復讐は甘く苦くじわじわと。

第１章 過去にはまだ希望が有って。

イチイ

それから1時間が経った頃だった。
彼女はなんとか泣き止んでくれた。
何故か、泣いている最中に

「ごめんなさい。」

とか、

「私のせいで」

などなど彼女が彼女自身を責める言葉を吐いた。

その度に胸が苦しくなって彼女の頭を撫でて強く抱きしめる。

本当にいったい何があったんだ？


「るっ、ルヴァン様。私、私、ごめんなさい。ごめんなさい。」

彼女が嗚咽を漏らしながらそう言って覚悟を決めたように

「ルヴァン様、ソレイユ様達が、死に、ました。」


………………………えっ？

「ラピスラズリ、どういうことなんだい？
冗談でも言って良い事と悪い事があると思うんだ。」

だって、信じたくなかった。
ソレイユが、僕の弟が死んだなんて。
何故かって昨日ラピスラズリに聞いた時は元気そうにしていたじゃあないか。
いつものように友達と恋人と笑っていたり遊んでいたりいたずらしていたり勉強していたり、していたんじゃあないのか？

彼女が首を静かに振った時私は悟ってしまった。
これは冗談でも嘘でもなく本当の事だと。


しかも、彼女はソレイユ達と言った。

他に誰が死んだんだ？
まさか、まさか、ね。

お願いだ外れてくれこんな予感は妄想は想像はしたくない。

それなのに！
理性が認めろと言ってくる。

私は彼女に意を決して聞く

「他に誰が死んだんだい？」

と傷ついている彼女に。
彼女は顔を伏せて

「ソレイユ様、シャーラ様
ミリカ様、クリヴィア様
それとカメル様です。」

確か、シャーラ嬢はソレイユの恋人でミリカ殿はソレイユの親友、クリヴィア殿もソレイユの友人だったはずだ。
何故、母上の名前が入っているのだろう？

母上は死んだのか？

嘘だろう。

私は、私はまだ、5歳の時から今まで一回しか話していないのに⁉︎

それも一言二言だけ。

ソレイユもそうだ、ソレイユともラピスラズリ経由で少し話しただけで。

こんな事ならもっと話しておけば良かった。
今更後悔する。


何故、何故なんだ。

どうして死んでしまったんだ？