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四日目
19 * ネオンブルーと珊瑚砂
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日本だ!
別に何を見たわけでもないけれど、飛行機を降りてまず思った。それから突然、旅行中はちっとも感じなかった、何かに急かされる感覚に襲われる。
明日は会議と研修だ、はやく帰って寝なくては……。
日本には日本語があって美味しいお米があって最愛のペットがいて、それから目先のやらなければいけないことがたくさんある。
降りてから入国審査の場所まで、わりと距離があった。こんなに長い距離を、預けた荷物はどうやって移動するのだろうか。空港は未知すぎておもしろい、そしてその仕組みを作った人たちはえらい。
無事日本に入国すると、成田空港の広さを改めて実感させられた。預けたキャリーケースがぐるぐる回るあれが、たくさんある。回転寿司ー、と思って動画を撮っていたら、わたしと羽斗の荷物だけなかなか見当たらず焦った。
税関を抜け、入国のあれこれが終わり、無事日本に帰ってきたことに安堵する。が、ここからがまた大変だ。空港=ゴールではない。
電車で帰るチームのわたしとひばりは、一足先にみんなに別れを告げ、空港第二ビル駅に向かった。彼女はこれからゼミの合宿に行くのだという。日暮里で拾ってもらい、軽井沢まで向かうらしい。なんというバイタリティ。
つぐみと彼氏はバスで東京駅へ向かい、両親と羽斗は来たとき同様、車で帰る。明日になれば、仕事に行ったり昼まで眠ったり、犬を迎えに行ったり勉強に精を出したり、それぞれの違う日常に戻る。だけど、グアムで共有した四日間はひとりひとりの中に残っていて、それがきっと何かへの活力になるのだろう。
旅は終わりがあるから楽しくて、旅先は帰る場所があるから美しい。見慣れた地名へ向かう電車に、一人で乗り込んだ。ちょっと寂しさを感じるけれど、日常に戻っただけだと自分に言い聞かせる。
家に帰ったら、まず写真を整理しよう。それから、思い出を何かに記録しておこう。日本には、やらなければいけないこともたくさんあるけれど、やりたいこともたくさんある。
窓の外には、静かで暗く、湿った夏の夜が広がっていた。二十一階から見た光の川を思い出す。珊瑚たちが生んだ白い砂浜を思う。全く違う、だけど同じ世界にある景色。
あの海だって、この瞬間もきっと、ネオンブルーに輝いている。
別に何を見たわけでもないけれど、飛行機を降りてまず思った。それから突然、旅行中はちっとも感じなかった、何かに急かされる感覚に襲われる。
明日は会議と研修だ、はやく帰って寝なくては……。
日本には日本語があって美味しいお米があって最愛のペットがいて、それから目先のやらなければいけないことがたくさんある。
降りてから入国審査の場所まで、わりと距離があった。こんなに長い距離を、預けた荷物はどうやって移動するのだろうか。空港は未知すぎておもしろい、そしてその仕組みを作った人たちはえらい。
無事日本に入国すると、成田空港の広さを改めて実感させられた。預けたキャリーケースがぐるぐる回るあれが、たくさんある。回転寿司ー、と思って動画を撮っていたら、わたしと羽斗の荷物だけなかなか見当たらず焦った。
税関を抜け、入国のあれこれが終わり、無事日本に帰ってきたことに安堵する。が、ここからがまた大変だ。空港=ゴールではない。
電車で帰るチームのわたしとひばりは、一足先にみんなに別れを告げ、空港第二ビル駅に向かった。彼女はこれからゼミの合宿に行くのだという。日暮里で拾ってもらい、軽井沢まで向かうらしい。なんというバイタリティ。
つぐみと彼氏はバスで東京駅へ向かい、両親と羽斗は来たとき同様、車で帰る。明日になれば、仕事に行ったり昼まで眠ったり、犬を迎えに行ったり勉強に精を出したり、それぞれの違う日常に戻る。だけど、グアムで共有した四日間はひとりひとりの中に残っていて、それがきっと何かへの活力になるのだろう。
旅は終わりがあるから楽しくて、旅先は帰る場所があるから美しい。見慣れた地名へ向かう電車に、一人で乗り込んだ。ちょっと寂しさを感じるけれど、日常に戻っただけだと自分に言い聞かせる。
家に帰ったら、まず写真を整理しよう。それから、思い出を何かに記録しておこう。日本には、やらなければいけないこともたくさんあるけれど、やりたいこともたくさんある。
窓の外には、静かで暗く、湿った夏の夜が広がっていた。二十一階から見た光の川を思い出す。珊瑚たちが生んだ白い砂浜を思う。全く違う、だけど同じ世界にある景色。
あの海だって、この瞬間もきっと、ネオンブルーに輝いている。
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