氷の姫と炎の王子

アラセイトウ

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玉座

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「この、化け物が!」

「ふふふ、化け物ねぇ。僕は国を滅ぼしたのに過ぎないのですがねぇ。」

「1人で帝国を、この世界で1番強い国を滅ぼしたんだ!どう考えても化け物だろうが!」

「ねぇ、知っています?
そう言うのを負け犬の遠吠えと言うのですよ。
帝国が1番強いなんてもう、言えませんよねえ。
というか、彼女の国に攻めなければ1位の座を確保できていたのですがねえ。」

「お前、そんなに姫に求婚したのを恨んでいたのか!」

「当たり前でしょう?彼女は僕の婚約者ですからね。
僕に邪魔されたからと彼女を攫おうと強制的に彼女の国に攻め込まなけりばこんな風にならなくて済んだのですけどね。
貴方は相変わらず、阿呆ですねぇ。そんなこともわからないとは呆れて言葉も出ませんよ。」

彼は、炎の王子は玉座に座っていた。
彼が滅ぼした国の玉座に。
足元にはその国の皇太子が縄で縛られ頭を彼の足で踏まれていた。

その隣には既に息絶えた皇帝と皇妃が転がっている。
その他にも玉座の間には無数の死体と生きているが大怪我をしている者。
手足が無い者、軽症だが、血を流している者など。

彼は、彼女の国を攻めた帝国を滅ぼした。

たった、1年で。

そう、彼が旅人から彼女の噂を聞いてもう、いやまだたった1年しか経っていなかった。

帝国は、科学力の粋を集めた国だった。
魔法は押され、もう魔法は時代遅れだとされていた。
なのに、彼は炎の王子は自国の力を一切借りず自分の力だけで帝国を滅ぼした。いや、滅ぼしてしまったというべきなのだろう。

解放された彼の力は強くその土地は不毛の地となった。

炎がずっと燃え続ける土地となった。

彼の力を押さえこめるのは彼女だけなのに、だ。

彼女は未だ氷の壁の中嘆き続けている。

帝国から国を守るために。
その国が滅びたと知らずに。
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