上 下
6 / 7
第1章 過去にはまだ希望が有って。

ペチュニア

しおりを挟む




それからは、もう何もかもがうまくいかなくなっていった。

何かに飲み込まれる感じがする。

仕事をすると特に。

自分が冷酷になっている感じがして嫌になる。
私が私だと認識できなくなりそうで。

彼女とあっている時だけが休息の時間。

私が私で居られる時。

彼女に名前を呼んでもらえる時が私だと認識できる。

彼女が愛おしくて愛おしくてたまらない。

だけど最近どこか怪しい感じがする。

よくわからないけれど、勘が告げている。

何か大きな嵐が来ると。

それを止めるために内部工作をし始めたが、いきなり隣国へ向かうように言われた。

何故?

バレてはいない筈なのに。

まあ、良い。

これくらいのことは予想済み。

それ以上に心配なのは最近彼女が落ち込んでるというか、どこかおかしい。

どうかしたのか尋ねても儚く笑うだけ。

気になったが、問いただすのは帰って来てからにしようと隣国へ向かった。
しおりを挟む

処理中です...