34 / 76
1.幼少期
34.実兄、登場。
しおりを挟む
神崎悠生。それは、前世での私の実兄であり、享年19歳。大学生であった。あれは、一緒に学校に行く途中の出来事であった。暇だった兄と私の通う高校まで向かっている最中、私達は交差点で赤信号の為に待っていた私達。私は乙女ゲーム、SECRET LOVERS~私を取り巻く王子様達~の話を兄にしていた。
兄は嫌々聞いていたが、私は構わず熱心に話していた。その時、赤信号を無視してきた暴走車が私達を襲う。私達はその車に撥ね飛ばされて、この世から離れる事になったのである。仲が良かったと言えば、私達は仲がよかったのかもしれない。
そして、今目の前のいる少年。名を、これまたハルキ・コンフォートと言う。前世と同じ名前なんてきっと、神様の悪戯ね。
ハルキ・コンフォート。アルカディア王立魔法学園の生徒会長に就任する予定のキャラ。最高学年である。つまりは、2歳年上である。私達はゲームが始まる頃、1年であるがこのキャラは3年生であり、真面目でガリ勉タイプ・・・というか、どこぞの風紀委員みたいな勤勉さを持つキャラである。青髪で眼鏡をかけているのが特徴的。コンフォート公爵家の跡取りである。
悠生も高校では生徒会長だったもんね。成績も優秀で確かに、ピッタリな役柄なのかもしれない。私は乙女ゲームをするのに忙しかったけれど。
「遥。お前だったのか。お前はその役って悪役令嬢だよな?」
「ご明察ですわ。悪役令嬢、フローディア・フランソワーズですわ!!」
「うぇ・・・。お前のその口調、気持ち悪い」
本当に吐きそうにならないでくださいまし!私だって、好きでこの口調ではないのだわ!!
「あらぁ?失礼デショ。・・・確か、あなた他に婚約者がいるのではなくて?その人の元に向かわなくてもいいのかしら?」
「あっ、いっけね!また、連絡する。悪い!」
ハルキはこの場から去る。私は立ち上がる。・・・全く、レディーが倒れたら紳士的に手を差し伸べるのが常識ではなくて?それにしても、前世の私の実兄の登場か・・・。これは・・・厄介ですわね。果たして私を助けてくれる存在になるのかしら?でも、他に”転生者”がいるのは好都合だわ。それが、ましてや私の実兄なんて。あの人はストーリー通りには動かない人だもの。シナリオブレイクするにはちょうどいい人材。
・・・今回のお茶会では随分と収穫が大きかったですわね。陽気に自邸に戻りましたの。それから、数日後。本当にハルキは手紙をよこしてきた。内容はざっと『この世界はメンドクサイ。あと、俺はゲーム通りには動かないからな。ゲームの内容を詳しく教えてくれ。』だそうな。しかも、ご丁寧に”日本語”で書いてくださって、誰も内容が読めない。私以外はね。
本当にハルキは人使いが荒いのだから。なので、箇条書きでゲームの内容を書き綴った。勿論、”日本語”でね。私は書簡を送ると、ホッと一息。
そして、私はセイレーン侯爵家を詳しく調べる事にしたのであった。
兄は嫌々聞いていたが、私は構わず熱心に話していた。その時、赤信号を無視してきた暴走車が私達を襲う。私達はその車に撥ね飛ばされて、この世から離れる事になったのである。仲が良かったと言えば、私達は仲がよかったのかもしれない。
そして、今目の前のいる少年。名を、これまたハルキ・コンフォートと言う。前世と同じ名前なんてきっと、神様の悪戯ね。
ハルキ・コンフォート。アルカディア王立魔法学園の生徒会長に就任する予定のキャラ。最高学年である。つまりは、2歳年上である。私達はゲームが始まる頃、1年であるがこのキャラは3年生であり、真面目でガリ勉タイプ・・・というか、どこぞの風紀委員みたいな勤勉さを持つキャラである。青髪で眼鏡をかけているのが特徴的。コンフォート公爵家の跡取りである。
悠生も高校では生徒会長だったもんね。成績も優秀で確かに、ピッタリな役柄なのかもしれない。私は乙女ゲームをするのに忙しかったけれど。
「遥。お前だったのか。お前はその役って悪役令嬢だよな?」
「ご明察ですわ。悪役令嬢、フローディア・フランソワーズですわ!!」
「うぇ・・・。お前のその口調、気持ち悪い」
本当に吐きそうにならないでくださいまし!私だって、好きでこの口調ではないのだわ!!
「あらぁ?失礼デショ。・・・確か、あなた他に婚約者がいるのではなくて?その人の元に向かわなくてもいいのかしら?」
「あっ、いっけね!また、連絡する。悪い!」
ハルキはこの場から去る。私は立ち上がる。・・・全く、レディーが倒れたら紳士的に手を差し伸べるのが常識ではなくて?それにしても、前世の私の実兄の登場か・・・。これは・・・厄介ですわね。果たして私を助けてくれる存在になるのかしら?でも、他に”転生者”がいるのは好都合だわ。それが、ましてや私の実兄なんて。あの人はストーリー通りには動かない人だもの。シナリオブレイクするにはちょうどいい人材。
・・・今回のお茶会では随分と収穫が大きかったですわね。陽気に自邸に戻りましたの。それから、数日後。本当にハルキは手紙をよこしてきた。内容はざっと『この世界はメンドクサイ。あと、俺はゲーム通りには動かないからな。ゲームの内容を詳しく教えてくれ。』だそうな。しかも、ご丁寧に”日本語”で書いてくださって、誰も内容が読めない。私以外はね。
本当にハルキは人使いが荒いのだから。なので、箇条書きでゲームの内容を書き綴った。勿論、”日本語”でね。私は書簡を送ると、ホッと一息。
そして、私はセイレーン侯爵家を詳しく調べる事にしたのであった。
9
あなたにおすすめの小説
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる