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終章
終章 * 真夏の日々に添えて
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背中の皮をむきながら、これを書いている。
日本から帰ってきたのはたったの四日前なのに、こんなに早く剥けるものなのかとちょっとびっくりしている。細胞すごい。
帰国した翌朝、さっそくスーツを着ている自分にものすごい違和感を覚えた。昨日の今頃はオムレツを食べていたのに、なぜわたしは今スーツを着ているのだ、と。魂を半分グアムに置いてきてしまったのだと思った。
だけど職場に着き、お土産を配ったり仕事をしたりしているうちに、グアムに行った魂も体に戻ってきて、すっかり日常モードに切り替わってしまった。あんなにも綺麗な海を見ていた日々は嘘だったんじゃないかとすら思える。
嘘じゃない証拠は、たくさんの写真たちだった。それぞれが撮った写真を共有し、そういえばこんなこともあったな、と見返すのが今は楽しい。ひとつひとつを思い出しながら文章にするのも、とても楽しかった。旅行が終わってしまうのが悲しいだけじゃなかったのは、帰ったら文に残そうという楽しみがあったおかげだ。
家族を楽しませるための旅行を父が計画してくれたことも、母が相変わらず元気そうだったことも、全てをありがたく思う。一つ屋根の下で暮らしているわけではないけれど、顔をあわせれば今度は楽しかった思い出を共有できるだろう。それだけのことが宝物だ。
今頃、きっとみんなの皮も剥けているはずだ。日焼けした皮がすべて剥けたら、もう秋が来る。次にみんなが集まれるのは、いつだろうか。
日本から帰ってきたのはたったの四日前なのに、こんなに早く剥けるものなのかとちょっとびっくりしている。細胞すごい。
帰国した翌朝、さっそくスーツを着ている自分にものすごい違和感を覚えた。昨日の今頃はオムレツを食べていたのに、なぜわたしは今スーツを着ているのだ、と。魂を半分グアムに置いてきてしまったのだと思った。
だけど職場に着き、お土産を配ったり仕事をしたりしているうちに、グアムに行った魂も体に戻ってきて、すっかり日常モードに切り替わってしまった。あんなにも綺麗な海を見ていた日々は嘘だったんじゃないかとすら思える。
嘘じゃない証拠は、たくさんの写真たちだった。それぞれが撮った写真を共有し、そういえばこんなこともあったな、と見返すのが今は楽しい。ひとつひとつを思い出しながら文章にするのも、とても楽しかった。旅行が終わってしまうのが悲しいだけじゃなかったのは、帰ったら文に残そうという楽しみがあったおかげだ。
家族を楽しませるための旅行を父が計画してくれたことも、母が相変わらず元気そうだったことも、全てをありがたく思う。一つ屋根の下で暮らしているわけではないけれど、顔をあわせれば今度は楽しかった思い出を共有できるだろう。それだけのことが宝物だ。
今頃、きっとみんなの皮も剥けているはずだ。日焼けした皮がすべて剥けたら、もう秋が来る。次にみんなが集まれるのは、いつだろうか。
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