯の息子だからな。身分は貴族です。
「・・・貴族の中で、リリアン時代の遺跡の宝物を裏で取引している・・・とかそういう噂を聞いた事があります。」
あっ、リリアン時代って、グレイシア王子の奥さんの名前の時代だったのね。まさかの、国王の名前の時代にはならなかったんですね。ハルディーン第五王子は文句を口にしながらも、同様な事を言う。
「そうそう。盗賊・アイフリードのせいで、俺が被害を被っているんだよな。何で、国民の間で、『亡くなったハルディーン第五王子の怨念だ!』とか言われなくちゃならんのよ。俺は生きているわ!!」
メイディス第四王子は、ハルディーン第五王子を慰める。
「まぁ、ハルディーンも落ち着いて。・・・にしても、歴史上の人物に会うとは思いもしませんでしたよ。とても聡明なお方ですね。」
ゼノンとライトはおずおずと質問する。
「「あの・・・“ワーウルフ”がハルディーン王子だと知っていたのですか?」」
「え?まぁ、ハルディーンが自ら僕に教えてくれましたし、アキトもその時、僕と一緒にいましたからね。知ってはいましたよ。それに、今回、何度も王族紋章継承魔法を使っていましたからね。」
俺は、完全に巻き込まれただけなんだが!!
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